9月25()11日目: Capo Spartivento(スパルチヴェント岬)

  サルジニア島の南の先端は、Capo Spartiventoといい、先端好きなので、南端にも行ってみた。この地名に特別の意味があるのか辞書で調べたが、spartireは、分割するという意味で、ventoは、風で、風をここで分割するというのだろうか。インターネットには多くの風景写真が掲載されている。緯度は、38°52’40”で仙台が、38°16’08’’なので、仙台よりやや北に位置するが、9月の立秋過ぎでも、まだ十分泳ぐのに適した季節で、日光浴には最適である。

Sp22-24’に示した球体の物体(Posidonia oceanica:ポシドニア オセアニカについては、写真説明欄では記述が長くなるので、ここで述べる。2006年にチュニジアでこの不思議な物体の存在に気づき、以来、これは動物なのか植物なのか、いずれにせよ、海に浮いているものが、どうやって繁殖していくのか疑問に思っていたが、聞いた範囲のヨーロッパ人は知らず、この物体の名称は、今回、調べてようやく判明した。

 (http:ameblo.jp/ecomstation/entry-11159332567.htmlなどを参照)

 ポシドニアという巨大海草(海藻ではなく、この字を使用している)が、地中海の約3200 km(説明では面積でなく長さで表記)にわたり40以上の海中草原を築いている。この海草は、12--20万年生き続けていて、最も多いのは10万年程度の株らしく、従来、最高齢とされるタスマニアの植物の4万3千年を大きく超えている。

 ポシドニアは透明度の高い地中海の砂地、水温10-28 ℃、水深1-35 mで見つかる海草で、一般には「ネプチューン草」や「Mediterranean Tapeweed地中海テープ草;特に訳語はない)」と呼ばれている。葉の長さは最大1.5 m、幅10 mmで明るい緑のリボンのような形状をしている。秋になると葉は茶色になり、光合成が弱い冬の間に新しい葉に生え変わり、波によって集められた海草繊維からボール(Egagropila:イタリア語)ができ、海岸に打ち上げられるそうである。Sp24’’に示したものは、2006年にチュニジア海岸で採取したもので、長径:8 cm、短径:4 cm、厚さ:3 cmで、髪の毛より細い硬い繊維が絡まってできている。このような見事な形をしたものが、波の影響だけで自然にできるとは大変不思議である。形はいろいろあり、もっと小さいものもある。成長するのにどのくらいかかるのかも分からない。「地中海毬藻」とでもいうべきだろうが、いっぱいあるから、貴重なものではない。上記のものは、海岸に沢山あるもののうち一番大きなものである。自然にできるなら球形になるのが自然と思うが、そうでないものが多いのも不思議である。採取したものは、水で洗ったが、ほとんど無臭で、約10年経っているが、虫もつかず、繊維も採取時以来傷んでもいない。

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カリアリから、スパルチヴェント(最南端)、ポルト・ピノまでの地図。

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カリアリ空港の近く、海に入る一歩手前に、大きな湿地帯があり、そこには、フラミンゴが多数いた。フランスのカマルグでも多くいたので、地中海に、渡り鳥として生存しているのであろう。飛行機の離着陸の妨害にならないようにどういう対策が取られているのだろうか。カリアリ市内からも見られた風力発電の風車がよりはっきり見られる。左手の白い建物はビニールハウスか?

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途中、Pula(Sp1’で、赤アンダーライン)のスーパーConad(サルジニアで主なコンビニ)で、日進のインスタントラーメン(1袋:1.01 Euro1.03 Euro)やキッコーマン醤油(150 mL4.03 Euro)が販売されていた;横にあるArnaboldi製のものは、同量で、2.63 Euroである。円安(当時、成田の交換レート:1Euro = 140円)のこともあり日本の2倍ぐらいであろうか。Arnaboldi社の日本食製品は、味噌汁やてんぷらもある。後で、ネットを見たら、サルジニアの会社らしく、日本には、送料はいるが、同量の醤油を、ここの半値の1.39 Euroで販売するようなことを書いてある。

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このSpartivento岬に注意書きがある。大体は、常識的なことであるが、砂丘は、内陸を守るものであるから、(砂丘の)道のみを通るようにとの注意がある。物品の販売を禁ずるという注意はない。英語などの表示もあり、イタリア人以外の訪問者も多いのであろう。

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海辺に行くには、このような長い砂浜を通らねばならない。上記のdune(砂丘)は、こういう平らな部分も含まれるようで、ここに立ち入ってはいけないらしい。

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Sp9-13は、Spartiventoの海岸風景である。

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男性のTattooは、日本より普及しているが、女性の大きなTattooは珍しい。彫り物の動物は何だろう。名前が思い浮かばないが、マフラーを模しているのだろう。椅子の紐は、畳んだ際に用いるのだろう。大きな袋は、海の家などないので、荷物を入れておくロッカー役をするものであろう。

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人の多い海岸の常で、黒人が、いろいろなものを売りに来るが購入している人をほとんど見ない。この椅子にも紐がある。

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軽飲食店の周りは、ヤシの葉(?)の日陰のあるチェアが並べられている。販売している飲み物などは、330 mLのビールCorona, Ceres, Budwiser(3,50 Euro)Heineken, Becks(3 Euro)Macedonia di Frutta(フルーツポンチ:4 Euro)Succhi di frutta(フルーツジュース:2 Euro)Insalate(サラダ:Euro)Tramezzin(サンドイッチ:4.00 Euro)Bibite in lattina(缶ビール:2.20 Euro)

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先端の見張り台が見え、その手前の湾では、泳いでいる人もいる。貸ボートもあり、見張り台もある。

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海岸の西側にある小山に登り、上記の海岸方向を俯瞰する。この海岸は、日光浴している人よりも立っていたり、泳いだりしている人が多い。この島の海岸で多い海岸・海中の岩石が無い。

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次にすぐ西にある湾状のTuarredaに行く。道路は崖の上を通り、海岸は、遠く下方に見える。一帯の景色が素晴らしく、太陽の方向に近い景色と背にした方向では、海の色が全く違って見える。海岸までは降りていかなかった。地図にあるように、この一帯をCosta del sud(南海岸)という。

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更に西に行き、ゆっくり1時間かけて、次に自動車道が海岸に続くPorto Pinoに着く。この場所は地図(Sp1’)で分かるように、潟湖があり、それと海が繋がり、その横に駐車場がある。2日前の大雨で、潟の水が氾濫したのか水がまだ残っていた。

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シーズンも終わりかけ、17時頃(日の入り19時頃)だったので、海岸の端の方は、人は疎らであった。この島では意外に珍しいヨットが沖に浮かんでいる。

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一般に、サルジニア島では子供を見ることは少なく、海岸ではなお少ない。多分、じっと寝そべって日光浴をしているのが好きな大人とは、本質的に波長が合わないのであろう。ここは、監視員もいて、安全なのか、子供の姿が割合多い。

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海岸の片隅に打ち寄せられた漂流物がある(Sp23;一見すると不潔なゴミのように見えるが腐っているわけではなく、海藻と貝殻のように見える。注目したのは、この球状物体で、以前(2006年)にチュニジアのHamamet(地中海沿岸)の海岸で見つけて(Sp24’)以後、もう1度地中海で何だろうとずっと思っていたものがあったからである;Wikipediaの写真がSp25’で、以後本文中で。

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Sp25’

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これが、その元となる海草;(ネットのPosidoniaの画像から)。

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Porto Pinoの近くのIs Brebeis潟のオオフラミンゴ(アフリカから地中海沿岸に生息、胴は白、翼は淡いピンクで、全長約110 cmの特徴を有する)。

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Bau Pressiuのダム:Sp1’上でで囲んである場所にある。農業用水と飲料水に用いている。ここしか気づかなかったが、本島の各地にあるのであろう。同島のこれからの発展に一番重要なのは、水の供給であるに違いない。ここを工事した会社ばかりでなく、費用、担当した人名まで記述して、後世にまで残すのであろうか。意外の几帳面さに驚く。日本では、工事中は、責任者などは表記するが。

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カリアリに向かって帰る;カリアリに近傍で、正面の山の上にあるのは、岩ではなく、建築物であることが、近づいていって明らかになったが、これが、カリアリの展望台から見たどれに相当するのかはよく分からない。1つの可能性は、Ca27の先方に見える2つに別れている山の左側に部分である。