のとキリシマツツジの郷を訪ねて   野口 正二郎(当社)


石川県能登町と「NPO法人・のとキリシマツツジの郷」のお招きにより、日本旅行作家協会の
会員と関係者が5月10日(日)午前10時に、のと里山空港に参集した。
 
羽田空港より、のと里山空港に全日空が1日2便飛んでいるが、私は今年3月14日(土)に
北陸新幹線が開通したので、初乗車を試み、陸路で能登へ向かことにした。
今年、ジパング倶楽部(大人の休日)の会員になり、JR券20%引きも初使用である。
5月9日(土)10時32分 東京駅発、途中に大宮、長野、富山に停車して、13時に金沢駅到着。
さすがに早い。富山、石川、福井の北陸3県も大変身近になったものだ。喜ばしいことである。
曇り空であったが、途中に雪をいただいた立山連峰が見えた。金沢は久しぶりである。
ビジネスホテルにバッグを預け、半日市内観光へ飛び出した。
ホテルの傍に、「加賀八幡起き上り」発祥の地とされる安江八幡宮があり、最初にお参りする。
近江街市場では贅沢な海鮮丼もあるが、(刺身屋)さんで、お刺身定食のランチをいただいた。
洋風の神門のある尾山神社では、6月に行われる金沢百万石まつりの百万石行列の参加者達が
武家装束で記念撮影をされていた。結婚の記念写真を取っいる一組、関係者もおられた。
金沢城跡を横目に、兼六園へ。新緑の中、花々が咲き、美しい庭園である。
この庭園は城と同じで、やや高台に位置している。庭園の一角に石川県伝統工芸産業館があり、
まとめて素敵な伝統工芸品を拝見することができた。
近くの金沢21世紀美術館は常設展の無い美術館。建物の真ん中にプール(水槽)があり、上から
見たり、地下の室から見上げたり、この美術館の名物になっている。このコーヒーショップも外から
丸見えの面白い造りだが、NHKの朝ドラの「まれ」の主人公のモデルが、係っていると後で聞いた。
只今ドラマで、ヒロインの「まれ」は、ケーキ職人を目指して、横浜のフランス菓子店で奮闘中である。
長町の武家屋敷を見て、犀川のほとりまで足を延ばすと、さすがに疲れてタクシーでホテルに帰還する。
金沢の街は、ゴールデンウイークに、かなりの人出で賑わっていたとタクシードライバーさんの弁。

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■写真説明
1)東京駅の北陸新幹線 2)立山連峰を望む 3)金沢駅東口 4)安江八幡宮にて 5・6)賑わう近江町市場
7)「刺身屋」さんの刺身定食 8・9)尾山神社にて 10・11・12)兼六園 13・14)石川県立伝統工芸産業館
15・16・17・18)金沢21世紀美術館

翌朝8時前金沢駅東口バス乗り場1番にて、協会会員で、金沢大学医学部の小野先生と合流する。
小野先生は協会の(癒しの旅研究会・世話人)を務めており、この研究会と(日本グループ・新家靖之
世話人)の共同企画で実施されることになった。特急バスで8時発、途中から高速道路に入り、
能登半島西海岸の海を眺めながら、山間部では、野生の藤の花が散見でき良いドライブであった。
2時間弱9時50分に、のと里山空港に到着した。我々が飛行機より早く一番乗りであった。
全日空は、10時過ぎに到着。クラツーの団体客や外国人のツーリングのグループが下りてきた。参加者
10人が無事集合。能登町の五田秀綱(ごたひでつな)課長補佐、「NPO法人・のとキリシマツツジの郷」
大路篤夫(おおじあつお)副理事長、政田(まさだ)成利事務局長のお三方が出迎えに来ていただき、
赤く咲き誇る「のとキリシマツツジ」研修の旅がスタートとなった。
 
のとキリシマツツジ・オープンガーデン2015ということで、4月下旬から5月中旬が見ごろとされている。
沢山あるお宅の中から、選りすぐりの5軒のお宅と、いくつかの観光名所を効率良く回ることができた。
 
@ 芦田秀秋宅 まず最初に驚かされる。樹齢300年、400年ともいわれる真っ赤な八重霧島。
   高さ 3.3m、横幅6mとご立派なもの。冬は雪が積もるので、4m以上のツツジの家を造りましたと、
   ご主人が、電動でその囲いの家を動かしてみせる。サービス精神が旺盛です。(町指定天然記念物)
A お昼時、柳田植物公園内の(合鹿庵)にて、「あえのこと」という昔から伝わる農村の神事を見学。
   稲作を守る田の神様を榊に見立て、男女の神様2体を玄関でお出迎え、囲炉裏で暖を取ってもらい、
   風呂に入浴、それから居間に用意された御馳走の前の座布団に置いて、お食事がふるまわれる。
   ユネスコ無形文化遺産で奥能登の代表的な民俗行事で、日本の良き伝統を拝見することができた。
   普通は農閑期の12月5日にお迎えして、2月9日までの行事であるが、特別参観させていただいた。
   昼食は同じ居間で、お供えと同様の郷土料理を食することがで幸いでした。
B 今回有名な「白米(しろよね)の千枚田」は寄らずに、海岸沿いの「せっぷんとんねる」を見る。
   昔、司葉子が出演した映画の舞台となった、恋人の聖地と言われている名所。イタリアの西海岸に
   チンクレテッレという世界遺産になっている5つの漁村があり、途中の道に同じような所があり、
   イタリア人?のカップルが抱擁しキスをしていたのを思い出した。
C 道の駅「すず塩田村」は車窓見学となったが、年配の男性と若い女性が、塩田に塩水を撒いている
   ところを見ることができた。揚げ浜式といわれる伝統的な塩づくりで、朝ドラ「まれ」にも出てくるが、
   大変な作業とお見受けした。塩の資料館があり、体験塩田ができる。
D 池上宝蔵宅 山中にあるお宅。家の裏手の崖に咲き誇る、樹齢350年の古木で県指定天然記念物。
   ちょうどお茶会が開催されており、御相伴にあずかる。茶菓をいただきながら、庭のツツジを眺める。
   優雅なひとときであった。
E 桜井信義宅 庭に大きなキリシマツツジが3本。多種のツツジも多く、鑑賞者が多く訪れるそうだ。
   ご主人が純朴で親切に対応してくれる。どこのお宅も同様で有難く拝見することができた。
F 「見附島」は、能登内浦海岸の景勝地で観光客も多い。軍艦島とも言われ、白褐色の絶壁の岩肌と
   頭にこんもりと乗った緑の樹木の対比が美しく見事である。 
G 「恋路海岸」も名所のひとつ。若い男女の悲恋伝説があり、その銅像が残る。今は廃線になっているが
   恋路駅行きの切符が沢山売れたそうである。
 
今晩のお宿は、「ラブロ恋路」。洋室の部屋から、海が良く見える。「NPO法人・のとキリシマツツジの郷」の
真っ赤なブレザーがお似合いの宮本康一理事長、能登町の議員3名様が合流して、レストランで交流
夕食会が行われた。簡単な自己紹介や意見交換も行われたが、ビールや地元のお酒をいただき、
室に戻るとバタンキューであった。
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■写真説明
19・20・21)のと里山空港にて NHK「まれ」出演者の看板と 22・23・24・25・26)芦田秀秋家の大キリシマツツジ

27・28・29・30・31)田の神様をお迎えする「あえのこと」神事 32・33)神事の後、会食 34・35)せっぷんとんねると日本海
36・37)すず塩田村 38・39・40・41)池上宝蔵宅のキリシマツツジ 42・43・44・45)桜井信義宅のキリシマツツジ
46・47)見附島(軍艦島) 48・49・50)恋路海岸の風景 51・52・53)能登町関係者と会食風景

翌日も朝から、お三方が案内をしてくださった。
 
H 「真脇遺跡縄文館」・「環状木柱列」 縄文時代の遺跡があるとは、来てみないと分からない。
   イルカの骨なども展示されており、休日にもかかわらず学芸員が出勤されて館内と外の環状木柱列の
   説明をお聞きすることができた。このウッドサークルの意味は分かっていないが、パワースポットとして
   注目されているとのことである。
I 「おおとり会」 知的・精神障がい者の作業所で、代表の鍛冶谷眞一氏(能登町町議会議長)がテキパキと
   案内・説明をされた。作業所の障がい者への愛情が感じられる案内でした。すぐ近くの入り江で北朝鮮に
   拉致された人がいたということで、一緒につり橋から入り江を見たが、自然な良い入り江で、そのような
   恐ろしいことが起きるとは想像できそうもないところ。早い解決を望むが、いつになるのか。
J 水木由一宅 キリシマツツジの盆栽が多い。今年3月に東京都文京区の六義園や毎日新聞のビル内で
   展示され、私も見学した。水木氏は、石川県の「ふるさとの匠」に認定されており、高く評価されている。
K 酒井一以宅 石川県指定天然記念物の紫霧島ツツジ。残念ながら、今年はやや早く咲いて、最盛期を
   過ぎていた。鑑賞期間が短いので、タイミングが必要である。
L 「猿鬼伝説・岩井戸神社」 神社では珍しく、石段を下りてゆくと、木々に囲まれた黒川のほとりに鎮座。
   五田氏より、その謂れをお聞きする。伝説の里である。
 
お昼は、国民宿舎能登やなぎだ荘で、能登牛のランチをいただいた。やわらかいお肉で美味しかった。
高正彦副町長、本間侑能登町観光協会名誉会長、水木由一氏が参加され、意見交換会が行われた。
協会より参加した10名が、それぞれの意見、感想を述べて閉会したが、少しでもお役に立てれば幸いである。
 
のとキリシマツツジを愛する人々の熱い思いが、能登への観光客誘致に繋がることを祈念して、
また熱心に、そして親切に最後までご案内くださった皆様にお礼の気持ちをお伝えしたいと記しました。
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■写真説明
54・55・56)真脇遺跡縄文館・環状木柱列 57・58・59)社会福祉法人おおとり会の近くの風景(北朝鮮の拉致が行われた入江


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