豪華客船でクルーズに出るのは初体験。
それは期待に違わぬ夢のような船旅であった。

2002年9月13日、金曜日夕刻より、2泊3日という旅程。
21,900トンのにっぽん丸は夕暮れの晴海埠頭をゆっくりと離れてゆく。
4階のプロムナードデッキにて、ボンボヤージュ・サービスの
スパークリングワインを飲みながら、紙テープを投げる。
船は、変わりゆくお台場と東京の高層ビル群を横に見ながら、
東京湾を脱出して、北上する。

客室は、ステートルームBというカテゴリーで、3階336号室。
このにっぽん丸では、スタンダードの部屋である。
ベッドが2台(3人目用に2段ベッドの上段が備えられている)、
3つのクローゼット、トイレ・シャワー、TV、空のミニ冷蔵庫が設置。
ホテルの客室のようだが、窓からは空と海、遥か遠くに陸が見える。
船内新聞にて、本日の予定をしっかり確認する。

午後7時からの船長主催のウエルカム・カクテルパーテイ-は、
船旅に期待を膨らませた船客でにぎわっていた。
白川船長は、その際、東京湾を出るために現場を離れることが出来ず、
夜のメインショーの後に楽しいお話しを聞かせてくれた。

7時半より、2階のダイニングルーム(瑞穂)にて、洋食フルコースの
デイナー。アワビのワイン蒸しあり、メインは牛フィレのロースト。
にっぽん丸の食事は中々美味である。
この晩は、やや年配の小倉御夫妻と若い井村御夫妻と同じテーブルで
あった。小倉夫妻は世界一周を体験済み、井村夫妻は、一度ふじ丸を
体験されていた。
この晩の服装は、(インフォーマル)ということでジャケットにネクタイを着用。
ウエイトレス・ウエイター等の従業員は、半分はフイリピンの人達で、
必要な日本語は通じるように教育されている。

4階で行われた夜のメインショーは、仙台クルーズにまさにぴったりの
”さとう宗幸コンサート”。青葉城恋歌に始まり、百万本のバラ、
うたかたの恋(森繁久哉作詞)、カレンダー(バックコーラスの庄子真理子
さんの美しい声が生える)、2度とない人生だから、等々。さとう宗幸さんの
楽しい語りと素敵な歌に、聴衆は酔いしれた。

この晩は、夜食も食べず、カジノも訪れず、ベッドに入る。
船なので時々横にゆれる。船窓に頭を向けて眠っていると、体が前後に
ゆれる感じだ。この位であれば船揺れが原因で寝られないということはない。

翌朝、同じ3階にある大浴場で、朝風呂に入り髭をそる。気分はすっきり。
それから、和・洋食のブッフェの朝食。旅行に出ると和食を食べる
ことが多いが、ご飯とお粥の両方をいただき、最後にフルーツとコーヒーで
満腹となる。
午前11時30分、仙台港に接岸。船で募ったオプション3コースに分かれて
観光に出るグループ。私のように個人で動く人、それぞれ半日のフリーを
楽しむ。タクシーで多賀城駅まで行き、JRで松島海岸駅へ。
さっそく駅前の食堂でかき丼を食べる。
日本三景のひとつ、ここ松島では牡蠣が名産であり、おいしい牡蠣料理が
食べられる。他のレストランでは、まぐろカツや、仙台発祥の牛たんもある。
遊覧船には乗らず、五大堂から、瑞巌寺を回り、お土産にかまぼこを買って
早めに帰船する。なぜか船が恋しくなる。

この日の夕食は、上品な和食であった。
食後、若手マジシャン・寺岡利弥さんの奇術を楽しみ、そしてビンゴゲームで
賞品を貰い、カジノコーナーのルーレットで遊んでいると24時近くになった。

最終日の午前は、6階のスポーツデッキにて、輪投げで遊ばせてもらった。
個人戦と団体戦を競ったが以外に難しいものだ。
船内では、ソシアルダンス教室、すこやか体操、マジック教室等も楽しめる。
昼食は、品数豊富な洋食のビュフェをゆっくりいただく。
食べ過ぎないように注意が必要だ。

そうこうしているうちに、にっぽん丸は東京湾に入り、あわてて8階のサンデッキ
に上がる。誰もいないので素晴らしい風景をひとりじめしたような感じである。
予定よりやや早く晴海埠頭に着き、至福の時とお別れした。

                             S. N.

にっぽん丸 ”仲秋の仙台クルーズ” 体験乗船記

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↑2階のインフォメーション

↑夕食時、船長より
  バースデーケーキのプレゼント

↑夕食後のお楽しみビンゴゲーム

↑お昼は品数豊富なビュッフェ