第10回 LCIFスタディツアー・カンボジア

当社 野口 正二郎

日本は、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)への献金が、世界208ヶ国の中でトップを続けています。
LCIFの資金が、どのような所で、どのように使われているか、見学するツアーが実施されており、
今回で10回目を迎えました。
 
今年1月12日から16日まで、年間300万人が訪れる世界遺産で有名なアンコール・ワットのある、
カンボジアのシェムリアップを基点に6か所を見学しました。
参加者は33名、北は福島から、南は沖縄まで、またフィリピンから数名の参加者が、シェムリアップの
アンコ−ル・センチュリーホテルに集まりました。
約半数のリピーターが再会を喜び、また新しい参加者を暖かく迎えます。
ライオンズメンバーは皆友達ということでリピーターも多く、10回目を迎えることができたと思います。
団長の安澤莊一332ーD地区ガバナー(福島県・白河小峰クラブ)は、10回全て参加という、
事務局サイド以外では1人のみ皆勤賞もので、各所でのご挨拶、ドネーション贈呈のお役を務めました。
今回の訪問先の概要を、回った順番に報告いたします。

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子供達がお出迎え
磯邊千春さんのご説明
子供達の絵
バン・ソチャット君の日本語あいさつ
 
(1) 孤児の寄宿舎

岡山旭クラブ・岡山後楽クラブが、2009年に建設、申請金額は14,500ドル
シェムリアップより西へバスで20分、NPOハート・オブ・ゴールドが運営しており、代表者は有森裕子氏。
男子が6名、女子が12名、高床式の寄宿舎で男女別に寝起きしています。
小学生以下の子供から、高校生まで、全員が私達を前に日本語で挨拶しました。
はっきりと将来の夢を話し、美容師、医師、日本語ガイド、客室乗務員、コックさんになって皆に美味しい
食事を作りたいという女の子もおりました。全員が日本語で恥ずかしがらずに挨拶をしたので、驚きました。
その中で、19歳の男子高校生バン・ソチャット君がしっかりした挨拶をして、将来はIT関係の仕事をしたいが、
大学に行く資金がないとのことでした。
その後で団員からの発案により、参加者が数千円出し合って、奨学金にしましょうということで、募金を募ったところ
約7万円が集まりました。約2年分の大学の費用を、翌日サプライズで、NPOの磯邊千春さんにお渡ししました。
バン・ソチャット君の将来が楽しみです。


ライオン尾山剛(左)と校長先生(右)
生徒達と
ピアニカを演奏する生徒達
図書館で習字の採点

(2)トラキエット小学校 (生徒数 354人、先生 7人)

愛知県・幸田クラブが、2009年に校舎改修、申請金額は24,600ドル、2011年に図書館建設、
申請金額は11,000ドル
さらに西へ30分、マイクロバスで田舎道を入って行くと、新しい校舎と図書館が見えた。生徒たちが、両側に
列を作って出迎えてくれる、ちょっと照れくさいが、嬉しい歓迎です。
2005年2月にスタディツアーで、茨城県下館クラブの建設した小学校をいくつか見学した際に、ライオン尾山剛が
自クラブでも是非学校建設の事業をしたいということで、下館クラブの助言を受けて進行しました。
2008年1月のスタディツアーで、ライオン尾山剛とライオン山本冨夫が下見で同行した際には、バナナの葉で屋根を
葺いた粗末な教室に学ぶ生徒たちを見て、ひどい状況であることを痛感しました。
素晴らしい施設を作った後も、幸田クラブのメンバーは6年間毎年小学校を訪れ、音楽を教えたり、習字を教えたり、
一度もいったことのないアンコ−ル・ワットへも連れていったり、子供達に多岐に亘る教育支援を行っています。
幸田町は、愛知万博でカンボジアとパートナーシップを結んだ縁があり、町を巻き込んで支援活動をしています。
図書館で書道の採点をしてもらう生徒達、校庭でピアニカを演奏する生徒達、笑顔が広がっていました。
翌日、初めての運動会も無事成功したそうです。

10 11 12 13
ミシンの訓練中
10 見学する団員
11 ミシンの訓練中
12 販売される衣類
13 安澤団長より寄付贈呈

 
(3)女性の為の裁縫の職業訓練所

神奈川県・南足柄クラブが、2012年5月にミシンを寄贈、申請金額は10,000ドル
シェムリアップから1時間、郊外のベンメリア遺跡の手前にある施設。
南足柄クラブの田代哲也会長と責任者のソー・サロン氏が待ち受けていました。
18才から23才の女性達、19人が先生の指導のもと、ミシンを踏んでいます。5km以内の近隣から通っています。
カンボジアでは手に職をつけることは大事な生活手段になります。
併設して、子供達に日本語と英語の語学教育する小さな教室があり、熱心に勉強しておりました。
外国語を学ぶことも、重要な生活手段になってきます。

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14・15 本とボールペンのプレゼント
16 お米の配給を受ける生徒
17 寄贈した校舎の前で集合写真
18 校長先生へ寄付贈呈

(4)タックレイ小学校 (創立 1999年 生徒数 708人)

熊本クラブが、2009年に校舎を建造、申請金額は27,000ドル、
ベンメリア遺跡の料金所の脇にあり、シェムリアップから1時間30分。
熊本クラブ・米澤義一会長の関係で、渡邊裕子氏が出迎えていただいた。
米澤義一会長の手配で用意していただいたノートとボールペンを皆で生徒に配りました。
通りから、校舎の側面に書かれた、KUMAMOTO LIONS CLUB の文字が良く見えます。
校舎の前で、何人かの生徒にお米を配っており、訊ねると貧しい生徒さんにお米の配給をしてるとのことでした。

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19 校長先生のあいさつ
20 生徒達による歓迎の踊り
21 完成した図書館
22 新しい図書館で読書する生徒達
23 図書館の前で集合写真

(5)バッタンバン州・オータキ小学校 (生徒 487人 先生19人・内女性15人)

福井クラブが、2013年10月に図書館を申請、申請金額は21,839ドル
カンボジアの第二の都市バッタンバンの手前、シェムリアップから良い道ができたとのことで、期待をしてバスで向かったが、
途中に工事中の箇所が多く、また水害で被害を受けた道もあり、途中トイレ休憩を入れて、3時間10分を要しました。
それでも予定より30分早く到着して、生徒達の整列で出迎えを受けました。
福井クラブの野坂鐵郎会長がスタディツアーに参加して、同行いただきましたが、カウンターパートは、公益社団法人シャンティ
国際ボランティア会(SVA)のカンボジア事務所で、受入の準備を進めておりました。
このSVAさんとは、私の所属する東京文京クラブが、約20年前にバッタンバン州バンアンピル村小学校の校舎を建設以来、
5年毎にお世話になっています。山本英里所長は、この日車でプノンペンから小学校へ、萩原宏子さんは、ホテルから車で
バスの先導をして小学校まで、学校訪問のスケジュールをきちんと組んでいました。校長先生、山本所長、野坂会長の挨拶
の後、SVA男性スタッフによる「大きなかぶ」の読み聞かせを行い、生徒や、団員が数人参加して、絵本の通り、繋がってかぶを
引き抜くところは生徒達を沸かせ、我々も楽しみました。SVAの活動の一部を拝見しました。
図書館は大体完成して、整然と図書が置かれており、既に生徒達や村人も利用しています。
2月8日の引き渡し式には、福井県のTVクルーが一緒に取材で来るそうです。

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24・25・26 母子がベットにて
27 助産所スタッフと
28 助産所の前で集合写真

(6)バッタンバン・HIV/エイズ専用の助産所

沖縄県八重山クラブ・宮古クラブ・石川クラブが、2011年、申請金額は25,000ドル、
バッタンバン市内で昼食を取り、少し走ったところで、先導車が、バイクと交通事故を起こし、どうなることかと思う。
現地のカウンターパート「開発の為の仏教」のスタッフが1人バスに乗り込み、助産所へ。シェムリアップ方向で、オータキ小学校
に近いようだ。八重山クラブの識名安信元337−D地区ガバナーとライオン前里和江、宮古クラブのライオン高里俊夫が
スタディツアーに参加して、案内役を務めていただいた。トマコール市トマコール病院の敷地内にあり、ソポン院長や助産所の
6人のスタッフの皆さんが出迎えてくれました。入って右の室に、妊婦さんのベッドルームがあり、7人の妊産婦と6人の赤ちゃん、
ご家族がおりました。ベッドは12台あります。1カ月に、55人から75人くらい利用されています。HIV/エイズ患者だけでなく、
極貧の家庭の妊産婦も利用しているようで、効率良く利用していると思います。
助産所の名前は、「慈愛の母 結 沖縄」、結(ゆい)とは、沖縄では共同、協働の意味があります。
2012年11月の完成式に生まれた男の子のミドルネームに YUI が名付けられたそうです。
沖縄の慈愛の心が生きておりました。

参加者は、LCIFの交付金がカンボジアの地に於いて、有効に活用されていることを実感しました。
カンボジアは、まだまだ支援を必要としております。
今回の旅行の見聞により、新たなアクテビテイが生まれると嬉しいです。



シェムリアップ・アンコールワットLCとの夕食会



このスタディツアーでは、地元のライオンズクラブと交流する機会を持っています。
2日目の晩に、ホテルの宴会場でシェムリアップ・アンコ−ル・ワットクラブ(SRAW LC)との友好交流夕食会を開催しました。
SRAW・LCからは、ティウ・ソティアリット会長、日本語学校等を経営する鬼一二三幹事、合計10名が参加しました。
タイからロビス国際理事夫妻、プノンペンから神崎ZCご夫妻、幸田クラブから10名、NPO関係者5名も参加しました。
66名の参加者で賑やかに、落ち着いた夕食会が開催できました。
 
観光は、アンコール・ワット、アンコールトム(バイヨン寺院)、タプローム、普通は行かないベンメリア遺跡も回り、遺跡群を堪能しました。

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29 アンコールワットにて
30 ベンメリア遺跡の入り口
31 ベンメリア遺跡見学中
32 アプサラダンスショーの後で
33 バッタンバンのクロニョン像にお参り
34 バッタンバンのホワイトローズにて昼食
35 タプロームの巨木にからまれた遺跡
36 バイヨン寺院の観世音菩薩像
37 夜はにぎやかなパブストリートへ

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