場所は埼玉県桶川の民間飛行場でした。車が近づいて行くと、よく東京上空
などを飛んでいるドイツ製≪ツェッペリン・NT号≫の雄姿が見えてきました。
それにしても大きい!
ちなみに長さは75メートル余りでジャンボジェット機
より長く、現在では世界最大の飛行船で、世界に3隻ある内の1隻だそうです。
ゴンドラは8人乗りで窓も大きく、快適そうです。しかし、飛行船は風の強
い時には飛べません。ボクらと一緒に乗り込んだ家族連れの方が言いました。
「私たち家族は大阪からやって来ました。今日が4回目の挑戦なんです。え
え、前の3回は飛ぶ直前になって、風が強くなって飛べなかったのです」
『それは遠くから大変でしたね。でも今日は大丈夫みたいですよ』とボク。
空を見上げると雲ひとつない絶好の飛行船日和(そんな日和があるか?)
やがて8人の乗客を乗せると、フワリと地上を離れました。地面がゆっくりと
遠ざかって行くことなどはやはり飛行機とは違うな、という感じがしました。
船は少しずつ上昇し、高度700メートル程で水平飛行に移り、やがて池袋や
浅草が見えてきました。そのあと、汐留付近で折り返し、皇居を右に見ながら
協和海外とボクのオフィスがある本郷の上空を通り、新宿の超高層ビル群を抜
けると、中野の沼袋にある自宅が見えるはずだと目をこらしましたが、遂に見
つけることができませんでした。普段、家から飛んでいる飛行船が見えるのに、
なぜ、ここから家が見えないのか?(お前の家が小さいからだよ)
しかし、1時間半の飛行が終って、無事に着陸しました。ボクの永年の夢が叶
えられた満足感で一杯でした。
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