東京湾より大型外国客船に乗って
〜ボイジャー・オブ・ザ・シーズにて、長崎・釜山・済州島クルーズ〜
野口 正二郎(当社)



昨年10月、K社の新聞広告に目を取られた。
(ゴールデンウイーク、出発決定、チャーター企画、13万トン級大型客船
ボイジャー・オブ・ザ・シーズ東京湾からの出航は史上初!)
早速、友人のI氏を誘い、一番安い内側の室を予約した。
出発の2週間前頃に、K社係員より連絡があり、海側デラックス・バルコニー付き
に空きがあり、そちらを利用くださいとのこと、喜んでお受けする、ラッキーなこと。

>>>写真をクリックすると大きくなります<<<
01 02 03 04 05
●写真説明
01)大井埠頭にて乗船、I氏 02)バルコニーより客室を見る 03)中央のらせん階段 04)東京湾の夕景
05)ブュフェレストランにて、中国人女性のバースタッフと

この船は、正確には137,276トン、乗客定員3,114人、全長310m、
1999年就航の、かなりの大型客船である。
この船を所有する「ロイヤルカリビアン社」は、2009年、2010年に225,282トンの
巨大客船(乗客5,400人、全長361m)2隻を、カリブ海に就航させている大手の
クルーズ会社。
当日は、お台場のビッグサイト・TFTホール西館に集合。多くのお客様が来ており、
チェックインを済ませると、バスで大井埠頭へ移動となる。行列を進んで手続、乗船する。
この船は、高さが68mあり、レインボーブリッジ(55m)や横浜ベイブリッジ(52m)
を通過することができず、貨物の埠頭に接岸、乗下船することになる。
貨物の埠頭からの出航は、やや華やかに欠けるが、都内の港にて便利である。
K社が、バスの送迎サービス、スーツケースの宅配サービスを往復付けてくれたので、
ショルダーバッグで乗下船できて楽であった。

06 07 08
09
●写真説明
06〜07)ロイヤルプロムナードにて、キャラクターのパレード 08)長い廊下 09)ロイヤルプロムナードは両側に店が並ぶ

客室は、8階8640室、船首に向かい左手の海側である。ツインベッド、TV,ミニバー、
シャワー室はやや狭い、トイレは残念ながらウオシュレットにあらず、海側バルコニー付き
にアップ・グレードされたので文句は言えないところだ。室の広さは、まずまずである。
客室担当はROLLY君。国籍は確認せずじまいであった。
この船は、中国人スタッフが多く、ファン・クルーズデイレクターを筆頭に、フロント、
レストラン等で沢山働いていた。
午後4時30分に、4階レストランで避難訓練の説明会があり、全員参加となる。
午後5時頃、東京湾を出港、11階のデッキをより風景を見ながら、コーヒーを飲む。
室に戻り、私のスーツケースが着かないので、ROLLYに訊ねると、1階に保管中とのこと。
1階に行くと未配達の荷物がまだ多くあり、私の荷物に缶切りのようなものが写っており、
保管中とのことであった。再度検査ををして、受け渡しとなった。
午後7時にシアターでショーの見学、中国人の双子の女性の雑技団であった。
午後8時、メインダイニングの「カルメン」に行くと行列になっており、時間がかかりそう。
待つのが嫌なので、11階のブッフェレストラン「ウインド・ジャマー」にて夕食をいただく。
大型船は、複数のレストランがあり選択でき、便利で楽しめる。

10 11
12 13 14
●写真説明
10)プール 11)定番の階段での写真 12)ラ・スカラシアター 13)ショーのひとこま 14)韓国の楽音国楽団による、伝統楽器コンサート

2日目は、終日航海日である。
朝食の為にメインダイニングに行くと、順次案内され相席となる。メニューより選択して、注文。
サラダ、フルーツ、おかゆは、中央のブッフェコーナーで取る。航海日は落ち着いて朝食を
取ることができる。船内イベントにいくつか参加することにした。
9時より、K社主催のスタンプラリーに参加し、船内を歩きまわる。
10時よりスクリーンルームにて、「街道20周年歩き旅」ということで、講師の先生による
長崎、釜山、済州島のお話があった。
今回、各地ではオプションに参加しないで、自力で回ることにしたので、参考になった。
4時より、スクリーンルームにて、スピルバーグ監督の「リンカーン」を日本語吹き替えで見た。
最新の、そして話題の映画を見ることができて幸いであった。
この晩は、フォーマルデーということで、スーツにネクタイを着用して、8時にメインダイニング・
カルメンへ行く。3・4・5階を使った大きなレストランである。
4階右奥の456テーブルに案内されて、我々は奥の席に陣取った。
8人掛けのテーブルで、青梅からの年配のご夫妻、茅ヶ崎からの若夫婦、国立と川口からの
熟年女性2人と相席となり、我々は2日目にしてデイナーテーブルのデビューとなった。
適度な会話もあり、良いテーブル仲間であった。情報交換もできる。
6回夕食があるが、誰かが抜けることもあり、全員揃ったのは2回のみであった。
いくつかの前菜、スープ、メインは肉、魚、パスタ等から選べて、デザートも含めて、お味は良い。
この晩は、10時15分から、シアターでショーがあり、11時過ぎに帰室というスケジュール。

15 16 17 18
19 20 21 22 23
●写真説明
15)シアターで司会のお二人は、船内TVでも、案内役 16)長崎入港前に橋を通過 17)長崎港に接岸 18)歓迎の楽団
19〜21)グラバー邸より船が見える 22)長崎新地中華街にて昼食 23)長崎水辺の森公園より、船を見る

3日目は、長崎港入港、自由行動で、長崎市内散策となる。
入港前に、大きな橋の下を通る。橋の上には歓迎の人達が、手を振って出迎えてくれる。
数メートルの差で、橋の下を通り、三菱造船所を見ながら、桟橋にゆっくり接岸された。
船から、目の前に大浦天主堂やグラバー邸が見える。ブラスバンドが上陸を歓迎する。
お天気も良くて、散歩日よりであった。上記のふたつを見て、旧英国領事館の建物の裏通りに
行くと鼈甲のお店があり、義母の誕生日のお祝いに、梟のネックレスを購入する。
オランダ坂や唐人屋敷跡を歩きまわり、長崎新地中華街にて、皿うどんを食することができた。
出島も徒歩圏内の観光地。この日は、帆船祭りの最終日ということで、港の水辺の森公園も
賑わっていた。この日が出国ということで、旅券とシ−パスカードで乗船、旅券をお預けする。
夕食前、シアターで韓国ソウルから来られた「ラクオンコク楽団」の演奏があった。
韓国の古典楽器を用いた素晴らしい音色で、日韓の音楽を聞いて感動した。
日韓の友好と平和を祈念するひとときであった。

24 25 26
27 28 29 30
●写真説明
24)メインダイニングルーム・カルメン 25)メインダイニングのテーブル仲間と 26)前菜
27)メインの肉料理 28)二人だけの夕食 29)魚料理 30)デザート

4日目は、釜山入港、自由行動、釜山市内散策
I氏が便秘とのことで、1階の医務室で薬を貰う。シアター等で司会を担当する日系ブラジル人
の前田クラビオ君が、親切に付き添って通訳してくれた。ショーでは、金沢かおるさんと軽妙な
話術で司会をして、我々を楽しませてくれる。プールサイドのダンス、夜のイベント等で大活躍。
とぼけた日本語で良い味を出していた。
クルーズ船の港から市内までタクシーで20分かかる。タクシー運転手が料金を吹っ掛けるが、
女性2人と相乗りにして、1人500円で交渉成立。チャガルチ市場近くで下車をする。
チャガルチ市場は、釜山の観光名所のひとつで、ビルの1階に沢山の海産物のお店が入って
おり、そこで魚とか、好きなものを買って、2階に持ってゆくと、レストランで刺身とか、色々料理
して、食べることができるようになっている。その周辺にも、同様の店が軒を連ねている。
九州に近いので、お店の人達は、良く日本語を話す。
もうひとつの名所、龍頭山公園、釜山タワーに歩いて行く。
タワーの手前に日本から韓国を守った、海将・李舜新臣将軍像が、日本を見据えて立っている。
タワーから360度、発展する釜山の街と港が良く見える。
近くの国際市場に行き、骨董品の店を探したが、日常品の店が多く、みあたらなかった。
I氏がお疲れのようなので、フェニックスホテルの前からの、無料送迎バスで船に戻り、船の中で
昼食をとった。クルーズ中は、三食付きにて昼食もOKである。
ラスベガス風のミュージカルショーを見て、夕食のメインは、下平目の料理にした。
魚料理も美味しく、口に合う。
10時過ぎ、前田氏の司会で「ゲームショー・ザ・クエスト」に参加。子供は一応お断りのゲーム
だが、子供連れ家族で参加のチームもあった。8人くらいでチームを造り、チーム対抗戦になる。
司会者が要求したものを一番早く持って行ったチームが、トータルで勝ちになる。
入れ墨のある女性とか、男性が頭にブラジャーを乗せてこいとか、最後は男性が女装で踊るという
問題であった。女装して踊る10数名の日本男児に皆爆笑であった。我がチームは、最前列に座り
好成績で、金銀銅のうち銀メダルを勝ち取ることができた。ゲームに熱中の楽しい夜であった。

31
32 33 34 35
36
37 38 39 40
41 42 43 44 45
●写真説明
31)朝食にて 32)釜山港にて歓迎の幕 33)釜山のキャラクターと 34)チャガルチ市場1階 35)チャガルチ市場2階 36)釜山タワー
37)タワーから港を眺める 38)なつめ茶とゆず茶で休憩 39)大量の食料品の積み込み 40)夜のゲームに熱中 41)女装する日本男子
42)ゲームで銀メダル受賞 43)バーの韓国人スタッフ 44)船で偶然会った知人のK氏 45)室へ戻ると、バスタオルの動物が出迎え

5日目は、済州港入港、自由行動、済州市内散策
朝食後、タクシーを使わずに、地図を頼りに歩いて済州市内をめざす。
貨物の港沿いをかなり歩いて行くと、山地川というきれいな川に出た。道を訊くと、ソウルから来た若い
学生風の女性達で良く分からず、地元の女性に訊ねてくれた。
川の上流に行くと、東門市場や「三姓穴」に行き当たると言うので、川岸の遊歩道を歩いて行く。
ソウル市内に清渓川(チョンゲチョン)という、前大統領の李明博氏が市長の際に、どぶ川を清流
に変貌させた川を思い出させる。
市場でデコポンのマッコリを2本買い求める。
東門市場を過ぎると、川は渓谷風となり、深い谷底が見える。
途中、地元の奥様に「三姓穴」の道を訊ねると、自分の家を通りすぎて、坂道を上がり、大通りにでて、
さらに右手に歩いて、「三姓穴」の前まで案内してくれた。道を訊くと親切な人が多い。
済州島の神話の神様が誕生した「三姓穴」を見学、すぐ近くの済州道民族自然史博物館は無料で
見学することができた。
博物館の前の、サムダエヌードルという店で韓国麺と餃子を食べて、タクシーで帰る。
この日は、午後2時に出港ということで、早めの帰船となった。
午後5時に、このクルーズ船の名物のアイススケートショーがある。5時前に会場に行くと、既に満席で
一番後方の立ち見席で見学となった。カクテル光線の中のショーは華やかであり、タチアナ&
アレクサンダーのスケートはアクバチックなものであった。
夜のリンダ・ジェンテイルさんのピアノ演奏は、日本語を交えて、楽しいエンターテイメントであった。
翌日の晩のショーは、オーストラリアのマジシャン、ジョン・テイラー氏で、日本語をしゃべり、また
腹話術的な会話で、壇上に上げたお客様とやり取りをして、楽しませ驚かせてくれた。
今回は、ほぼ全員日本人の乗客の為に、日本語の上手なエンターテイナーを用意したようだ。

46 47 48
49 50 51 52
●写真説明
46)船上より街が見える 47〜49)済州島の上陸風景 50)山地川を上流へ歩く 51)東門市場前の橋桁 52)東門市場

6日目 終日航海
午後、この船の名物のロッククライミングに挑戦する。
他の人は、早く登る人もおり、自分もいけるかなと思っていたが、急に登るコースが変更になる。
握力が必要であるが、丸みを帯びた突起物は以外に掴みずらく、2回滑って落下という状況になるが、
係員が命綱でサポートしてくれる。三分の二くらいのところであったが、あっさりギブアップ。
次回のクルーズでリベンジを狙いたいと思う。
I氏と強風の中でパターゴルフを楽しみ、またバスケットコートのシュートにもトライするが、昔の感覚は
よみがえらず、ちょっとしか決めるられず。
最後の夕食は、イタリアレストラン・ポルトフィーノを事前予約しておいた。
1人US$20のチャージがかかるが、落ちついた良いレストランである。
メインデイッシュは、魚介類にしたが、前菜のハム盛り合わせでお腹がいっぱいになった。


7日目 東京港入港
午前9時30分に、大井埠頭に接岸。グループ分けされて、順次下船となる。
当初の11時の下船予定の通りであり、無事帰国となった。
今回のクルーズ旅行は、K社の貸切ということで、K社の手配内容が大変良かったと思う。
添乗員が100名と言われていたが、それ以外に多くの係員が動員されていた。
要所々に、若い係員、添乗員が配備されており、世話をされていた。
毎日の船内新聞は、日本語で作成されており、分かりやすいし、レストランでのメニューも
日本語が用意されていた。
夜のエンターテイメントも日本語を話す人が多く、昼夜のアトラクションも日本語がOKである。
英語のジョークやゲーム説明は、なかなか理解しずらいものがある。
チャーターならではのものであった。
満足されたお客様が多いと実感した。


今後、イタリア船やプリンセスクルーズ等、
外国籍のクルーズ船が、日本発着で就航するので、
日本船より割安な外国船は、ねらい目である。
日本船の飛鳥U、にっぽん丸、パシフィックビーナスには脅威かもしれない。


トップ アイコン
トップページヘもどる