●ガルダ湖(Lago di Garda)
ガルダ湖は南北に約52 km、東西に一番長い距離が、18 km、面積は約370 km2を有し、最大水深346 m、イタリアで一番面積の大きい湖である。東京23区の面積が、618 km2であるから、その約6割の面積を有し、琵琶湖の面積は640.4 km2であるから、その58%の大きさである。湖の北部は、細長く渓谷で、上流から流れるサルカ川によってつくられている。Si2’に示すように、3州の境界線が湖の中にあり、北(上)がトレンティーノ・アルト・アディジェ州、東(左)側がヴェネト州、西(左)側がロンヴァルディア州である。
この湖の中心の緯度は、北緯45° 29’なので、丁度、日本の北端の稚内(45° 24’)と同じであるが、気候は温暖で、オリーブなどの栽培に向いている。
この湖は、その南端に特徴的な細長い半島を形成していて、シルミオーネ(Sirmione)と呼ばれる。時間の制約で、ここしか観光できなかった。しかも、その先端にあるローマ時代の遺跡は訪問できなかった。シルミオーネは33 km2で、人口8230人(2011年)であるが、観光客の方が、明らかに多い。
半島の付け根にあるスカラ家の城塞付近が賑やかで、観光客の大半も、この城を見学したり、周囲で買い物をしたり、喫茶店でコーヒーを飲んだりしている。
紀元前5-6世紀より、人が住んでいた記録があり、紀元前1世紀には近くの都市ヴェローナの金持ちの保養所となった。紀元13世紀になってスカラ家の支配するところとなり、Mastino I世が、城を築いた。1405年から1797年まで、ヴェニス公国の支配となり、1797年にハプスブルグ家の所有になり、1860年にイタリア王国の支配になった。
「死ぬまでに一度は行きたい世界の1000ヵ所」イ―ストプレス(2007)には、次のように紹介されている:午後の喧噪が落ち着いたころ、深い青色をしたガルダ湖畔にたたずむ、おとぎの国にあるかのようなこの城へ通じるはね橋を渡ってみよう。高い塔も壮大な銃眼つき胸壁も、すべては13世紀に当時ここから3 kmほどのベローナの地で勢力をふるっていたデッラ・スカラ家によって建てられた。ガルダ湖は、イタリア最大の湖で、その美しさは世界でも有数とされている。ベッラージョが「コモ湖の真珠」と呼ばれているように、シルミオーネは「ガルダ湖の宝石」と呼ばれている。城下には歩行者天国の旧市街が広がり、ブティクやカフェが軒を連ねる狭い通りは中世の面影を残している。湖水地方は古代ローマ時代にはVIPの避暑地として愛され、特に快楽主義の詩人カトゥラスは硫黄温泉を気に入っていた。壮大なカトゥッロ洞窟(Grotte di Catullo)は、彼の別荘の跡地だと言われている。(後略)」
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