東京町田クレイン・ライオンズクラブ(小玉一男会長)が10周年記念事業として、パプアニューギニアの高地、チンブ州コゲ村に小学校校舎2棟を建設・寄贈することになった。第一棟が完成するので竣工式が行われことになり、同クラブの会員と関係者33名が、5月3日より8日間、パプアニューギニアに行った。

 週一便のニューギニア航空にて6時間、首都のポートモレスビーに着く。そして国内線で高原の都市、マウントハーゲン空港へ1時間。山や雲、熱帯雨林の木々をみながらのフライトだ。高地は緑が多く、赤道近くとはいえ、さわやかな気候である。四輪駆動の車7台で途中昼食休憩を入れながら3時間30分、午後3時半にコゲ村に着いた。ハイランドハイウエイとは言っても、舗装道路はあちらこちらに穴が空いていたりして、車の振動が激しい。その疲れも、村人の熱烈歓迎で吹き飛んだ。
 
 大きな歓迎の垂れ幕の下、村のリーダーADAM氏より歓迎の挨拶があり、民族(部族)衣装の子供達がエスコートしてくれて、教会と小学校のあるところまで行進した。
フラワーシャワーと歌で沿道の人々が迎えてくれる。宿泊施設はないので、この為にコテージをひとつ建ててくれた。男性20数人は、コテージの中で寝袋に入り2泊した。高地にて朝晩は、やや寒い。女性と夫婦組は、教会の施設を利用した。その中にシャワーとトイレがひとつずつあり、33名で共用し大変であった。
 夕食は、コテージのテーブルに大皿が並んだ。チャーハン、豚肉、焼き鳥、野菜サラダ、さつまいも、タロイモ、即席ラーメン等、持参したものもあるが村人が用意してくれた。量は十分あり、味もまあまあだ。ラーメンは伸びてしまったが、それでも人気があった。持参の紙皿、コップ、スプーン、コップで食事をした。
 夕食後、別の建物の室内で部族の踊りを披露してくれた。男女が交互に座り、歌を歌い体を動かすもので、合コンのようなものだそうだ。迫力はあるが単調なため、眠いなかを2時間近く鑑賞するのはしんどかった。夜中に外に出ると周りは真っ暗で、南十字星や沢山の星が燦燦ときらめいていた。

 翌日午前に、教会のミサに出席した後、竣工式典が執り行われた。ニューギニアと日本の国旗、ライオンズ旗の掲揚と国歌斉唱。来賓の紹介。州知事代理や教育関係者、ライオンズクラブ関係者の挨拶が続く。ここは英語も公用語で、州関係者から村人まで英語をよく話す。場所を移して、新しい校舎の前で記念碑の序幕、記念植樹を行う。日本から持ち込んだ教材等のダンボール30数個の贈呈をすると、村人からもお返しのプレゼントがある。布袋、槍、豚?の骨の首飾り等。槍は持って帰るのにひと苦労。沢山の観衆が取り囲んで見守っている。この日はいくつかの部族の踊りが行われていた。午後のオプションは、幻の滝の見学であった。向かう途中より雨が降り始め、沢沿いに道なき道を、村人に助けられながら歩き、やっと名もなき滝にたどり着いた。
靴もズボンも泥だらけになってしまった。

 村を去る朝、村人がそれぞれお土産を持って我々に手渡してくれる。村人の感謝の気持ちがひしひしと伝わってくる。
帰路に立ち寄ったチンブ州議会の室で、知事代理や州の高官の挨拶で、日本からの援助を大変期待していることが良く分かる。

 首都のポートモレスビーでは、山下日本大使公邸にて、ポートモレスビー・ライオンズクラブと合同例会を行い、コゲ村での活動を報告し、交流した。さすがに日本大使公邸の日本食の夕食はおいしく、皆満足した。
 市内観光は、博物館(この国の歴史が良く分かる)、国会議事堂(建物の壁画が美しい)、植物園(極楽鳥なども見られる)をまわる。

 夕方のラバウル行きが欠航になってしまい、市内のクラウンプラザという高級ホテルで夕食と仮眠を取り、午前2時起きで、4時30分発の国内便に乗った。

 ラバウルの空港に着くと、遠くに火山の噴煙が見える。ラバウルの町の近くの山が、9年前より噴火を続けており、町の半分は廃墟と化していた。そのためホテルはココポ地区にあるココポビレッジリゾートに泊まった。ラバウルでは、日本の団体、オイスカ農園(荏原所長)を見学、ワニの肉を食べたり、園内を見学。日本に短期研修にきた若者もおり、彼らは日本語を話すことができる。163ヘクタールという広さで、稲作も行っている。ラバウルの町の港から、火山灰の降る中をモーターボートに分乗し湾内を観光する。鳥が2mほど穴を掘って地中に卵を産み付ける海岸近くの土地があり、村人がそれを掘り起こし卵をとるところや、海岸に火山の熱い温泉が流れ込み、海水と混ざり丁度よい温泉になっているところで
海水浴をしたり、山本五十六の司令部後の見学、慰霊碑へのお参りなど、盛りだくさんである。その晩に見たファイアーダンスはユーモラスで勇敢な踊りであった。
↑コゲ村での歓迎
↑民族ダンス
↑小学校一棟建設
↑ポートモレスビーの植物園の鳥
↑オイスカ農園の人と
↑ラバウルの活火山近くの海中温泉
秘境パプア・ニューギニアに学校建設     
         
野口正二郎

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