I. 旅行準備

1.航空券の予約 
協和海外旅行社の野口正二郎社長に招かれて、2008年1月30日に開かれた日本旅行作家の会に、家内ともども参加させていただいた。前から、我々がアイスランドに行きたいということを、お聞きになっていたので、そこに出席されていたアイスランド航空支配人の坂田文保様を紹介して下さった。いろいろ的確なアドヴァイスをいただいたが、(1)観光シーズンは限られているから、ホテルなどは早くから申し込まねばいけないこと、(2)道路は慣れない者には、かなり危険なので、できれば、現地でツアーに参加したほうが良いこと、それでも自分で運転するならば、まず、ツアーに参加して、道路事情を観察してからにすること、車は4輪駆動車を薦めるなどが、一番記憶に残った。
 それで、本年(2008)の初夏に、アイスランドに行くことを決断した。2週間でほんの少し下調べをして、2月13日にまず、恵比寿にあるアイスランド航空事務所に聞きに行く。日本からアイスランドに、その日のうちに着くには、ロンドン経由と、コペンハーゲン経由があり、これらの都市からアイスランドに行く航空便は、アイスランド航空が独占していて、その料金体系はいくつかに分かれていて、早く申し込めば、それだけ料金が安いということを知る。その日に、野口さんに、アイスランドに行く便について、ロンドン経由とコペンハーゲン経由の成田からの便について問い合わせる(6月23日(月)出発で、7月3日(木)あるいは4日(金)帰国の便)。すぐ返事をいただいて、コペンハーゲン経由にすることにして、翌日2月14日に、すでに、便の予約をお願いする。しかし、ネットで調べてみたら、ロンドン経由の方が、コペンハーゲン経由より、1人約5万円安いことを知り、2月17日(日)に、野口さんにメールを出し、ロンドン経由に変えて欲しいと、お願いする。最近は燃料サーチャージなどがあって、実際に、ロンドン経由の方が、それだけ安くなったのかどうかは知らない。アイスランド航空では、2度目に事務所に行ったときに、行き帰りの座席の予約もしてくれた。両側3席―3席の編成なので、予約のお陰で、窓側の席も取れた。行きは夜遅いが、機内で軽い夕食が出ることを聞くことができ、ロンドンでの待ち合わせの3時間に食事を取らずに済む。

2.ホテルの予約 
ホテルの予約は、コペンハーゲンおよびロンドン経由のいずれでも6月23日(月)の深夜にレイキャヴィークに到着できることが分かり2月16日(土)には、ヴィークとミーヴァトンのホテルの予約を終えた。ただし、ミーヴァトンは、2泊するつもりが、Hotel Gigurは、2日目は、何かセミナーで団体客の宿泊があるらしく、早くも2日目の予約は出来ないことがわかり後日に回す。ホテルの中でも、是非宿泊したいと思っていたところは、この国で一番有名な観光地のブルーラグーン近くにある“Northern Light Inn”であった。全ての、案内書や旅行記で、大変評判のよいホテルで、早く、申し込まねば、満員になってしまうと思い、2月15日に、7月2-3日の1泊の予約ができるかどうか、メールで尋ね、予約ができた。詳細は、後の「IV 予約など」で述べる。

3.空港バス券の予約 
ケフラヴィーク空港(レイキャヴィーク)に夜中の23時10分に到着する予定なので、最終空港バスに乗り遅れてはいけない一方、換金に時間をかけるわけにいかないし、空港の免税店(ここは、降りる客も同様に免税品店を利用できる空港である)で、ビールを買う予定で、時間がないので、すでに日本のアイスランド航空事務所で、少し高いが円で購入した。

4.参考書類
■Fran Parnell, Etain O’Carroll著 “Lonely planet Iceland”;細かく正確な記述があるので、レストラン、ガソリンスタンドの位置などの情報に大変役立った。日本の案内書と違って、著者の正直な評価が述べらていて、それが、また、大体、的を得ているようである。巻末に索引があり、地名を調べるのにも役立つ。このシリーズは通称「ロンプラ」と言われ、世界的にも大変評判が高いようで、実際、アイスランドに関して言えば、(英語を読み慣れていれば)この本1冊あれば、旅行案内書としては十分であろう。購入価格は税込みで2895円であった。

■文邸 景一、柳木 昭信(写真)(2007)「旅名人ブックス アイスランド フェロー諸島、グリーンランド」日経BP企画 ;案内書というより、景色の美しいカラー写真が、満載されていて、これを見ていると実際のものが見たくなる。

■「アイスランド」2007/08版、アイスランド観光文化研究所;わずか45ページの小冊子に、要点をまとめているので、持参して使うのに便利であった。地名のカタカナ読みが書いてあるのも役立った。

■小林 理子 著 「アイスランド紀行」彩流社(2007);現地の人と交流があるため、生活に密着した紹介本である。車で回っていないので、バスで回る人向きである。記事は、2007年に増補しているが1999年のことが中心なので、少し古い。

■加藤 香織、豊岡 由香 著 「アイスランド何処ドコ紀行」東洋出版(2000);著者は、あまり、前もって準備をしたように思えず、主として、不便なバスや現地バスツアーを利用した旅行で、それでいて、明るく、楽しみ、旅行記を本にまでする著者のヴァイタリティーに感心する。

■竹内 均 著 「アイスランド紀行 燃える島」 徳間文庫(1992);地球科学の専門家の著作だけあって、特にマントル対流に関する記述が勉強になった。本島の南にある、スルツェイ島の1963年の誕生の様子や、1973年のヘイマイ島の爆発の様子などを詳しく書いてある。1973年に出版された小松左京著「日本沈没」が空前のヒットになり、小松氏が、その印税で、この著作で世話になった人たちを招待して、一行7名で、1974年にアイスランド旅行に約1週間行ったが、その1員として訪問して見聞したことが書かれている。

■島村 英紀 著 「地震と火山の島国」岩波ジュニア新書(2001);地球科学の専門家の著作であるが、アイスランドの住民の生活などについても記述してある。

■National Geographic 2008年3月号;先輩から借りて読む。28ページにわたるアイスランド特集があり、自然保護とエネルギー開発(アルミニウム生産)の狭間に揺れる現状を述べている。

■荒川 明久 著 「まずはこれだけ アイスランド語」国際語学社(2007);アルファベットは33組あり、通常の英語のそれによって表されない文字がいくつかある。小文字でいえば、d, t, a, oなどである。
30年以上前に習ったスウェーデン語とよく似ているが(たとえば数字の読み方)、文法は、大分難しい。アイスランド人は、皆英語が分かるから、全くアイスランド語学習の必要はないが、地名を読む程度には役立った。ただ、辞書を購入した方が、意味が分かって、後々便利だったと思う。

5.パンフレット類
アイスランド航空支社と、アイスランド政府観光局(大使館内)にそれぞれ2度行っていろいろな資料をもらってきた。アイスランド政府観光局は、品川駅から徒歩10分以上かかり、入り口で呼び鈴を鳴らして入る。豊富な資料があり、現地で役立つものが多かった。特に、「2008 Around Iceland」というB5版8.5mmの厚さのものは、充実している。また、ホテルやその位置を示した「Anig 2008 (Accommodation)」も役立った。

6.ネットの観光情報
 ネットでほとんどすべての情報が得られると言っても過言ではない。アイスランド旅行のための情報・リンク集(http://satorutsushimajp.hp.infoseek.co.jp/iceland/ice_link.html)や、
(http://noisette.ddo.jp/iceland/link.html) からは、航空会社、天気、道路状況、ホテル、レンタカー、ガソリン、地図、交換レートなどに関する多くの情報が得られる。
 アイスランドについてのFAQが(http://www.icelandguest.com/iceland-travel-faq/)に出ていて、たとえば、男性(女性)の平均身長は、180 cm(167 cm)、平均体重は、88 kg(73 kg)、平均年齢は、33.9歳(35.3歳)などまで書いてある。
 アイスランド観光文化研究所のホームページ(http://www.iceland-kankobunka.jp/)は、最新のニュースまで出ていて大変便利である。
 外務省の情報もある(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iceland/data.html)。
 旅行とは直接関係がないが、アイスランドファンなどのための日本アイスランド協会があり、そこから、いろいろな情報が得られる(http://www.icelandcafe.com/JIS/index.html)。
  小山真人著「ヨーロッパ火山紀行」ちくま書房(1997)は、ネットでも拝見できて勉強になった
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Europe/iceland.html)。
7. 旅行記(ネット)
 日本語で書かれたうちの20件程度は、プリントして読んだ。最初はメモを取らなかったので、読んだことが全て消化出来たわけではないが、大変役立った。この国を旅行する人は、旅なれた人が多いようで、記述が具体的であり、ホテルやレストランの評価などに関して正直である点が良い。自分は車で回るので、道路事情や、どれくらい時間がかかるかが記されたものが、特に有難い。14件が見られるリンク集はhttp://homepage2.nifty.com/keny/iceland.htmにある。