第4回LCIFスタデイツアー・フィリピン
野口正二郎(当社)
LCIFとは、ライオンズクラブ国際財団(LIONS CLUBS INTERNATIONAL FOUNDATION)
の略称であり、ライオンズクラブ国際協会により1968年設立された。
寄付を受けた基金を運用して大災害や緊急事態の救済、全世界的に人類の福祉に使用し 、
貢献することを目的としている。
社会奉仕団体のライオンズクラブでは、2005年7月より
3年間に亘り視力ファーストUキャンペーン(Campain Sight 
First U)を実施しており、世界のライオンズメンバーより、
2億米ドル(約240億円)の献金を募っている。この募金を
活用して、発展途上国での河川失明症やトラコーマ等に
よる失明を防止する活動を行っている。募金キャンペーンは
1991年ー1994年に続き、今回が第2回目となる。

LCIFの基金を利用して、全世界で活動している
ライオンズクラブの状況を実際に見学することが
LCIFスタデイツアーの目的である。基金の40%
は日本のライオンズよりの募金ということで、
日本のライオンズにさらに理解を深めていただく
ために、このツアーが始まった。

第1回インド、第2回カンボジア、第3回タイと行われ
てきたが、地震や津波の後の住宅や病院の建設、
又は小学校の建設等、箱物の視察が多かったが、
今回は334−E地区(長野県)の第32回フィリピン
医療奉仕活動を主に見学しようということで、第4回
スタデイツアーが2007年2月9日ー13日にフィリピン
・マニラで実施された。

長野県のライオンズは、私共と同じ日に名古屋・中部
空港と東京・成田空港からマニラに向けて出発。総勢
約140名ということで、連休の時期に座席確保は大変
のようであった。
実行委員の長野県・岡谷ライオンズクラブの林清次氏
(旅行会社を経営)が、この旅行を長年手がけており、
当社と連携を取って、色々助けていただいた。
私共のツアーは、成田・名古屋・関西・福岡発と別れ、
また早くマニラ入りする人もおり、マニラのホテルで合流。
LCIF事務局、ライオン誌、当社添乗員を入れて35名と
なった。マニラのホテルは長野県に合わせて、ダイヤモンド
ホテルを手配した。
セキュリテイに厳しいホテルで、ホテルに入る際は、必ず
手荷物の検査が行われる。
このホテルの1階に日本レストラン「有楽園」があり、朝食、
夕食ともに美味しい日本食を
食べられるのは有り難い。勿論、洋食のレストランもある。

モンタルバン・カシグラハン高校にて 
334−E地区の医療奉仕活動
ホテルの会議室でセミナー
バスでの診療
校舎の外に並ぶ患者さん
血圧測定
歯科医療器具の洗浄等
歯科診療
野中医師の眼科診療
帖佐医師の内科診療
眼鏡の選定
内科の問診
2月10日(土)、長野の団体は、朝早く準備をして、マニラ郊外の2会場に向かった。
我々は、午前8時にホテルを出発、334−E地区・元ガバナーの大田道信氏(歯科医)とやはり
元地区ガバナーの佐藤清人氏に同乗していただき、バス車内で説明を受けた。
途中に道を少し間違えたが、午前9時30分に会場のひとつモンタルバン・カシグラハン高校に
到着。ライオンズの診察用のバスは既に開業中。診察に来た人が校舎の外にも順番を待っている。
歯科、眼科、内科の診療が行われていた。ライオンズ会員の医師は、無料奉仕。日本より有料で来て
いただく医師もいる。この活動はフィリピンのライオンズと合同で行っており、フィリピンのライオンズ
や医師も沢山参加されている。
虫歯は、日本では治療して治す歯も、後のケアができないので抜かざるをえないとのことである。
子供達も大きく口を開けて治療を受けている。
松本市の野中杏一郎元ガバナーも眼科医ということで治療に当たっていた。その脇で長野の
メンバーが、お年寄りに差し上げる眼鏡の選定を行っている。
私共のツアーに参加された帖佐理子様(鹿児島県川内市)も内科医ということで、飛び入りで
10数人の診察に当たられた。
私達は、お邪魔になるといけないので午前で失礼したが、医療奉仕団は、午後3時頃まで
診療を行ったようである。
翌日も2箇所の高校で診療を行い、合計9,157名の診療を行ったとのことである。
全員で記念写真
スタデイツアー参加者も32回に亘るこの医療奉仕に感嘆するばかりであった。
翌日の晩に石田貞夫334ーE地区ガバナー主催のフィリピン高官、山崎日本大使、
マニラのビヤヌエバ301−D2地区ガバナー夫妻、日比の関係者が参加する夕食会に
オブザーバーとして出席し、この活動の素晴らしさを再確認することができた。

2月11日(日)は、マニラから2時間30分、サンパブロ市の小学校を訪れ、地元のライオンズ
数クラブが共催で「児童の視力スクリーニング」(Sight for Kids)というプログラム、児童の検眼を
して眼鏡をプレゼントする事業を見学する。このプログラムはジョンソン&ジョンソン社が後援し、
ライオンズクラブが実施している奉仕活動である。
サンパブロ市小学校にて、子供達の視力検査と眼鏡の贈与
昼食のテーブルで
地元のライオンズより、この会場の2階に用意された昼食を
いただいたり、湖のほとりにあるサンパブロ・ホスト・ライオンズ
クラブの会館に案内されたり歓迎を受けた。
午後は有名なモンテンルパのビリビッド刑務所を訪問して、
名古屋ウエスト・ライオンズクラブとマカテイ・ゴールデン・
ライオンズクラブが関係する社会復帰センターの見学と、
まもなく退所する受刑者に団長の鈴木宸祥ライオン(名古屋
ウエストLC)よりプレゼントを贈呈した。

フィリピンでは、貧しいことで犯罪を犯すケースも多いようで
ある。この晩は、夕食後、友人の FILIPE LIM元301−B
地区ガバナー(イロイロ市)と彼の会社のスタッフ2名、ツアー
参加者3名でカラオケに行き、楽しんだ。LIM氏は、マニラにも
事務所があり、アジア最大のハイパーマーケットに連れていって
くれたり、3日間夜間のお付き合いをした。

2月12日(月)は、白バイが2〜3台付いて、有名なマニラの
交通混雑を先導してくれる。
交差点で対向車を止めて曲がったり、対向車線がすいていると
対向車線を走行したり、 驚くような便宜をはかってくれた。
モンテンルパのビリビッド刑務所にて
退所者に団長よりプレゼント
全員で記念写真
図書館前にて撮影
図書館内の子供達
ストリートチルドレンの宿舎
理容の実習
電気工事の実習
料理の実習
午前にストリートチルドレンの宿泊施設、青少年の訓練所を
見学する。体に障害を持った 子供達もいる。広い敷地には、
菜園もある。敷地の一角で、料理の実習、大工の実習、ミシン
を使った裁縫、理容師、電気技師の実習が行われていた。
希望を持った明るい笑顔であった。

午後は、元スラム街の図書館に行った。ここは、やはり名古屋
ウエストLCとマカテイ・ゴールデンLCが建てた図書館である。
もとはスラム街であったようだが、今は各国のNGOの協力で
小ぎれいな住宅が続き、民家の人々が我々に笑顔で挨拶を
投げかける。

図書館の2階には、パソコンが数台置かれおり、学校の制服
を着た子供達が指導の女性のもとで勉強していた?シカゴ本部
から取材のビデオクルーがきており、医療奉仕活動や図書館の
撮影を行っていった。元気な子供達は、屈託のない笑顔で撮影
に協力していた。

最後の晩は、色々と付き添って世話をしてくれたマカテイ・ゴール
デンライオンズクラブ会員と近くのハイアットリージェンシーホテル
の宴会場で交流夕食会をもった。
このクラブは女性クラブだが、元ガバナー男性数名が在席のよう
である。

日本語の話せるメンバーが結構おり、達者な日本語を話し、
歌を歌い楽しい人々だ。
日本側もハーモニカを吹いたり、マジックを披露したり、良い日比
友好の交流会となった。

フィリピンは何度か訪問しているが、経済状況は相変わらずの
ようで、貧しい人々が援助の手を待ちわびている。医師の診療、
眼鏡の贈与以外にも様々な援助が必要とされている。
東南アシアでは、フィリピン以外にも、ラオス、ミャンマー、カンボ
ジア等の貧しい国があり、このツアーでは、普通では見られない
ところ、民間ボランテイアが必要とされている国、現場を真近に
見学、勉強し実り多い旅行ができると思っている。おまけに
楽しい国際交流もある。
マカテイ・ゴールデンライオンズクラブとの交流夕食会

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