日本三大曳山祭り・秩父(ちちぶ)の夜祭と小鹿野町(おがのまち)観光
野口 正二郎
12月3日(日)12時30分、レッドアロ-・秩父19号で秩父へ向かう。
西武池袋駅より13名、所沢駅より2名合流して、総勢15名となった。
秩父に近づくにつれ、紅葉に色づいた木々が目に入ってくる。
今年は、冬の訪れが遅れているようだ。
13時47分、西武秩父駅に着くと、友人の鷹啄(たかはし)忠男氏が迎えに出てくれる。
元秩父観光協会の役員で、現在はご自分の住んでいる小鹿野町観光協会の
仕事をしており、今回の旅行準備段階から、秩父滞在中まで大変お世話になった。

前日からのお祭りで交通規制される中、マイクロバスを利用して町中を通り、秩父公園橋
を渡る。坂を上がって行くと秩父ミューズパークに到着する。
秩父の町、秩父盆地が一望できる。遠くに武甲山も見える。
名ガイドとなった鷹啄さんが、「秩父のお祭りは、秩父神社の女の神様・妙見様と
武甲山の男の 神様・龍神様が年に一度の逢引をするといわれている」と説明する。
ミューズパークは、音楽堂や野外劇場の洒落た建物、サイクリング、プール、テニス
といった芸術やスポーツを楽しめる市民の憩いの場所である。

秩父ミューズパークにて
秩父盆地を望む
小鹿荘の女将さんのあいさつ

そこから更に西に20〜30分走らせ、埼玉県の西のはずれ、小鹿野町へ。
今晩の宿、赤谷(あかや)温泉・小鹿荘(おじかそう)に到着。
この有名な祭りの時期、秩父近辺の宿は満室となる。
鷹啄氏の顔で、取っていただいた。旅館の社長は、鷹啄氏の友人、黒沢光男氏で
色々と便宜を計ってもらうことできた。
午後4時から、早い夕食になる。女将さんが、挨拶の後も、囲炉裏で魚を焼いたり、
名物の猪鍋や、おもちも焼いてくれる。竹に入ったお酒を、囲炉裏で熱燗にして、
竹のお猪口でふるまってくれる。盛り沢山の料理で、一同満足。

しかし、その晩のお祭り見学があり、午後6時にバスで秩父公園の会場へ向かう。
特設会場には、既に多くの人々が来ており、公園内で行なわれている女のグループ、
男のグループの太鼓を聴いたり、かがり火に照らされた会場で祭りの一時を楽しんでいる。
午後7時半過ぎに、羊山公園の2箇所より、花火が上がり、尺玉・スターマイン、
スターマイン、早打等、夜の10時半頃まで続き、お祭りを盛り上げる。
羊山公園は、4月になると芝桜が満開になり美しい光景となるので、是非その時期に
訪れてみたいと思う。

午後8時過ぎ、団子坂より秩父神社の宮司さんの御神幸行列が入場し、
御旅所(おたびしょ)に納まる。その後お馬さん2頭(神馬)が、急な団子坂を駆け
上がって来る。ぼちぼち待っていると大きな飾りつけられた屋台が、沢山の地元の
引き手により坂を登って、入ってくる。
7000発の花火


宵闇に雪洞提灯が屋台を引き立たせ、あざやかなお祭りである。
屋台は、急がず慌てず、時間を置いて、ゆっくり御旅所に入ってくる。
やや勾配のある観覧席だが、屋台が入ってくると、立ち上がって見る人、
写真を撮る人がおり、後方の人より怒られたりしている。
夜空の花火を見たり、前の屋台を見たり、忙しい。
大変寒いよ、と脅されてきたが、暖かい格好で来たので、予想よりは寒くない。
天気が良いことと、鷹啄氏が親切に、座布団を全員分持って来てくれたこともある。
ただ足先は冷えてくる。

午後10時過ぎ、何台かの屋台を見た後に、観覧席を出てバスに向かった。
通りからも、花火が良く見えて、何度か足を止めて、一同花火に見入っていた。
旅館・小鹿荘に戻り、やや冷えた体をお風呂で温め、皆で夜食のおにぎりと、途中で
買った熱燗のワンカップのお酒を飲んで、お開きとした。

屋台が出て、お祭もクライマックス

12月4日(月)、ゆっくりと朝食をいただき、食後のコーヒーを飲む。そして庭にでて、
昨日見た屋台のような造りのまつり館を、写真に収める。山本氏は、スケッチ帳に
まつり館の絵を描き収める。

午前10時にバスで出発、尾ノ内渓谷に車を止めて、晩秋のハイキングコースを少し歩くと、
一番滝を拝むことができる。この先に、また良い滝があるそうだ。ハイキングコースの脇には、
しゃくなげ園やかたくりの群生地があり、その開花時期には楽しめるようになっている。

札所31番の観音院は、296段の急な石段を上ると、岩窟に囲まれたお寺にたどり着く。
石段を上がったところに大鐘があり、鳴らすと良い音が響く。落差30メートルの聖浄の滝が
流れ落ち、紅葉に包まれた静かなお寺が、われわれ団体で少し賑やかになった。
 
小鹿荘(手前がまつり館)
まつり館前にて
第31番札所 観音院にて
尾ノ内渓谷 一番滝
観音茶屋のおそば
観音院 296の石段を登る
秩父神社
私はお参りをして、秩父34箇所の札所めぐりに
記帳していただいた。12年前、10年前の2回、友人
と秩父市内の札所を15箇所ほど自転車で回り、
その後ライオンズクラブ等の活動が忙しくなり、10年も
ご無沙汰であった。秩父市内より遠いこの札所は最後
の頃になるかと思っていたが、この機会に訪れることが
できて幸いであった。また札所回りも復活することでしょう。

 近くの観音茶屋で鬼ころりセットという、おそばかうどん
に野菜やそばがきの天麩羅の付いた昼食をいただいた。
80歳を越したおばあちゃんが今でも蕎麦を手打ちで
作っている。この隣りに、水子地蔵寺があり、水子地蔵
1万体が斜面に整然と並んでいる。首掛けをして、この
時期は風車をつけていた。壮観である。
秩父神社脇の屋台
 午後の予定は、晩秋の浦山渓谷、浦山ダムの観光であったが、秩父市内、秩父神社を見てみたい、
お参りしたいとの希望が多く、急遽予定を変更する。神社の周辺は、まだお祭りの余韻があり、屋台の
お店や、植木の販売等が出ていた。そして神社内には、御神輿が1台、屋外に展示されていた。神社本殿
の側面には、左甚五郎作の彫刻が施されており、「つなぎの龍」や、見ざる、言わざる聞かざるの反対の
「三猿」、見て、聞き、話すという元気な猿が見られる。その場にいた地元のご老人が、日光東照宮より
この神社の方が古いよと、色々解説をしてくださった。神社の脇に屋台の倉庫があり、まだ倉庫入りする
前の祭りの屋台をみることができた。

 昨晩の祭りで活躍した若い衆が集まっており、一緒に記念撮影する。この夜祭は、秩父全体の老若
男女が結束して、盛り上げ、続けてきた祭りであることが分かる。最後に、神社前の「秩父まつり会館」に
寄って、1階の笠鉾・屋台の展示と祭りのビデオを見学、2階の資料展示コーナーでは、夜祭の歴史、
関係資料を見たり、また上から笠鉾、屋台を見ることができた。

     秩父まつり会館にて

秩父の夜祭ツアーとしては、最後の締めとして、良い見学ができた。バスのドライバーが、気を利かして
くれて、昨晩の御旅所と団子坂を通って、西武秩父駅に送ってくれた。団子坂は、舗装されてはいるが、
確かに急な坂で、馬が躊躇するような坂であった。また大きな屋台を引き回す引き手にとっても一番の
難所なのであろう。

小鹿野町には、江戸時代から200年続く小鹿野歌舞伎や、鉄砲まつり等、1年を通して何かの行事が
行なわれている。鷹啄氏に聞けば、親切、丁寧に教えてくれるでしょう。

今回は、私の所属する東京関東ライオンズクラブの会員と家族、親しくさせていただいている東京の
番町、葵、太陽、文京ライオンズクラブの会員の皆様とご一緒し、西秩父ライオンズクラブの鷹啄、
黒澤氏ご両人のお世話により、大変楽しく実りある旅ができました。ライオンズクラブに入っていると、
色々良いことがあるかもしれません。


トップ アイコン
トップページヘもどる