サヴォンリンナはヘルシンキから鉄道で5時間くらいのところにあります。7月19日から28日帰国の約10日間、ベルゲンからのフィヨルド観光、オスロ、ヘルシンキの行程のなかで、中4日間サヴォンリンナに滞在しました。
サヴォンリンナはフィンランド屈指のリゾート地ということになっていますが、行ってみて、成る程と肯かされました。周りはサイマー湖、湖岸には点々とホテルや滞在型のヴィラが並んでいて、ゆったりとした環境の中、人々がそぞろ歩きをしています。船着場には、カフェや、ホテルのテラスがあり、色とりどりの花に囲まれたテーブルでは、いろんな国の人たちがのんびり愉しんでいます。滞在型の人も多いのか、南国かと見まがうほど、ショートパンツにタンクトップというラフな格好の人も居ます。広場では、連日、マーケットが開き、手工芸品や、新鮮な果物が並びます。ここから、一時間程度の遊覧船が出ていて、有名なオラヴィ城を湖面から眺めることが出来ます。フィンランド3古城のひとつとされるだけのことはあって、堂々とした風格は、湖面に浮かんでいるようで、ロマンティックな風情に魅了されます。
例年、夏の1ヶ月間、城内でオペラフェスティバルが開催されるのですが、今年は7月3日から8月3日の間、「トゥーランドット」や「リゴレット」が上演されていました。私はサヴォンリンナオペラフェスティバルのことを知り、また、「トリスタンとイゾルデ」が演目にあるのをお目当てに、昨年の秋には、予約を済ませていたのですが、全席、満席の盛況でした。城壁を背景に取り入れたステージは、いかにも、演目にぴったりな仕上がりになっていて、テントを張った会場は音響効果も素晴らしいと思いました。耳にはフィンランド語はもちろん、英語、イタリア語が飛び込んできて、国際的な雰囲気なのですが、日本人は、2人くらいしか気づきませんでした。オペラの開演は夕方ですが、街のオペラクラブで、オペラの前に、プリオペラビュッフェ、後にはディナーと、それぞれ、オペラの雰囲気を愉しみます。オペラの監督や出演者などがやってくるのだそうですが、私が行って見たプリオペラビュッフェには、助監督が来て簡単なスピーチをしました。オペラのアリアのソロがあったり、余興に、ウェイターがオオソレミオを歌ってくれたり、大変楽しいプリオペラでした。
そのウェイターによると、今年日本人はお前たちが初めてだと言っていましたが、本当かどうかは別として、街では、全くといってよいほど、日本人観光客にはお目にかかりませんでした。日中は、さすがに日光の直射を受けると暑いものの、日陰に入ると、ひんやりと涼しく快適で、散歩には好都合です。北国らしく、街中が、夏の太陽に焦がれるといった感じで、日焼けを気にする様子もなく、日光浴にいそしみ、白夜の中、12時になっても人通りが絶えません。あっという間の、4日間でしたが、ちょっぴり滞在のゆとりを楽しめました。 |
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”トリスタンとイゾルデ”のカーテンコール |
サイマー湖畔より対岸を望む |
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