学習院海外協力研修プログラム ―GONGOVA2008― に参加して
学習院大学2年 井坂 将

〜はじめに〜

 GONGOVA2008は、2008年2月中旬から3月中旬までの約1ヶ月間、学習院大学の学生を中心とした
我が国の青年達が、タイの北西部、メーホンソン県に立地する白カレン族の村に赴き、不便な環境の下で
生活しながら行う、草の根的国際協力NGOヴォランティア活動プロジェクトで、1997年に初めて執り
行われたGONGOVA1997より毎年行われ、今回のGONGOVA2008は、12回目にあたります。
 
以下、参考のため、今回の旅行日程表を載せます。

日付 行程 宿泊場所
2008年
2/19
(火)
朝 成田空港集合・出発
夕刻 バンコク経由、夜 チェンマイ空港着
チェンマイ市内
2/20
(水)
朝 チェンマイ空港発
昼前 メーホンソン空港着、入村必要物品の買出し
メーホンソン市内
2/21
(木)
午前 メーホンソン発
昼前 バンフェイケオボン着
午後 オリエンテーション・村内滞在生活環境整備
バンフェイケオボン村内
2/22
(金)
午前 村内滞在生活環境整備
午後より、現地ヴォランティア労働活動
2/23(土)〜3/7(金) 現地ヴォランティア労働活動(バンフェイケオボン村内泊)
3/8
(土)
現地ヴォランティア活動、一部出村準備 バンフェイケオボン村内
3/9
(日)
午前 バンフェイチャンレク小学校宿舎完成セレモニー
午後 出村準備
3/10
(月)
午前〜午後 出村準備、出村
夕刻 バンフェイケオボン発  夜 メーホンソン着
メーホンソン市内
3/11
(火)
午前 県庁表敬訪問
午後 首長族の村訪問、象乗り体験 夕刻より自由行動
3/12
(水)
終日自由行動
3/13
(木)
朝 メーホンソン発
夕刻 チェンライ着
チェンライ市内
3/14
(金)
午前 TWTプロジェクトの視察
午後 麻薬博物館見学、ミャンマー・ターキレック訪問
3/15
(土)
終日自由行動(希望者はメーファルアン大学訪問)
3/16
(日)
             終日自由行動
夕刻 チェンライ空港よりバンコク経由、帰国の途へ
機内(バンコク→成田)
3/17
(月)
朝 成田空港着、解散  --------------

〜今回のメイン作業について〜

 今年度は、前回のGONGOVA2007でも滞在した、バンフェイケオボン村へ赴き、各種のヴォランティア
活動を行いました。その中から本稿では、ワタノキの植林作業、及び隣村バンフェイチャンレクの小学校教員
用宿舎の建設作業について触れます。
ワタノキの植林作業は、今までのGONGOVAの活動で初めての試みということもあり、どのようにやるべき
なのか知る人がいませんでした。そんな中で、言葉の壁もあったため、現地の人から、どのように植えたら
いいのかがうまく伝わらず、人によって植え方が違うため、ものによっては苗木がダメになってしまうという
事態になりました。
また、鳥に食べられてしまうというアクシデントも起こり、度々植え直しを行うなどかなり四苦八苦した作業
でもありました。順調に育つことを祈り、今回植えた苗木が高木になるころに、またバンフェイケオボンを
訪れたいと、メンバーの誰もが口にしていました。
元々体力に欠ける私にとっては、猛暑の中、苗木を植える作業はかなりつらく、身体が倒れそうになることも
しばしばあったぐらいです。しかし、他のメンバーの助けもあり、無事乗り切ることができました。もともと、
私はあまり作業が上手にはできず、迷惑をかけるだけでしたが…。
一方、小学校教員用宿舎の建設は滞在期間の終盤に行われ、我々は主としてトイレ作り、台所兼食堂床面の
コンクリート打ち、及び外壁の塗装の作業に携わりました。皆で力を合わせて頑張ったので、効率よく作業が
終了し、数日で完成しました。
 出村前日、上記宿舎の完成セレモニーが行われました。現地の方々と我々は共に歌い、踊り、宿舎竣工を
祝いました。
 今は無事に使われているのでしょうか。そうだとしたら私にとってはもちろん、皆にとっても大変喜ばしい
ことだと思います。私も何れ将来、無事に育った、自分の植えた苗木を見に、そして、現地の状況をもっと知り、
学び、楽しむため、再びバンフェイケオボンを訪ねたいと思います。


↓写真をクリックすると大きくなります↓

筆者(左)

教員用宿舎の建設

土間のコンクリート打ち

コンクリート造り

垣根に沿って植樹

川からの水汲み

筆者とタイの学生

作業現場へ

空港での別れ
〜記録係〜

 今回、私の担当した記録係は、最後のGONGOVAで初めて、現地で取り組んだ作業の過程を具体的に
記録するよう努めました。
 これは、作業一つ一つの工程と、各工程をこなすために要する時間を知ることなどを目的とし行われました。
実際、私の不手際もあり、完全には上手くいきませんでしたが、このような記録係の仕事を通じて、目の前で
行われている物事を客観的に眺め、それを的確に記録するという能力を鍛える上で有用であったと思います。
また、「書かれなかったこと」は、それを行った人の脳内に記憶が残らない限り、「なかったこと」と等しい
ため、「記録すること」の重要性を改めて認識しました。
 作業記録の詳細は、今後、報告書作成が終了し、私自身が比較的暇になると思われる
2008年10〜11月以降、私のホームページhttp://www-cc.gakushuin.ac.jp/~07021027/itadaki/上にて、
文書にまとめた上公開する予定です。


ローソクを立てて夕食

水槽造り

教員用宿舎建設

トイレ造り

植樹

1日の作業終了

準備体操

ベースキャンプ

植樹と水遣り

打ち合わせ

植樹する筆者

日本大使館より
柴田参事官來村

完成した教員用宿舎

譲渡式での
赤カレン族の踊り
〜おまけ話〜

 ここでおまけ話を1つ。それは、「建物の建設」や「ワタノキの苗木を鳥から保護する囲い作り」の材料と
なる竹を伐採する作業の際の出来事です。
 竹取場での或る日、村人は竹の生えている山面の高みへ登り、そこから竹を切り出しました。我々は、
その丘のずっと下で伐採された竹がかなり速い勢いで滑り落とされてくるのを待ち受けていました。
 私はタイの女子学生と、かれたヤシの葉をノート代りに、木の枝を鉛筆代りにしながら、○×ゲームをして
遊び、原始的だな〜と思い感心していました。その時、突然、ドドドド…と上の方からものすごい音が…
私とその女の子は慌てて咄嗟にその場を離れました。
 その次の瞬間です。長さ20メートルぐらい、直径約10pの「枝を落とした青竹」が○×ゲームに興じていた
地点から1メートル強の場所に滑り落ちてきました。生まれて初めて、事後的でしたが、命の危険を感じたとき
でした。
 私は日本の防災館で、震度7の地震を疑似体験したことがありますが、今回の体験の方がよっぽど怖いと感じ
ました。それは、何も知らないうちに、突然やってきたからであると思います。「竹が何の予告もなく山の斜面を
滑り落ちてくるスピードはまるで津波のように速い!防災館で疑似体験した地震は、揺れが来ると分かっていて
体験しているのだからそれほど怖くは感じなかったのだ!」
このような体験、文章による表現では隔靴掻痒の感を禁じ得ませんが、誠に貴重な体験だったと思います。



村人とお別れ

メーホンソン県
知事訪問

町の食堂で

首長族

像乗り体験する

チェンライのレストランで

メーファールアン大学
の広大な敷地

さよならパーティで@

さよならパーティでA

帰国後成田空港で 

※本文中の写真は全て、シニア・ボランティアとして参加した 中谷 克彦 様の提供です。




〜私の感想〜

 今回、タイという国に来るのはもちろん、その中でもメーホンソン県の中のバンフェイケオボン村という、
外国人にとってはあまり行くことのない場所を訪れることができました。
 私は近い将来、留学することが夢です。そこで、留学する前に1度は親元を離れて旅をしてみたいと思って
いました。その意味で、このGONGOVA2008の1ヶ月間の生活は、私にとって有意義でした。親元を離れて
何とか1ヶ月間生活できたのはもちろん、他に挙げようとしてもいろいろありすぎて何を1番に挙げるべきか
わからないぐらい多くの経験を積めました。
 現在は再び大学の新学期が始まり、自分の勉強、アルバイト等に忙しい毎日を送りながら、報告書の作成係
である私は、今年夏の完成に向けて「GONGOVA2008の報告書」の作成に励んでいますが、帰国後も報告書
の作成作業の関わりで、GONGOVA2008参加の各メンバーと連絡を取り合うことが出来るのは私自身、
本当にうれしいです。メンバー達と話す度に、素敵な仲間に恵まれていたのだと実感できるからです。
GONGOVAの従来型のプログラムは今回の第12回が最後で、今後は環境教育・開発教育に一層照準を当てた
「機会活用型」の海外協力研修プログラム(GONGOVA-X型プログラム)が、従来型GONGOVAの延長線上
に、立案・執行される予定と聞いています。GONGOVA2008のような新鮮な体験のできるヴォランティア
活動プログラムがありましたら、何かしらの形で、また是非参加させていただきたいと望んでいます。
 最後に、タツこと学習院大学の川嶋辰彦教授を始め、GONGOVA2008の全メンバーおよび、
このGONGOVA2008のラインホール・ロジスティックスを最初から最後まで、陰から支えてくださった
協和海外旅行の野口正二郎さんに感謝しています。この場を借りてお礼を申し上げます。



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