地中海の小国マルタに行ってみた
      野口 正二郎(当社)


                    
(マルタ島へ)
マルタといえば騎士団で有名な国であるが、最近では猫の島としても有名で、
どんな国か見てみたいと思っていた。
パックツァーに参加すると、航空会社はエミレーツ航空であった。お金持ちの国
アラブ首長国連邦には、エティハド航空とエミレーツの2社があり、エミレーツは
ドバイがハブ空港、エティハドは首都のアブダビがハブ空港になっている。
パックツァーや個人旅行でヨーロッパやアフリカに行く際に、利用する人々が
増えているので、丁度エミレーツ航空の体験をすることができて良かった。
羽田発と成田発の2便が飛んでおり、成田発に搭乗すると、長い機内は奥まで
満席であった。このエアーバス(AB380−800)は、489〜615人まで乗れる
大型機の仕様で、2階席はファーストクラス、ビジネスクラスの利用になっている。
機内食をいただき、日本の映画やアニメを楽しんだ。映画館には滅多に行かない
ので、機内の日本映画は楽しみである。時間に余裕をみないと着陸に入り、
映画の最後を見逃すことがあるので要注意。
ドバイ国際空港は砂漠にできた空港でとても広い空港。近代的な建物であるが、
物価は高い。時間があるのでカフェに入り、カフェラテとチョコクロワッサン1個で、
35ディルハム、10ユーロ(1370円)も払った。
乗換便は、キプロスのラルナカを経由して、午後1時40分にマルタ空港に到着。
成田から23時間を刻み、自宅から計算すると、24時間以上の長旅であった。

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★写真説明(マルタ本島・バレッタ)
1・2)入口付近 3)騎士団長宮殿へ向う 4〜7)騎士団長宮殿内

マルタ共和国の入国は簡単で旅券を提示するだけ、フリーの税関を通ると、
現地ガイドのあきこさんがお出迎え。在マルタ16年のあきこさんは、マルタの歴史、
文化、生活等々をバスの中、観光地で丁寧に説明され、ガイドさんの有難味を
実感した。添乗員のみつこさんも英語が達者で、現地の男性ドライバーを親しく
上手に使いこなして、楽しく良い旅行を演出し、また親切な対応で感心した。

ガイドさんの説明をメモしてみた。
マルタは4つの島からなるが、2つの島(マルタ本島とゴゾ島)が有人となっている。
人口は約42万人。面積は、名古屋市と同じ位、淡路島の三分の二、東京
23区の半分くらいとのこと。
英国に支配されたことがあり、公用語はマルタ語と英語、道路は左側通行。
英語学校が多くあるのは、秋冬も温暖で、リゾート気分も味わえるし、物価は安い。
学校の寮に入ったり、ホームステイしながら勉強できる。今からでも遅くないかも。
1カ月のサラリーは、約900ユーロ、日本円で13万位と低いが、物価が安いので
生活できるそうである。
聖ヨハネ騎士団は聖地エルサレムで創立されたが、歴史の波により、キプロス、
ロードスを経て、1530年に船でマルタに入り、マルタ騎士団の本拠地となった。



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★写真説明(マルタ本島・バレッタ)
8〜12)聖ヨハネ大聖堂 13〜17)市内散策 18・19)アッパーバラッカガーデンより 20)対岸からバレッタを見る

(世界遺産・要塞 ヴァレッタ)
空港よりバスで首都ヴァレッタ、城塞都市を目指す。入り口で降りて、碁盤の目のような
街中を急ぎ、騎士団長の宮殿を見学する。2階に上がると、廊下に鎧を着た騎士の像
が立っている。金属の鎧は50kg以上。審議の間、大使の間、給仕の間等を見て回る。
騎士団なので質実剛健ということか、欧風の飾り付けであるが、それぞれ小さな室である。
中庭に秋の陽が差しこんでいた。
騎士団員は、ヨーロッパの富裕階級の子弟によって構成されており、フランス、イタリア、
スペイン、ポルトガル、ドイツ、英国等、当時の地方から来ており、言語で宿舎も分かれて
いた。規律は厳しく結婚は禁じられていたそうだ。
ヴァレッタの名は、マルタ騎士団の初代団長ジャン・ド・ヴァレットからきている。
「聖ヨハネ大聖堂」は、マルタ騎士団の守護聖人ヨハネを称える為に建築された大聖堂で、金ぴかの内部は
豪華。大理石の床には騎士団達の墓碑が敷き詰められており珍しい。付属の美術館には、イタリアの
カラヴァッジョの名画が大小2点展示されている。イタリアを逃れ、マルタ滞在中に描いたものである。
「アッパーバラッカガーデン」は、左手に城塞の南側面と海が、正面にグランドハーバーと対岸のスリーシティーズ
を望むことができる絶景ポイントだ。猫ちゃんに会えるかもしれない。
上記は時間がない場合の最低3か所の訪問地として推奨されている。
今回は駆け足であったが、リパブック広場の伝統あるカフェ・コルディナで珈琲と名物ケーキをいただいた。
ホテルへ向かう途中、街中は道が狭く交通渋滞あり。
ホテルは、スピノーラ湾に面したゴールデンチューリップ・ビバルディ。室には街向きだが広いベランダが付いている。
その日の夕食はホテルのブッフェ、翌朝食もブッフェ、どちらも良い食事であった。毎朝7時にレストランに行き、
窓側に席を取り食事を始めると、スピノーラ湾に太陽が昇り始め、良い景色を見ることができた。
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★写真説明(ゴゾ島)
21〜23)フェリーでゴゾ島へ 24〜36)ジュガンディーア神殿 37〜39)ビクトリアの大城砦 40)レストランの猫 41〜43)タピーヌ教会

(ゴゾ島の日帰り観光と世界遺産・ジュガンディーア神殿) 
マルタ本島北西の端のチェルケウアから、フェリーでゴゾ島まで30分の船旅を楽しむ。
ゴゾ島でマイクロバスに乗り、島の中部にあるジュガンディーア神殿をめざす。
のんびりした田舎の風景がひろがる。途中に大きなうちわサボテンを見ながら丘陵を走り、30分で到着。
館内で出土品などを見学してから、晴天の屋外にでてやや下ると、「ジュガンディーア神殿」が現れる。
紀元前3,500年前頃に建てられたもので、世界最古の建造物といわれている。高さ8mに及ぶ石積で
囲われており、2つの神殿がある。それぞれの神殿に入ると奥に祭壇らしきものがある。
伝説では巨人女性サンスーナが建造したといわれ、出土品にふくよかな女性像が多くあり、巨人女性崇拝の
発祥地とされる。(マルタのビーナス)
ゴゾ島では、ほぼ中央の丘に位置するビクトリア大聖堂・大城砦から360度見渡せる絶景の展望がお勧めである。
帰路に寄った奇跡の教会と呼ばれるタピーネ教会は、建て直しされた美しい教会であった。
教会の一室に、病気が治ったり、船の遭難から帰還したり、禍から脱したことのお礼の手紙や写真、
或いは松葉つえ等の物体が納められており、珍しい光景であった。
マルタはほとんどがカトリックの信者で、ローマ法王もこの教会を訪れている。
本島に戻り、サービス観光で、映画「ポパイ」の撮影で使った後のテーマパーク、ポパイ・ビレッジ(村)を上の道路から見学した。
その後ゴールデン・ベイに夕陽の鑑賞を見に行く。まだビーチに大人や子供達が遊ぶところ、徐々に太陽が地中海に沈む。
海辺のレストランの下に、白と黒の毛並の猫がいた。近く行って触っても逃げない。マルタの猫達は概して人を怖がらないようだ。

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★写真説明(マルタ本島)
44)映画ロケ地として造られた「ポパイビレッヂ」 45〜47)ゴールデンベイの夕陽と猫一匹 48・49)青の洞窟 50)ハジャー・イム神殿
 


(マルタ本島の観光) 
好天の中、まずマルタ本島の南にある「青の洞門」に行き、9人乗りのボートで神秘的な洞窟めぐりを楽しむ。
そしてこの近くの丘の上に建つ「ハジャー・イム神殿」へ。展示室では、沢山の丸い石を下に入れて、巨石を運ぶと
楽に動かせる模型を体験する。神殿は上部を白いテントのようなものでカバーされており、日射や強風から保護されている。
こちらの巨石神殿は紀元前2,800〜24,000年に建てられた。内部に入ることができる。
マルタのビーナス等の出土品は、ヴァレッタの考古学博物館に所蔵されている。
「イムナイドラ神殿」と、「タルシーン神殿」も含めて、マルタの巨石神殿群として、1992年に追加世界遺産登録された。
この日は日曜日ということで、港町マルサシュロックは、サンデーマーケットが出ており賑わっていた。魚介類はもとより、
衣料品、食品、土産物などの屋台が漁港に沿って並んでおり、観光客も多い。
午後は、スリー・シティーズのヴィットリオーザの町を散策。前夜ランタン・フェスティバルがあって、その名残の大小のランタンが、
通りの上や民家に飾られていた。セングレアの突端のセーフ・ヘブン公園からバレッタの街が一望でき、写真のスポットでもある。
ビルの下、木々のある一角に「キャット・ビレッジ」と呼ばれる猫の家があり、猫が何匹か住んでいた。猫にやさしい町といえるが、
同行者の中には非衛生的と言って見ていた人もいた。
スリーマ地区のインディペンデント・ガーデンにも猫が多く住んでいた。その下は岩場の海水浴場で、ぷかぷか浮いていたり、
岩場で日光浴の人もおり、人々は温暖な気候を楽しんでいた。
最終日の午前は、イムディーナに行き、中世の城塞都市を見学する。大聖堂には、神父さん達の墓碑が敷き詰められていた。
大統領の宮殿隣に、サンアントンガーデンがある。公園の所々に猫がいた。猫にやさしい国である。
短い滞在であったが、マルタは、良き島国であった。


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