3日目のテレルジ日帰り観光は、ガイドとドライバーが専属で付いた。午前9時にホテルを出発する。
ガイドのボーギさんから、色々な説明を受けながらテレルジに向かう。
人口約300万人のうち、130万人がウランバートルに住んでいる。ウランバートルの60%がゲルに
住んでいるそうで、町外れにでると、ゲルの家が多くみられる。ゲルとは、遊牧民の移動式住居である。
モンゴルは、昔100%が遊牧民であったが、今は30%になっているそうだ。
女性ガイドのボーギさんは、落ち着いた良いガイドさんだ。訊ねてみると、元国立大学のロシア語の先生で、
1990年の自由主義移行にともない、ロシア語の仕事も減り、独学で勉強して、10年前より日本語ガイドを
されている。政治形態の変更により、生活の変化が起きる。現状では、豊かさの実感はないそうだ。
腰を痛めて療養中の夫と、大学を卒業する娘と、高校を卒業する息子の4人家族。都市では、子供は2〜3人
のようである。モンゴルでは基本的には、姓がなく名前のみ、父の名前をくっつけることもあるそうだ。
ナライハの町を通り過ぎると、1時間でチンギス・ハーン像テーマパークに到着。10時開門にて、1番乗り。
草原に銀色のチンギス・ハーン像がまぶしく光っている。モンゴルで一番有名なチンギス・ハーンで、村おこし。
ウランバートルに近い土地に、内外の観光客を呼び寄せる計画で、周囲に沢山のゲルキャンプを建造中であった。
エレベーターで上り、馬の頭の所まで行くことができる。チンギス・ハーン像のお顔を真近に見、そして草原や
丘を眺める。モンゴルらしい風景である。
テレルジに入ってゆくと、面白い形状の岩山群が現れる。まずは亀石見学だ。その近くで乗馬を楽しむ人々を見た。
4WD車は、亀石の先の未舗装の悪路を走ってアリヤバル寺に到着する。山奥の寺院で、普段は僧侶が住んで
いない。社会主義の時代に仏教寺院は壊されてしまったが、自由主義になり復活することができた。
長い坂道を登り、つり橋を渡り、108段の石段を上がると、本堂がある。きれいな空気を吸いながら、山や谷の
景色を楽しむことができた。旅行は体力勝負である。
テンゲロッジ・ツーリストキャンプのレストランで昼食をとる。私より少し若いと思われる男性ドライバーは、良く食べる。
ビールを注文し、サラダ、羊肉の入った麺、パオと呼ばれる牛肉の入った餃子のようなもの、3品をいただいた。
どれも美味しく、少し残したが手頃な昼食である。欧州からの団体客が入り、小部屋での束の間の昼食だった。
私からの特別注文で、テレルジの奥にあるモンゴル唯一の5星ホテル、テレルジホテルへ行ってもらった。
50室くらいのホテルであるが、ロビーは綺麗になっている。残念ながら、責任者が不在で客室見学はできなかった。
帰路に、放牧民・ダマさんの家を訪問する。アラレをお土産に持参した。7人家族で、奥様がかたいパンと白い
乾燥したステイックや、野菜のおかずをごちそうしてくれた。昼食後でもあり食べられず、会話もあまり弾まず、
ガイドさんに促され、早めに失礼した。間もなくゲルを移動するようだが、10kmくらいとのことで、遠距離ではないが
生活用具一式を持って移動は大変であろう。それが放牧民の生活、習慣ということか。
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