秩父・龍勢祭り

野口正二郎(当社) 




晴れ渡った秋空に、真っ白な煙を噴射して、手造りロケットがスルスルと
上昇する。まっすぐに上がるロケット、高く上がらずに横にそれるロケット、
それぞれに歓声と拍手が起こる。

友人の西秩父ライオンズクラブの鷹啄氏、黒沢氏のお声掛けをいただき、
東京文京ライオンズクラブの会員と友人が、10月第二日曜日に秩父市を
訪れた。吉田町の椋神社に奉納のため、天正3年(1575)より龍勢を
打ち上げたてきたという説がある。


龍勢祭り
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お昼に到着すると、一番前の観覧席が用意されており、ビールの入ったコップを
片手に、肉ジャガや、おにぎり、キュウリ、オードブルの盛り合わせ等、いただく。
前日の雨天とガラッと変わり、夏日の天気で汗がシャツに染みる。
目の前を次の龍勢を担いだ一団が通りすぎる。
長い矢柄(長さ18メートルの乾燥した竹)に、背負い物(唐傘、花火、落下傘などの
しかけを入れたもの)と、火薬筒を付けた、手造り感のあるロケットだ。
椋神社の前の芦田山に組まれた25メートルの櫓に運びこまれ、準備が進むと,
朗々と口上が述べられて、導火線に火がつけられる。
爆音と白煙で櫓が包まれ、ひとすじの白線を引きながら龍勢が、龍のように
青空へ飛びあがる様は見ごたえがある。
300〜500メートルの上空で破裂して、落下傘に矢柄が吊り下げられ、ふわりと
落ちてくる。色のついた煙や、火花が飛び散りあざやかなものだ。


小鹿荘にて
長瀞のライン下り

午前9時から、午後5時まで、27の龍勢製造流派が20〜30分ごとに
打ち上げられて、一喜一優。
その晩、成功した流派は祝杯を、失敗した流派は反省会で一杯やるそうだ。
一発25万円くらいで、スポンサーとなって、上げることもできるとのこと。
隣に座っていた浦和北ロータリークラブが、宣伝の口上を述べて一発あげていた。
来年は、西秩父ライオンズクラブも龍勢をひとつあげる予定である。

黒沢氏の経営する小鹿野町の「赤谷温泉・小鹿荘」にて、お風呂に入り、
名物の囲炉裏を囲み、郷土料理を美味しくいただく。この日は、岩名の塩焼き、
キノコ鍋等々、鍋の残りでおじやにして貰い、アツアツで食べた。うまかった。


神社
まつり会館
ソバの昼食




翌日は、博識の鷹啄氏のガイドで、龍勢会館と道の駅、長瀞のライン下りや、
宝登山神社、秩父神社、まつり会館など見学した。
神社では、湯水のように説明がほとばしり、観光バスのガイドさんも足を止めて
聞いていたほどだ。

秩父で昼食といえば、おそば。
今回は「ちちぶ屋」さんで、腹いっぱい御馳走になった。

秩父は、西部鉄道のレッドアロー号で、池袋より1時間20分と近い。
自然、歴史と文化が楽しめる埼玉県である。




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