西地中クルーズへのいざない(セレブリテイ・センチュリー)
野口正二郎(当社)
(

 セレブリテイクルーズは、格調と気品ある雰囲気を
守りながら、リラックスした上質なクルーズライフを提案
するプレミアクラスのクルーズ会社です、とパンフレットに
謳ってある。セレブリテイ・センチュリー号は、約7万1千トン、
乗客定員約1,800人、乗員数約860人、客室数907室、
程よい大きさといえるかもしれない。

 10万トン級の客船が増えてきたが、乗客2,800人と
なると乗客の乗船・下船、荷物の積み下ろし等に相当時間が
かかる。今年の12月にロイヤル・カリビアン・インターナショナル
社が、「オアシス・オブ・ザ・シーズ」という史上最大の豪華客船を
デビューさせる。22万トン、乗客数5,400人、全長361メートル
というから驚きだ。カリブ海クルーズを主に運航の予定である。
ルートマップ




1)客室
2)バルセロナ港のセレブリテイ・センチュリー
3)メインダイニングでの朝食
4)カンヌの市場
5)お寿司を食べながら、カンヌ出港



(アプローチ)
エールフランスの夜行便で、パリ乗り換え、翌朝9時30分にスペイン・バルセロナ空港に到着。
クルーズ会社のスタッフが待ち受けており、そのまま送迎バス(有料)に乗って港へ直行する。
スーツケースは、空港でクルーズの荷札を付けて預けると、客室まで届けて貰えるので楽だ。
バルセロナ港ターミナルでチェックインをすると、午前11時から乗船することができた。

ただし客室は掃除中にて、午後1時過ぎに入ることになる。客室担当は、MARIO氏。
それまで、船内を見学したり、11デッキのビュッフェレストランでお好みの昼食をいただく。

私の客室は、ビスタデッキ(9F)の右舷側、コンシェルジェ・クラスの一室で、ベランダ付である。
この船では、中間クラス。室は16.2u、ベランダは3.9uの広さ。
室に入ると、赤いベッドカバーがかけてあり、テーブルには、ウエルカムシャンパン、
フルーツとおつまみが用意してあり、とても良い感じである。
このクラスは、シャワー室になり、バスタブはスイートクラス以上に付いている。
クルーズ船にて、クローゼットには多くの衣類が収納できるようになっている。

一度、船を抜け出し、タクシーにて11月に利用するホテルを下見する。リアルトホテルは、
旧市街のゴシック地区にあり、便利で手頃なホテルであった。近くにグエル邸があり、
ガウデイ初期の作品を見学することができた。閉館時間ぎりぎり最後の見学者となった。
1階と地下1階の見学のみで、面白そうなオブジェのある屋上には上がることができなかった。

10
6)夜ごとのショー
7)ポジターノの港
8)愛の小道は、崖沿いの道
9)キスをするカップル
10)港町マナローラ



(メイン・ダイニングでの夕食)
慌しく船に戻り、非難訓練の説明会に参加する。これは全員参加が義務となっている。

出航は午後6時、粛々と桟橋を離れ、まだ停泊中の別のクルーズ船に客同士が手を振りながら、
7泊8日の船旅に向う。天気は快晴、バルセロナの街が徐々に遠ざかってゆく。
夕食は第1回目にしたので、午後6時15分に6階のメイン・ダイニングのレストランに入る。
この晩の服装はスマート・カジュアルだが、一応上着だけ引っ掛けて行く。
指定された622番テーブルは10人用で、既に5名の先客が座っていた。
初日は挨拶のみで、その後、だんだん話しをして、打ち解けてくるようになる。
女性の4人組は、アイルランドから来られたおば様達(おばあ様か?)、田舎のおば様という
感じで親しみが持てる。男性一人は、米国ノースカロライナ州から来られた元大学教授で、
女性4人組の間に座り、仲良く話しをされていた。6日目の晩に7人で集合写真を撮り、
住所を聞いて送ることを約束した。アイルランドのおばさま達は、喜んでくれた。
男性の名前は、ガスト氏で、翌日の船内新聞を見ると、午前11時よりシネマ室で、
ガスト氏の講演が載っており、ローマについての講演を拝聴することができた。
夕食は、いつもフルコース。前菜、スープ、メイン、デザートをいくつかの中から選択できる。
フルコースの夕食が重たければ、11階のアイランド・カフェでブッフェの夕食が取れる。
後方に寿司コーナーがあり、お皿に寿司を盛って、デッキの最後尾のベランダへ出る。
遠ざかるカンヌの夜景を見ながら、お寿司とビールの夕食は、至福のひとときであった。

夕食のテーブルのウエイターは、チーフがACHMED氏、サブが、AINULA氏、どちらも
インドネシア人で、愛嬌よくサービスしてくれる。

(夜のお楽しみ)
私達にとって一番のお楽しみは、歌や踊りの豪華なショーである。
毎晩2回、日替わりで行なわれ、英国スコットランドの男性ソロ歌手や、米国の漫談家の
ゲスト出演もあった。カクテルやワインを飲みながらショーの観賞も楽しいもの。
但し、前の方に座るとショーに引っ張りだされることがあるので、お気をつけて。
ダンスのできる方は、ダンスを、ギャンブルの好きな方は、カジノを楽しめます。

(朝食)
2日目の朝だけ、メイン・ダイニングで朝食をいただいた。
着席で、メニューの中から注文すると、ウエーターがサーブしてくれる。
お客様の多くは、ブッフェの朝食に行くので、ここで落ちついて食事をするのも良い。
朝食は、小さなカフェ・レストランを含めると5箇所でいただけるようになっている。

11 12 13 14 15
11)メインの魚料理
12)ピサの斜塔にて
13)斜塔展望台よりの眺め
14)サンピエトロ広場と大聖堂
15)ピッツァ・カプリチョーザ



(ショア・エクスカーション)
寄港地でのオプショナルツアーは、多数設けられており、有料で参加できる。
今回、私はオプションに入らず、自分の足と、鉄道、バス、タクシーで回ることにした。
ツアーでの時間の制約から逃れ、また経費節減も兼ねている。

最初の寄港地【カンヌ】は、テンダーボートにて上陸する。ここは市内散策とした。
丘の上のカストル博物館に登り、展望台より市内や港を一望。市場やカンヌ映画祭の
会場周辺を散策する。映画祭は間もなく開催のようであった。9月下旬でも陽光が
降り注ぎ、ビーチでは水着で日光浴や海水浴をする人々で賑わっていた。
船に戻ると、こちらもプールサイドで日光浴をする人々が多数横たわっている。

2番目の寄港地【ポルトフィーノ】は楽しみにしていた寄港地である。団体ツアー等で行く
イタリア周遊コースでは、なかなか立ち寄れないイタリア西海岸の港町だ。
木々の囲まれた美しい小さな港町には、やはりテンダーボートで上陸した。
ここからバスに乗り、ビーチリソートのサンタ・マルゲリータ・リグレへ行く。
途中、美しい海岸線の景色の先に、我が家のセレブリテイ・センチュリーが見える。
電車で世界遺産(文化遺産)のチンクエテッレに向う。車両は2階建てだが、古い。
窓が汚れているので、車窓の景色が良く見えないのは残念であった。
それぞれに鉄道事情はあるのでしょうが。
チンクエテッレとは、西海岸の7kmに点在する5つの漁村の総称である。
リオマッジョーレから、マナローラまでの「愛の小道」(ヴイア・デッラモーレ)1区間を歩く。
入場料5ユーロを払って、入場券、地図、電車の時間表を貰う。
良い天気の中、海岸線の散歩は楽しい。途中にベンチに座ってキスをする場所がある。

欧米人は喜々として、順番待ち、チューをしていた。ここはパスをする。
マナローラは、岩山にカラフルな住居が連なった絵になる漁村である。
レストランでスパゲッテイの昼食をとり、帰路についた。

16 17
18 19 20
16)トレビの泉
17)ウエイトレス
18)ポンペイの遺跡
19)ソレントの港
20)テーブル622の相席の人と



【リボルノ】は、ピサやフィレンツエの観光拠点でもある。タクシーで駅まで行き、
電車で20分ピサに着く。歩いて、ドウオーモ広場へ行くと、「ピサの斜塔」の人気で、
多くの観光客が集まっている。私もその一人、11時50分に予約しておいた
(ピサの斜塔見学)に参加する。塔内の螺旋階段を上がり、最上階の展望台まで
297段を踏みしめる。展望台では傾斜が良く分かる。ドウオーモが眼下に一望。
その日は、鉄道で足を延ばし、城壁に囲まれた街・ルッカも散策した。

【チベタベッキア】は、ローマへの入口、といっても鉄道で1時間はかかる。
地下鉄でバチカンへ行くと、広場はサン・ピエトロ大聖堂を見学の列が長く続いていた。
一瞬気後れしたが、列に並ぶと順次進んでいった。豪壮な大聖堂は、さすが世界一の
教会である。宝物館もついでに見学する。帰路は歩き、テレベ川を渡ったところの
レストランで、ピザ・カプリチョーザ、サラダの昼食を取る。トレビの泉を目指すが、
道が分かりずらく人に尋ねながら、やっとたどり着く。人気スポットにて観光客が多い。

スペイン階段も同様であった。キリナーレホテルでお茶を取り、暫しの憩い、
テルミニ駅より、鉄道に乗り、無事帰船する。夕食の時間に少し遅れたので、
またまたお寿司とビールで、出港風景を眺める、至福の時を過ごすことができた。

夜間の航海はほとんど揺れを感じず、最後の寄港地【ナポリ】に着いた。
魅力的なカプリ島やアマルフィ海岸のオプションもあったが、鉄道でポンペイの遺跡と
ソレントへ行った。この日は生憎の小雨であったが、広大なポンペイの遺跡見学には、
涼しくて良い。ベスビオス山を望みながら、石造りの廃墟となった街を見学する。
1900年前の火山の爆発で消滅した街が、遺跡として蘇り、当時の繁栄した生活を
垣間みることができる。ソレントも小雨であったが、町の中心にあるレストランで昼食を
取り、その脇の階段を下りて歩いて行くと、カプリ島行きの船が出る港に着いた。
下から見上げると、崖の上にホテルや家々があり、その地形を理解することができる。

その晩は、フォーマルな服装で夕食となったが、ちょっとしたイベントがあり、ハンカチを
頭上に振り回したり、手を繋いで歌を歌ったり、ゲストとスタッフが一体感を持つような
楽しい催しであった。
(終日航海)
最後に、丸一日ゆっくり船上で過ごせることは有り難い。船の催しに参加するも良し、
プールサイドで寛ぐのも良い。また明日の下船に備えて荷造りをする必要もある。
その晩は、予約して「ムラーノ」で夕食を取った。このレストランは船内で唯一有料
のレストランで、落ちついた雰囲気で地中海料理を堪能できる。
ロブスターとステーキのメインをいただき、私の食欲は最後まで衰えることはなかった。

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25
21)ウエイターのお二人
22)ギリシャ人の船長レカス氏と
23)希望の野菜を入れて、麺を調理中
24)プールサイドで氷の彫刻
25)プールサイドでフルーツの彫刻



(クルーズのおすすめ)
セレブリテイ・センチュリーは、パンフレットの謳い文句に違わず、お客様が満足できる
サービスを提供してくれた。スタッフは、ホスピタリー精神に富んでいる。
一度船に乗ってしまえば、動く大型・豪華ホテルということで、三食付、アフタヌーンテイーや、
夜食も食べれば、四食、五食になる、食べ放題。食べ過ぎに注意が必要となる。
荷物を持ってのバスや電車の移動が無く、翌朝には次の街が待っている。
陸上で行くのが大変な場所も、船で容易に行ける所もある。
船から出ない人には、船内の催し物が沢山あり、退屈しない。
船内の飲み物代、買い物等は、「シーパス・カード」に付けて、一括クレジットカードでの
精算が可能である。
船が設定の各種チップも最終日に勘定書きに入ってくるが、カード精算可能。
クルーズ船も、カジュアル化しており、フォーマルの晩は、男性はスーツにネクタイでOK,
女性も特別に気張らなくても大丈夫です。勿論ドレッシーに、お洒落するのも楽しみのひとつ
ですから遠慮なく決めて下さい。
外国船は、宿泊、食事、催しもの、ショー、移動等も付いて、1泊2万円前後からあり、
お得な旅と言える。

今回の西地中海クールズは、7泊8日の参加しやすい日程で、人気のイタリアを主に
組んだお楽しみコースです。
船のオプションは、選んで参加するようにして、クルーズライフをゆっくり楽しむことを
お勧め致します。
船旅(クルーズ)は、究極の旅!


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