●3−5.車関連事項

 レンタ―カーの予約は、協和海外旅行社に依頼して、出発約1ケ月前(8月5日)にHertz社(この会員になっている)に予約してもらう。車種はB級、マニュアル車で、ドゴール空港(出発および返還)で、飛行機の着発に合わせて9月4日、午前4時30分から、9月25日午後1125分まで、計22日間借りる。車はフォード社製で、ジーゼル車であった。レンタル料金は、1043.08 Euro (141 179)であった。(ヨーロッパでは、マニュアルが普通で、オートマは、予め予約しないといけない。昔、1度だけ、山道が多いので、フランスで、オートマを借りたことがあるが、借り賃は2倍ぐらいした気がする。)

走行距離は、4964 kmで、ガソリン代は、370.92 Euro1 Euro 135円とすれば、50 074円)支払った。ジーゼルの値段は、最高1.519 Euro/L、最低1.367 Euro/Lであった。ガソリン代は、(1 Euro100円に近い円高の2012年時でさえも)、日本より大分高い。給油したジーゼルの総量は分からないが、10.1/kmかかったことになる。

 この他に、高速料金70.8 Euro(9560)、駐車料金(10 Euro(1350)がある。これらを合わせると計20万円強ということになる。

国内では、40年間以上、運良く無事故・無違反であるが、今回は、事故とスピード違反2回を起こし、(国の内外で)初めてレスキュー車を呼ぶことになった。

●事故

 今回の旅行では、初めて、車の事故を起こして(他人や他車とではなく、自身の車の事故)、レスキューを依頼した。旅行2日目の、9月4日の夕方(写真の時間は、日本時間に合わせてあり、それから7時間引いたものが現地時間)、ランス(Reims)から、高速道路(A16-E17)を通ってホテルに帰る途中、高速から国道(N2)に降りて、ちょっと休憩のために、その国道の脇の駐車スペースに入り、休息を終えて、また、道に入ろうとして、後ろから、車が来ないかバックミラーでの確認に気にとられていて、その先にあった大きな穴に、前輪が、一旦、落ち込んだ。停止するほど深い穴ではなかったが、地面を何かが擦る音に気づき、50100mくらい走ったところに、運よく、丁度、右側に草むらがあったので、そこに入って留め、車体の下を見た。道路に上がる際、道路の舗装しているコンクリートの端に左側のバンパーにぶつかり傷をつけたのと同時に、車の下に貼ってある機械部分のプロテクターの底板の留めねじの一部が外れてしまって、それが地面まで垂れ下がって道路を引きずっていることが分かった。重量車が作った穴を、道路管理が悪く放置してあったようだ(Ca1, 2)。

プロテクター板を外そうとしても、ボルトを外す工具がなく、応急措置として、持参している荷物用の厚いテープで、バンパーに吊るすことも試みたが、またすぐ落ちそうなので、結局、すぐ取り出せる妻の携帯で、Hertzに、(日本経由で)通話して、車の番号、名前、およその現在位置、事故の概要などを述べ、助けを求めた。先方の電話番号は、ダッシュボード中に置いてある書類に書いてあった。

事故が起きてから、結局、通話することにするまで、小1時間を要した。日本でも海外でも、走行中、車の修理援助を頼んだのは初めてであったので、救助を求めることには、慣れていなかった。フランス語では、細かいことが何も言えないので、英語で話したが、先方は、日頃、慣れているらしく、英語で応対してくれた。

まず、先方側から、真否を含めて、こちらの状態を確認したいためらしく、こちらの携帯番号を聞くので、自分自身の携帯番号を教えて、一旦切って待つ。すぐ電話がかかってきて、事故現場の位置を詳しく聞いてくる。幸い、GPSを持っているので、緯度、経度が分かり、それを伝える。それでも、その位置をはっきり確認したいらしく、周りに、確認してくれる現地の人はいないか聞かれたが、人家は遠くであったので居ないと答えた。

多分、最寄りのレスキューの車のある都市は、50 km離れたランスらしく、50分後に着くだろうと言われたが、来るまでは、本当に来てくれるのか心配した(その頃のParisの日の入り午後8時26)。1時間近くなってもレスキューが来なく、辺りも暗くなり始めたので、心配になって再度、電話したら、丁度、電話が繋がった瞬間に大型レスキュー車がきて、自分の車の前に停まった時は、本当にほっとした。流石に大きなHertz社だけあって、最悪の場合に備えて、車を乗せられるような大きい車で、連絡以来、ほぼ1時間で、来てくれたことになる。

運転手が作業員を兼ねていて、作業服を着ていて、車の下を見て、レスキュー車の荷台を下げて、その上に、事故車の前方を乗せて、車の下の作業をしやすくし、まだ一部、車体に留まっているネジを全部外して、その後、ボンネットを開けて、エンジン部分もちょっと調べて異常のないことを確認し、作業自体は10分程度、到着してから、離れるまで、20分弱で終わり(取り外した部分をトラックに載せたものが写真2(夕方、9時17))、機械部分などに異常はなかった。その作業員は英語が話せないので、本部に電話をかけ、私は、作業本部と直接話した。このまま、車を運転し続けたいかと聞かれ、そうしたい旨伝え、実際、旅行の最後まで、全く問題なく、旅行を続けられた。作業員には、わずかな心づけを渡したが、手早く、作業を終え、すぐ、立ち去った。そこから、10 kmぐらいのホテルは、前日から泊まっているので、ほとんど対向車のない田舎の道を、ライトを上向きにして、真っ暗の中でも容易に帰れた。

事故を起こしたのが大きな道(国道N2)で、しかも、道の横の草原に停められたので、大きなレスキュー車も容易に来られ、作業も容易にできたのは不幸中の幸いであった。事故の原因といえば、駐車スペースに大きな穴を空けたまま放置している道路管理の悪さ責任があると思うが、自分もそれに気づかなかったのは、迂闊であった。

後は、すべての保険には入ってはいたが、いくら請求されるかが、帰国してからも心配であった。しかしながら、カードから引き落とされた額は、最初の契約時の予定価格とほとんど違わなかったので、車の修理に関しては、全て保険で賄われたようで、ほっとした。契約時の額は、1016.52 Euroで、実際に支払った額は、上に述べたように、1043.08 Euroで事実上変わりはなかった。

スピード違反(2件)

国内では、40年以上無事故・無違反であるが、今回は、フランスでは初めて、2回、スピード違反を犯した。言い訳をすれば、従来の運転をしていては、大変厳しい交通規則の適用と電子監視システムの普及、及び、地域の収入増加の手立てとして、いつ、どこでも違反を摘発される可能性が出てきたということだろう。具体的に述べると、以下の様である。

交通違反をした知らせは、帰国後、最初、レンタカー会社からの、手紙による通知で知る(Ca8)。要旨は、「97日に、当社から借り出した車が交通違反をしたという知らせが当局(警察)から来たので、運転者の氏名、住所を知らせた。ついては、手数料の19.99 Euro(税込)(2685円)を、クレジットカードから引き落とした。」というもので、交通違反の内容は書いてない。同様(翌日、98日の違反)の手紙が、同時に、計2通届いた。

それから、しばらくして(1018日)、関係当局(警察?)から2通の封書が、同時に来て、違反の内容を知る。それぞれ、3枚の紙が入っているが、一番重要な通知が書いてある紙1枚を示す(Ca9)。要旨は、<97日、1821分にSt Die-des-VosgesRemomeixへの方向の道で、制限速度90 km/hで、最高許容速度93 km/hのところ、98 km/hで走行したので、45 Euro101日から46日以内(1115日まで)に、カード送金か、フランスの銀行窓口で、支払え。(47日―76日なら、68 Euro、それ以上期間が過ぎたら、180 Euro..)。(罰金免除を申請したいなら、論拠を送れ。)>というものであった。もう1つのものは、<98日(翌日)、959分にSt Die-des-VosgesSelestat方向の道で、制限速度70 km/hで、最高許容速度78 km/hのところ83 km/hで走行したので、(以下、前のものと同じ)>と書いてあった。場所は、St Die-des-Vosgesのホテルで泊まったので、そこに到着したときと、翌朝、出て行くときと思われる。勿論、スピード違反したのは悪いが、許容範囲が、こんなに厳しいとは、何回もフランスをドライヴしたが、今まで、知らなかった。今回も3週間も旅行したのだから、他でも、あちこちで、この程度の違反はしているに違いない。しかし、この地域だけで、違反を指摘されたのは、この地域が特に厳しく、速度検知器をあちこちにつけているからに違いない。そういう地域を、知らずに走行したのは、運が悪かったと思う。ここのホテルで、5泊しているから、これだけで済んで、むしろ良かったと思う。あるいは、何回も同じ場所で違反しているので、2回で勘弁してくれたという可能性もあるのかもしれない。

罰金は、すぐカードで送り(1021日)、領収書は、折り返し、ネットで、送られてきた。今後、フランスでも、制限速度というのは、文字通り、速度の最高限度のつもりで走らねばならぬことを知った。カナダがそうであることは、聞いたことがあるが。

人身事故ではなく、他車との事故でもなく、そこから10 kmぐらいのホテル(レストラン付)にも2日目だったので、食事も、取れた。なお、私には、Fordは乗りやすく、Toyotaは、大変、乗りにくい。理由は、今度、カナリアの旅行記に書かせていただこうと思っている。

●駐車料金

 地下など建物内、あるいは柵内の駐車場は、日本と同様で、入口のバーの前で、ボタンを押し、駐車券を受け取り、出る際に、時間に応じて支払う。大抵、無人なので、予め精算機で、支払う。出口で、支払うことが出来ない場合や、お金を取り出すのに時間がかかると、後続の車に大変迷惑になるし、最悪の場合は、後続の車数台にバックをお願いしなければならない。

路上駐車の場合は、有料か、無料かを確かめて、有料の場合は、近くにあるはずの精算機に行き、コインなどで、支払う。駐車予定時間によって、値段が違うので、少し、長めに設定する方が、無難である。美術館などに行って、駐車時間が気になって、見たいものを中断して戻らねばならないのは、大変、残念なことである。

また、駐車して車を離れる場合は、外から見えるようなところに、貴重なもの、あるいは貴重だと誤解されやすいものを残してはいけないのが、フランスなど外国では、日本とは違う鉄則である。比較的治安の良い北欧のコペンハーゲンでも、窓ガラスを割られている車を見たことがある。GPSも取り外して持ち歩くべきである。そして、GPSがある場合は、駐車場所をインプットして出るべきである。無ければ、良くメモするか、デジカメに付近の景色と共に、写していくべきである。どこに置いたか分からなくなって、泣きたい思いをしたことが、過去に2,3度あった。こればかりは、警察に聞いても、分からない。路上の有料駐車場でも、土、日とか、夕方から朝までなど、無料が普通であるから、よく確認すべきである。中に、ここに示すように、月曜なども無料なところがある(Ca10)。知らないで、お金を入れてしまうと戻ってこない。

例1:フォンテンブローの場合:(Ca10

<月曜(lundi)も無料であるという表記あり。

Du mardi au samedi, de 9H a 13H et de 14H a 19H, gratuit lundi, dimanche et jours feries; ()月曜から土曜の9時から13時、14時から19時迄(有料)、月曜と日曜と祝祭日は無料;20mn2H00は分かるが、1H02というのは、2分ということで、おまけなのか、そこまで、細かく見ているということの表明なのか?>

例2:ストラスブールの場合: (Ca11)

ここは、住民(Residant)と、その他で値段が違う(住民を装っても、車のナンバーで分かる)。カードも使えるが、そのための特殊なカードが必要で、予め購入する必要があるらしい。分からないことがあれば、英語でも応答するボタンがあるが、こういう場合は、少し待てば、誰かが、支払に来るから、その人に聞くことにしている。聞くと、大体、親切に教えてくれる。

ガソリンスタンドの支払い

ガソリンスタンドはセルフサービスがほとんどであり、夜間など全く無人のところがある。フランスはカード社会で、ガソリンは、ほとんど、カードで支払っている。全くの無人で、自分のカードが使えない場合が多い。例えば、現地の人は、専用のカードを持っていて、それを使用している。どうしても、そこで給油しなくてはならないが、カードが使えなく、しかも急いでいる場合は泣きたくなる。ガソリンを満タンにしてレンタ―カーを返却して、飛行機に乗らねばならない時に、この状況になることが、しばしば起こる。そのような最悪の場合は、他の給油している人に頼んで、その人のカードで給油してもらい、相当する金額を払うことにしている。田舎では、特に、人が良く、助けてくれる。そういう状況にならないように、注意しているので、めったにそういうことにはならない。給油器の操作や、車のガソリン吸入口の開け方が分からない場合に、他の人の助けを求めたことがあるが、いつも親切に教えてくれる。時間に余裕をもたせたり、車を借りる際に、ガソリンスタンドの場所、状況を、よく聞いておくことなど励行している。パリのような大都市は、大渋滞などの問題もあり、車では、なるべく近づかないことにしている。ガソリン料金は、日本に比べて高価である。

高速通行料金の支払い

日本の方法と大体似ているが、無人の場合があり、トラブルを起こすと他の車にも迷惑をかけるので、緊張する。前は、コインを、少し離れた網の中へ投げ入れる方式があって、網に入らなかったらどうしようかと不安だったが、今回はそういう方式は無かった。カードも使えるが、EU以外のカード(例えば、EU以外のマスター・カード)は駄目というところも多かった。コインは常に用意しているが、車の下が、コンクリートに接触しないように注意をしすぎる余り、十分に支払口に、シートベルトを付けたままでは、手が届かない場合が多い。


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Ca1

事故を起こした現場の穴と、事故車を停めた場所(遠方右手の看板類の見える右手草むら);写真は事故の後、現場に戻って撮った。

Ca2

事故の原因となった穴;後方からの車の有無に気をとられ、この穴の深さを十分に認識せず、一旦落ち込み、道路に上がる際に、舗装コンクリートの縁に、バンパーと、車体の下の保護板をひっかける;820分(撮影時間)。

Ca3

事故への対応に停まった道路横の草むら;Ca1で、遠くに見えるラウンド・アバウトの標識の少し手前で、事故現場から、約100 mぐらい先。

Ca4

車の前に到着したレスキュー車;前方のラウンド・アバウトの標識(Ca1, 3で見られる)がはっきり見える;94分(撮影時間)。

Ca5

車の前輪を、レスキュー車の荷台に乗せ、持ち上げ、車の下で作業;915分。

Ca6

取り外した車体の下の保護版;917分。

Ca7

後で撮った事故によるバンパーの傷。

Ca8

レンタカーからの、当局(警察)から、問い合わせがあった旨の通知。

Ca9

当局からの、罰金請求通知。

Ca10

フォンテンブローの路上駐車支払機:説明は本文中。

Ca11

ストラスブールの路上駐車支払機:説明は本文中。

Ca12

ガソリンスタンドの一例(Vittel);車はジーゼル車なので、1.367 Euro/L=186/L