●シャリテ・シュル・ロワール(La Charite-sur-Loire)ブルゴーニュ地方
地名に、ここのように定冠詞が付くところが、時々ある。例えば、今回の旅行で訪問したLe
Creusotなどは、その一例である。冠詞がつくことに、どういう意味があるのか、よく知らない。なお、Chariteとは、英語のcharityと同じで、神の愛、恵み、愛徳を意味する、大変良い名前である。
「フランスの彩り」の中の、ブルゴーニュ地方の「必見の観光スポット」に当地が入っていたのが主な理由で、訪問した。ただし、そこに、当地は世界遺産と書いてあるが、これは、案内所で、聞いたら、間違いだと言っていた。しかし、後で良く調べたら、サンチャゴ・コンポステーラへの巡礼の道として入っていることが、分かった。なお、「地球の歩き方」には当地は入っていないし、ウイキペディアにも日本語版は無い。
シャリテの見どころは、ロマネスク教会と、ロワール川にかかる橋だそうである。主な見どころの教会のあるところは、古い街にあり、駐車するスペースが見当たらないので、橋を渡ったところで、駐車させて、歩いて、教会のある旧市街へ戻った。駐車したところも新しい街はある。ロワール川もこの付近になると、川巾が広くなり、流れも速く、親しみ易い感じよりは、天気も悪かったので、ちょっと恐ろしい感じさえした。この橋は、ロワール川を越える要所で、車は結構通っていて、戦時中、爆破されてしまったというので、ずいぶん不便であったろうと思う。
街は「花3つ」印(Ville Fleurieの3つ花)がついていて、緑の多さを示す。「花3つ」までは、地方で決められ、フランスで、何百とあるので、特に、観光客を引き付ける要素にはなっていないと思うし、私もほとんど気にしていないが、「花4つ」は国が決めるので、価値が高いと思う。これは、「フランスの美しい村」と違って、村(Village)でも、町(Ville)でも、申請できる。しかし、この町で、花や緑が、特に美しいとは感じなかった。ロワール川べりの木が、対象なのだろうか。
サンチャゴコンポステーラの巡礼の道の1つとして、世界遺産となっているが、巡礼の道と感じさせるのは、古い旅籠(Auberge)があったくらいであった。巡礼の道であることが目玉のVezelayとは、大分違って、観光客はほとんどいないようだった。
ここのノートルダム教会は、他の教会では、類を見たことがないが、壁に、14個の聖書の文句が貼ってある。興味があるので、全部を、写真に撮って、後で、調べてみた。私は、信者でも何でもなく、唯キリスト教文化に、興味を持っているだけである。ここで、ちょっと驚いたのは、出典が結構間違っていることである。フランス人の信者の方は、結構鷹揚だと、感心する。本質的なことではないが、友人のプロテスタントの信者の方のお話では、ドイツでは、あり得ないことだそうだ。日本でもあり得ないだろうし、間違っていたら、すぐ誰かが、注意するだろう。しっかり、調べた訳ではないが、少なくとも、以下の赤字のところは、違うと思うのだが。訳は、フランス語の勉強に訳したもので、権威のあるものではなく、間違っているところもあると思うし、意味が良く分からないのもある。順序は不同。
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・Bienheureux
ceux qui ont cru sans avoir vu. (LXX)
見ないで信じた人たちは幸いである。 (JnXX 29)
・Ne vous posez
pas en juge, et vous ne serez pas juges. (L VI37)
ひとを審くな、そうすればあなたたちも審かれない。
・Venez a moi,
vous tous qui peinez sous le fardeau. (Mt II 28)
重荷を負っている人たちは、私の下に来なさい。 (MtXI 28)
・Les derniers
seront les premiers et les premiert seront les derniers. (L XIII 30)
後の人が先になり、先の人が後になるであろう。
・Heureux ceux
qui ont faim et soif de la justice, ils seront rassasies. (Mt V6)
義に飢え乾く人は幸いである、彼らは満たされるであろう。
・La ou est votre
tresor la aussi est votre coeur. (L XII34)
貴方たちの宝のあるところには、貴方たちの心もある。
・Le sabat est
fait pour l’homme et non l’homme pour le sabbat. (M II27)
安息日は人のために設けられたもので、人が安息日のためにあるのではない。
・Tout ce que
vous voulez que les homes fassent pour vous faites le pour eux. (Mt VII 31)
何事につけ、人にしてもらいたいと思うことを、人にもしてあげなさい。
・Si vous saluez
seulement vos freres, que faites-vous d’extraordinaire ? (Mt VI47)
自分の兄弟にだけ挨拶をしたからといって、何か特別なことをしたことになるだろうか。
(Mt V47)
・Confiance. Ta
foi t’a sauve. (Mt V6)
安心しなさい。あなたの信仰があなたを救った。 (Mt IX22)
・La Bonne
Nouvelle est annoncee aux pauvres. (Mt XI5)
貧しい者には、福音が告げられている。
・Pourquoi transgressez
vous le commandement de Dieu au nom de votre tradition. (Mt XV3)
なぜまたあなたたちは、自分たちの習わしのために神の掟にそむくのか。
・Quiconque aime
est ne de Dieu et connait Dieu. (Jn I 47)
愛する人はみな、神から生まれた者で、神を知っている。 (ヨハネの第一の手紙IV7)
・Rendez a Cesar
ce qui est a Cesar et a Dieu ce qui est a Dieu. (Mt XXII 21)
シーザーのものはシーザーに、神のものは神に返しなさい。
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ノートルダム教会に続いて、すぐ横にある由緒あるノートルダム騎士修道院(L’eglise prieurale abbatiale Notre-Dame)を見たが、中には入れなかった。
Cr1
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La Charite付近の地図;N 151を東から、来て、旧市街は、スペースがないので、ロワール川を越えて、駐車し、そこから、徒歩で、橋を渡り、旧市街に戻る;川は北へ流れる。
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Cr2
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古い街の、ロワール川対岸で、車を停める;そこから歩く途中の橋のたもと。
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Cr3
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Cr8
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新市街から、旧市街に歩く途中(往き帰り両方)の、ロワール川と橋の、前後・左右の風景;ロワール川は、北に流れているから、流れが左方向なら、新市街a旧市街方向に撮った写真で、右方向なら、旧市街a新市街に撮った写真である。
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Cr9
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橋からみた旧市街;ノートルダム教会の尖塔が見える;分かりづらいが流れは左方向。
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Cr10
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巡礼者が泊まる旅籠(Auberge)であろう;Loireの‘L’の字が、分かりづらい。
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Cr11
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ノートルダム教会内部。
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Cr12
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新約聖書の文句が、掲げられている。
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Cr13
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「見ないで信じた人…」の出典がLXXと記されている:これなら単に70で、L XXならルカによる福音書の20章で、いずれも正しくない。
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Cr14
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マタイによる福音書Mt II
28と書いてあるが、これは、11 28で、Mt XI 28が正しい。
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Cr15
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有名であるが、意味は難しい:政治と宗教は、別の水準のことで、混同してはいけないという政教分離のことを説いているという説が多いが、いろいろ解釈があるそうである。
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Cr16
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修道院;外見が美しいが、中には入れなかった。
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Cr17
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庭にあった、遺跡。
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Cr18
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修道院の一部なのか、よく分からない。
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Cr19
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街の店;ショウウインドウが鏡になっているが、中の展示物は見える。
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Cr20
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宣伝のためのマネキンや鉢を道路に出している;許可されているのかどうかは知らない。
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