カンボジアに小学校を
 

 野口正二郎

ペノンペン・トールサンボ小学校

 2月はカンボジアにとって乾季である。
雨は少ないが、暑い。
約10年ぶりにカンボジアを訪問することになった。
 
 今回は、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)の本部(米国・シカゴ)
が計画し、日本のライオンズクラブが
自分のクラブの資金と、国際財団
の資金を利用して建て、贈呈した小学校を見学に行くツアーであった。
 日本全国のライオンズクラブの会員や、国際本部の担当者、ライオン誌
の取材スタッフ、
それに私を入れて20名になった。
 
 ベトナム航空のホーチミン・シテイ乗換が便利で、午前に成田空港・
関西空港を出ると夕方、
カンボジアの首都・プノンペンに到着する。
我々は、まだ新しいプノンペンホテルに宿泊する。
室もきれいで、
1階レストランでの朝食・夕食はブッフェの品数も多く良い。
町並みは、10年前と大きな変化は無いように見えた。
 
 翌日、郊外にある2つの小学校を訪問する。トールサンボ小学校は、
日本の郡山ライオンズクラブと
プノンペン・セントラル・ライオンズクラブ、
そして国際財団の資金で4年前に建設、寄贈された。
長崎南ライオンズクラブが寄贈した図書館もあった。子供達が、ピアニカや
木琴、タンバリンの演奏で
歓迎してくれた。教室を見て回ると、生徒たちは、
黒板に書いた先生の字で勉強している。
ほとんどの小学校では、教科書もノート・ペンも無い。我々は、200ドルの
学用品を地元で買っておいて
貰い、贈呈をした。
友好交流夕食会
井戸を一基寄贈
 午後は、メコン川の河畔にあるタマコ・ラクスメイ・サマキ小学校を訪問する。
こちらは、長崎の16クラブが国際財団の資金を利用して寄贈した。
校長先生がココナツジュースをふるまってくれた。
200ドルの学用品を寄贈する。
ここでも子供達が真剣に授業を受けている姿をみることができた。生徒数が多い
ので二部制をとっている小学校が多い。


 その晩、セミナーの後に、プノンペンの2つのライオンズクラブ、オーバイコーンLC、
セントラルLCと日本のライオンズクラブとの友好交流会が開催された。チェ・ソパラ
国家整備建設省副大臣、高橋文明日本大使、力石寿郎JICA所長が来賓として
出席、挨拶を頂戴する。セントラルLCの朝倉政子会長が流暢な日本語とカンボジア語
で司会をする。カンボジア王立芸術大学の人達が、踊りを披露してくれる。
踊りの後に朝倉会長が芸術大学の校舎の修理のための寄付を呼びかけたところ、
日本のメンバーより多額の寄付金が集まった。朝倉会長は、元々はカンボジアの人で、
小学校から大学まで日本で学び、日本に帰化されている。

 オーバイコーンLCは、前田建設工業・プノンペン事務所が母体になり、1998年に千葉県のクラブがスポンサーをされ
誕生した。トウチ・チャン・プラカブ会長は、前田建設工業のマネージャーをされている。両クラブとも、日本に関係する人たちが何人も在籍している。
シェムリアップは、ホテルの建設ラッシュと外国人観光客で賑わっていた。高級ホテルもいくつか出来ており、我々はそのうちの
ひとつ、ソフィテル・ロイヤル・アンコール・ホテルにチェック・インした。緑の多い庭や池、プール、広い室に心が落ち着いた。
午後は、西日になり、アンコール・ワットの観光に適している。ガイドの説明で回廊のレリーフを見て回る。
一部の人が本塔に登り、見晴らしを楽しんだ。
プノン・バケンの丘に登り、沢山の観光客と共に、遺跡の上でサンセットを鑑賞することが出来た。
 
 翌日は、アンコール・トムの南門の観光からスタートし、バイヨン寺院では、
壁画の数々や塔の側面に作られた美しい仏像の顔がいくつも見られる。
ライ王のテラス、象のテラスを見学したところで、日本人の技術者・川瀬克彦氏
が出迎えに来てくれた。「日本国政府アンコール遺跡救済チーム」(JSA)の技師
として、象のテラスの前に建っているプラサート・スープラ(塔)の保存修復に
携わっており、現場で説明を受けることができた。
参加者、楠岡巖氏の特別な計らいであった。

  東洋のモナリザといわれる仏像のあるバンテ・アイスレイ寺院の見学後、
近くの村で井戸を一基寄贈する。井戸の近くに数軒の民家があり、村長ととも
に村人が歓迎してくれる。
バイヨン寺院
30人くらいの人々が、深さ25mの井戸で良質の水を利用できることになった。村の母子に井戸をくみ上げてもらうと、
豊富な水が流れでてきた。
高田順一団長が挨拶し、贈呈式を行う。一基200ドル。シアン・ナム国会議員がこの活動を
推進している。
井戸の脇に寄贈者全員の英文名を記したプレートが設置され、同議員よりの感謝状を頂戴する。
シェムリアップ・ワットロリオス小学校
タプローム寺院
その後に訪れたタプローム寺院は、榕樹に(スポアン)に侵食されており、
自然の驚異を感じる。
成長を続ける樹木が石造りの建物に覆い被さり、
朽ちた石が散乱している。大変印象的なお寺である。
 
 最終日に茨城県の下館ライオンズクラブがワットロリオス小学校に校舎を
寄贈する式典に立ち会った。
寺院が寄付してくれた田圃のなかに新しい校舎が
建っていた。小学生が両側に並んで、我々を歓迎してくれる。
鮮やかなテントの中には沢山の生徒がおり、式典に臨み、シアン・ナム議員の
挨拶に大きな声で答える。
市長、学校関係者、杉山一下館LC会長、ジェニファー・シドニー国際財団
コーデイネーター等の挨拶があり、
そのあと校舎を見学する。下館LCが用意した
ノートやボールペンを配布する。歩いてすぐ近くの旧校舎にも
沢山の生徒がおり、
汗をかきながら配布を行った。
 シェムリアップ空港の先にある2003年に下館LCが建てたラナリット小学校にも
訪問して、ノートとペンを配布、贈呈した。このクラブは2004年にオンプルピアン
小学校も寄贈して、あと2年で2校建設・贈呈の予定である。
 
カンボジア王国は長らく続いた戦渦から立ち直るには時間が必要で、
自助努力と共に先進国の暖かい支援の
手が必要とされている。

                                   野口正二郎

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