エキサイティングなフランス、味わうフランスを求めて
小張アキコ(映画・舞踊評論家)
●写真説明
1)カルチェラタンの映画館通り 
2)昔、私が住んでいたところから近いノートルダム寺院
3)マドレーヌ広場のフォションのスペシャルエクレア


エキサイティングなフランス、味わうフランスを求めて
河瀬直美の「殯(もがり)の森」がグランプリに輝いた第60回カンヌ国際映画祭が開
催されたカンヌの町は、南フランスの高級リゾート地リビエラにある。パリから1時
間半ほど国内線に乗ってニース・コートダジュール空港に到着すれば、車で30分足ら
ずの地中海に面した町である。もちろんフランス新幹線TGVに乗って、パリ・リヨ
ン駅から一直線、カンヌ駅までフランス横断の車窓の旅を楽しむことができる。
私にとって、映画祭開催中の12日間は地獄のような日々で、毎朝8時半から1本目を見
て、最後に映画を見るのは夜中、24時なんてこともあり、十数回カンヌ映画祭に通っ
ているが、今までの最高記録はカンヌ映画祭の審査員を務めた03年は、12日間で50
本近く映画を見た。
カンヌに限らず、南フランスのお薦めは魚のスープ。魚介類の美味しさはピカ1で、
パスタやピザなどイタリア料理もイケるし、大鍋いっぱいのムール貝も空腹時には最
高だ。こんなときのワインはロゼワインがいい。もちろん毎年通っていると、ときに
は突然、時間が空くときがある。私の夢はこの時期に必ず開催されるF1モナコグラ
ンプリ観戦をすること。あと2,3年で夢を現実にしたいと考えている。

●写真説明
4)パリのカフェ(マレ地区) 
5)カフェの中は陽気なパリジャンでいっぱい(モンマルトル)
6)朝焼けのセーヌ川
7)ロンシャン競馬場
8)ニースの松嶋シェフの絶品オードブル 


ニースでカリスマ日本人シェフのフレンチの醍醐味を
モナコ観戦は無理でも、ポッカリと時間が空いた昨年訪れたのは、ニースのネグレス
コホテル近くのフランスレストランだ。この店のシェフは日本人、松嶋啓介の06年版
ミシュラン一つ星に輝いた料理は繊細でダイナミックな味。昨年秋にリニューアルして
「KEISUKE MATSUSHIMA」(www.keisukematsushima.com)としてオープン。
5月に日本からエールフランスに乗ったら、機内誌に「今なら(6月末迄)スペシャルマカロン
プレゼント」とあったので、真剣に行こうと試みたけれど、残念ながら今回は無理だった。
今年のように日本映画がグランプリを取り、北野武が60回記念メダルをもらう、などと忙殺
されて息抜きができなかったときは、パリに戻ってからリフレッシュする。マドレーヌ広場の
フォション2階のサロン・ド・テで、新商品のエクレアを食べたり、なじみのカフェでランチをしたり・・・。

●写真説明
10
11 12 13
9〜13)カンヌにて
*13はグランプリ受賞の河瀬直美監督と出演者


夜10時までデパートが営業している木曜は買い物、日曜は一攫千金を夢見るパリ
来シーズンのフランスだが、毎年10月第一日曜日にロンシャン競馬場で開催される凱
旋門賞に、昨年のディープインパクトに続いて、ダービーを制覇した牝馬ウォッカが
参戦するのを応援しよう、という話しが浮上している。10月第一週というと、パリ市
内に唯一残るモンマルトルのブドウ畑の収穫祭とも重なるし、すでに来シーズンのパリ・
オペラ座の演目が発表されている。この時期は「ロメオとジュリエット」(音楽 ベルリオーズ)
が上演中である。いかに円が弱く、ユーロが強いとはいえ、楽しみが3つもあればフランスに
行く価値ありだ。昨年初めてロンシャン競馬場を訪れたのだが、イギリスからの応援団など
国際色豊かな観客が楽しんでいる姿に親しみを覚えた。フランスでは街中のPMUという
カフェでも馬券が買えるので、賭け事好きなだけなら、なにもロンシャン競馬場までわざわざ
足を運ぶこともない。競馬場までやってきている人たちは、馬好きばかりだ。さいわい日曜日
の町はデパートもブティックも休み。買い物や美術館めぐりは、夜遅くまでオープンしている
木曜日にして、10月7日(日)はロンシャン競馬場でジャパニーズが世界に挑戦する姿を
瞳に刻みこもうと思っている。


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