Bおわりに
3週間の間に、この地方の、この季節には珍しいと思うが、終日雨の日が1日あり、
ミストラルと呼んでよいのか良く分からないが大風の日が、3日半あったが、日の入りが
午後9時以後、気温も25度程度の日が多く、観光には、快適であった。この地方の魅力は、
バラエティーに富んでいることである。海・山・川・湖沼・湿原・滝・洞窟などの自然と、美しい
花の群生、美味しい海産物、豊富な美術館・博物館、見事な公園、古城・古代遺跡など
歴史的遺産、魅力のある市場、有名人の由緒ある場所など、観光の対象となる、ほとんど、
ありとあらゆるものがそろっていて、世界でこれほどそろっているところは他にないのではないか
と思う。すなわち、総合的にみて、少なくとも我々にとっては、世界最高の観光地である。
観光客ラッシュの時期の直前なので、特に混んで不自由したこともなかった。また、ギリシャの
経済危機のために、1年前までの円に対するユーロの異常高が収まっていたのも有難かった。
主に、田舎を回ったので、治安の心配も無かった。GPSのお陰で、以前は、道探しで、時間を
ロスしていたのが、ほとんど無くなった。滞在型(1週間ずつ)のホテルも安価で、居心地が良かった。
3週間回ったが、下調べ不足や、時間不足で、まだまだ見残したところが多い。
この地方は奥の深いところである。
以前に比べて不自由に感じたのは、美術館などの撮影禁止のところが増えたことである。
以前は、そういうことは無く、この傾向はますます強まることを危惧する。以前との変化としては、
急激な中国人観光客の増加であろう。日本人は、日本で知られた有名観光地での団体旅行が
多いが、中国人は、数人のグループで、どこでも見うけられた。この国の勢いをフランスでも感じた。
C付記資料
1 案内書類
南フランスは以前から、特に気に入って何度か旅行しているので、今回購入したのを含めて
多くの本を利用した。
(1)「地球の歩き方 ‘10~’11 南仏 プロヴァンス コート・ダジュール&モナコ」
ダイヤモンド・ビック社(1600円+税)
この本の、97-98年版も持っているが、大分改定されていて、読みやすくなっている。
特に、最初に地図があって、街の名前があり、その記載ページを書くようになっているのは、
現地で、急いで探すときに大変便利である。
(2)地球・街角ガイド タビト「プロヴァンス」同朋舎出版1996年(2300円)
A Dorling Kindersley Bookの原題: Volume
10:Eyewitness Travel Guides
“Provence & The Cote d’Azurの訳本で、プロヴァンスとコート・ダジュールを絵入りで
263ページにわたって紹介している。主な建物や、美術館などの内部の詳細まで記してあり、
大変、便利な本である。1990年代の後半に行く際、偶然店頭で見つけて購入した。
今、ネットで検索すると、版は変わってなく、新版を販売していないようであるが、古書でも、
今でも大変役立つ。値段は税金分だけ変わっているだけである。表紙の写真(Bo1)を示す。
(3)lonely planet 「Provence & The Cote d’Azur」6th edition, Jan.
2010,
456ページ、($21.99)
(3)’ lonely planet 「Languedoc-Roussillon」1st edition, Mar. 2009, 292ページ,($19.99)
団体旅行なら、(1)だけでも十分と思われるが、個人旅行では、十分ではない。それで、
最近は「ロンプラ(lonely planet)」を購入して、計画の段階で役立てている。写真が少ない
分、読みにくいが、書いてあることは、充実している。今回の旅行の範囲がプロヴァンス、
コート・ダジュールに限らないので、Languedoc-Roussillon編も購入した。
(4)「Michelinグリーンガイド プロヴァンス 南フランス Provence」1991、
実業の日本社、234ページ、(2600円)
定評のあるミシュランのガイドブックで、需要の多いプロヴァンス地方の日本語訳で、
90年代の最初に行った時に購入したものである。現在も2千円強で販売しているようである。
少なくともフランスの、現地の、詳細のことを知るには、この本は必携であろう。
(5) ピーター・メイル著、池 央耿訳「南仏 プロヴァンスの12か月」河出書房新社(1993)
1989年に「A Year in Provence」という題名で出版され、世界的にプロヴァンスブームを
起こした本の訳である。フランス語のプロヴァンスに関する本はいくつも出ているそうであるが、
やはり、英語でないと世界的に読まれないのであろう。英語版のペーパーカバーブックも持って
いるが、日本語の方が読みやすい。当時、読んだが、再度読み直しても、イギリス人特有の
ユーモアたっぷりで面白い(Bo2)。旅行案内書ではない。
その他、フランス政府観光局(東京都港区赤坂2-10-9ラウンンドクロス赤坂ビル9F)には
2回行って、現地では得られない、いろいろなパンフレットを貰ってくる。ただし、南フランスの
パンフレットは、少ない。現地でも、あちこちに観光案内所があり、英語でも、大抵親切に対応
してくれるが、混んでいる場合は、長く待たねばならないのと、昼間(12-14時)は、シエスタで
閉まっているし、休日も閉まっていて、あまり当てにはならない。
持参地図
以前に使用したMichelinの次の4つで間にあった。GPSは、あっても、大きく見るときは、
やはり地図は絶対必要である。
(1) [No. 115:表紙グリーン] Cote d’Azur Alpes-Maritimes
(10万分の1; 1 cm: 1 km)
(2)
[No. 114:表紙グリーン] Cote d’Azur Var Georges du Verdon (10万分の1;1 cm: 1 km)
(3) [No. 340:表紙オレンジ] Bouches-du-Rhone, Var (17.5万分の1;1
cm: 1.75km)
(4) [No.
527:表紙イエロー] Languedoc, Roussillon (20万分の1;1 cm: 2
km)
この他に、Michelinのフランス全土の地図帳(1 cm: 2km)を持っているが、大変重いので、
自参しなかった。
2 ホテル
今回は、中・長期間(1週間単位)滞在型ホテル3ヶ所に1週間ずつ、計3週間滞在して、
そこから、周囲の地を訪問することを、初めて試みる。キッチンも付いていて、滞在期間中、
掃除にも来ないので、1日中部屋に滞在していてもよく、割安でもあり、いろいろな点で、
我々には大変、都合が良かった。個人経営のところに泊まってオーナーの人と会話し、
土地の様子を知るのも良いが、当たりはずれがあって、1週間窮屈な思いをするのも
いやなので、1つのチェーン会社(Maeva)の経営するものをフランスの地図を眺めながら、
かなりいい加減に3ヶ所、地中海に面した場所で、突端部を選んだ。東から西に、
ジュアン・レ・パン(Juan-les-Pins)、イエール(Hyeres)、カップ・ダグド(Cap d'Agde)で、
地図 (Mp1, 2)に場所を示す。訪問した地域は、フランスの22の地域区分のうち、
Provence-Alpes-Cote d’AzurとLanguedoc-Roussionに区分される。
これらの地、あるいは極く近くまでは、以前に来たことがあり、大体のイメージは分かっていた。
特に、海辺を選んだのは、夕食はホテルの近くで取ることになるからで(そうでないと、運転する
ので、アルコールを取れない)、肉が苦手で、海産物を好むためであり、特に、海水浴をしたいため
ではなかった。
東に行くにしたがって、人気の観光地(例えば、ニース、カンヌ)に近いので、ホテルの値段は高く、
部屋も狭くなる。狭いといっても、同じ程度の料金のホテルに比べれば、ずっと広いし、割安である。
1週間の料金と、駐車料を表で示す。また、参考までに、ヴァカンスシーズン時(7月・8月)の料金を
示す。予約は、旅行の4ヶ月前の2月にネットを通じて行った。予約とともに、料金の3割がカードから
引き落とされ、残りの7割と駐車料金を、現地、到着時にカードで支払った。地中海沿岸は、山が
迫っていて、しかも、良好なビーチがほとんど全海岸を占めていて、観光客が多いので、空いた土地
は少なく、無料駐車場は、ホテル近くにはないのが普通であった。
場所
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1週間の料金
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駐車料/Euro
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宿泊可能人数
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7・8月料金(比較)
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Juan-les-Pins
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457.01 Euro
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50(屋外)
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2人
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565 Euro
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Hyeres
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417 Euro
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46.85(屋外)
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4人
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515 Euro
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Cap d’Agde
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321 Euro
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50(屋内地下)
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4人
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395 Euro
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1部屋に何人泊まっても料金は同じなので、家族連れが多く、プールもあるので、子供連れの
場合、ホテル内だけで楽しめるようである。上記宿泊可能人数はベッドの数で、床に敷物を敷けば、
更に泊れる。大体の宿泊者は、海岸での海水浴・日光浴を楽しんでいるようで、ここを基点にして
毎日、遠征している人は、あまりいないように見えた。ホテルで、日本人に会ったことはなかったが、
Hyeresでは、中国人の女性を含む若者6人が自転車で来ていて、ロビーは、彼らが、ほとんど独占
して、持参のコンピューターを使っていた。1部屋に6人泊まっている可能性もあると思う。
Juan-les-Pins(Ho1)、Hyeres(Ho2)、Cap d’Agde(Ho3)の外観を示す。全体の部屋数は、Hyeresの
ものが一番大きいが、部屋の大きさは、西に行くに従って大きくなり、表に示すように値段は下がる。
特に、Cap d’Agdeは格安で、海
水浴をしてのんびりするだけなら、ここが断然良い。いずれも、バルコニーがあって、そこで、お茶や、
軽食も取れるし、洗濯物も干せる。バルコニーの注意書きには、洗濯物、タオルを干してはいけないと
書いてあるが、干しものを保持する道具は置いてあるので、外に、あまり見えないように隠して干して
いる人も多いし、我々もそうした。いずれも海水浴場なので、タオルなどを干さないわけにはいかない。
シーツとタオルは(Cap d’Agdeではビーチ用タオルも)最初に貸してくれる。掃除は、掃除機があるの
で、最後に掃除機をかけて、元通りにして出ればよい。掃除の枕銭を置く必要もない。食器類、
ホットプレート、冷蔵庫などは、揃っている。テレビもある。スーパーなどで食品を購入してくれば、
全く外食をせずに暮らせる。子供連れの家族などはそうしているようだ。プールもあるようだ。
気楽で快適で、可能な限り、次回以後も、この種の長期滞在型ホテルを利用したいと思う。
3 通貨交換
出発した2010年6月4日は、鳩山総理の突然の辞任により、菅総理が誕生し、1-2円/Euro
下がって(円安方向)、112円/Euroぐらいになった。成田の交換レート(Euro買い)は、写真(Ex1)
に示すように、116.88円/Euroであった。フランスは、レストラン、スーパー、ガソリンスタンドなど、
どこでも、カードを使う習慣が行きとどいているので、現金は、なるべく使わないようにした。
後からカード会社からの請求書で見るとフランス滞在中(6月5日−26日)、大体、交換レートは、
110.2円―114.0円を推移していた。数年前には、160円/Euro代までなっていたが、大分安くなって
有難い。しかし、ガソリン代など、フランスの方が安いものばかりとは限らなく、以前が、異常に
高すぎた感じがする。なお、帰国時(6月26日)のパリ空港(E)での交換レートを写真(Ex2)に示すが、
122.44円/Euroで、さらに6.5%のコミッションを必要とすると書いてある。フランスも場所によって
交換レートは異なるが、現金に換えるなら、日本で行うべきで、なるべくカードを使った方が良い。
どのカードが使えるかは分らないが、マスター・カードは問題なかった。フランスはカード社会で、
スーパーなどでも、カードで購入している人が多い。
カップ・ダグドの、街の外貨交換店では、日本人は来ないためか、日本円の交換レートは出ていないが、
ドルをユーロに換えるレートを見ると、ここでは、1Euro =1.359 $(6月23日)(Ex3)なのに対し、パリ空
港では、1 Euro=1.375
$+コミッションが取られ、パリ空港はより不利なことが分かる。
4 車とカーナビ
車は、協和海外旅行社を通じて、Hertz社でB型のマニュアル車の予約をお願いした。車種は、
Ford社のFiestaであった(Ve1)*)。借りた場所は、Nice空港で、返却場所は、Marseille空港で、
期間は、22日間(6月4日午前から26日の午後)と勘定される。乗り捨て料は不要で、Hertz会員
として10%の割引があり、TAX19.6%を加えて、合計837.35 Euroであった。実際には、現地で、
必要なあらゆる保険に入り、後
日、147 350 円が、カードから引き落とされた。走行距離は、覚えやすく4321
kmであった。
車は、マニュアル車で、左ハンドルで、初日の最初10分間ぐらいは、違和感があるが、その間、
「右、右」と頭の中でつぶやけば、後は、マニュアル、右側通行は、苦にならない。右手でギアを
操作できるので、むしろ左ハンドルの方が都合がよい。一番困るのは、急な坂で、坂道発進
しなければならないときに、後ろの車が、ピッタリ付けている時である。今回旅行したところは、
山が迫っていて、急斜面の多いところであったが、田舎で、通行量が少ないので、それほど
困ったことはなかった。ジーゼル油使用であり、燃費(高速道路を使うことも多かったが、約21
km/L)
は良いが、オイルは日本に比べて大分高い。写真(Ve2)にあるexcellium dieselとdieselの違いは
良く分からないが、大体dieselは1.22 Euro/L(1 Euro 112円として137円/Lで、日本と比べて大分高い。
高速料金が日本より大分安いから、結局は日本の方が少し高いことになるのだろう。「鉛なし」
(sans plomb)が、日本のレギュラ―に相当する。
*)車 この写真はカマルグ地方のD37に面した展望台から、強風の中で撮ったものである。
写真(204Ca6)に同じカマルグ地方で撮った、後方からのものがある。
カーナビ(GPS)
前年(2009)、ハワイに行った際にカーナビを借りて大変役立った。前年(2009)、コルシカ島で、
森で、迷って出口が分からなくなり、危険な目にあった。また、車を駐車させた場所が分から
なくなり、警官に聞くこともできず、あせったことも、1度ならずある。したがって、今回は、海外
(今回はフランス南部)でも使用可能なカーナビを是非、購入したいと思った。2月ぐらいから、
ネットで調べ米国GARMIN社の09年に発売された、日本向けのnuvi 1480が適当であることを
知る。蔵前にあるディーライズ社に行き、32 228円で購入する。画面は5インチで、画面の上に
保護フィルム(約1000円)を購入し、それを貼る。
ヨーロッパで使う場合、これに、その情報の入ったminiSDカード(Full Europe)を購入しなければ
ならない。これを、国内で購入すると、本体より高く、39 000 円ぐらいする。米国から購入すると、
100 $
ぐらいであるが、米国アマゾンから、購入しようと思ったら、何故か、日本には輸出禁止となっている。
今時、軍事物資でもないのに、米国から日本への輸出禁止のものがあることを知る。そこで、
いろいろネットで調べてみたら、香港にあるeXpansysという会社から、そのminiSDカードが購入できる
ことを知り、カード払いで申し込む〔
info@expansys.jp〕。この会社を知らず、申し込む前には半信半疑で
あったが、他に方法もないので、申し込んだが、後で聞くと、よく知られている信用のある会社だそう
である。値段は9950 円で、送料が2000円で、計11 950円で、注文
後10日程度で無事届いた。
フランスの訪問都市を予め入力したいと思ったが、日本に居ながら、場所名を入力するには、
ネットで、緯度、経度を調べて、それを入力する以外の方法は分からなかった。それでも、
実際に現地に行って、いろいろな使い方が分かり、大変、役立った。これは、歩行の際にも
使えるので、駐車させて外に出た際、駐車場所を見つける際にも使用した。
フランスなど海外では、車から離れる際には、車の外から見えるところに貴重なものは、
置かないのが鉄則なので、カーナビは、いつも、取り外して持参した。フランスではカーナビは
あまり普及していないようであったが、装備している場合、車を離れる場合は、皆さん外して
いるようであった。
車に装着する場合、日本の自分の車では、片面に接着剤のついた金属平板を、半永久的に車体に
付け、それに、吸盤方式の支柱を取り付けるようにするが、今回フランスでは、レンタカーなので、
そのようにできないので、吸盤をフロントガラスに取り付けた。本体は、支柱から簡単に取り外しが
可能である。太陽が当たって高温になっても、この吸盤が取れることはなかった。日本では、
フロントガラスに装着するのは違反だそうであるが、海外では、問題ないとのことである。
今回、カーナビ使用により、従来、道探しなどに費やしていた時間を無くすことができて、大変役立ち、
今まで、カーナビ無しでよくも旅行していたと感じた。
高速道路も有料の所が多いが、日本の半分ぐらいの値段である。高速道路で、渋滞することは
ほとんどなかった。ニースやトゥーロンの街中を、夕方6時ごろに通過するときは、渋滞に巻き込まれる
ことが多かった。写真(Ve3)は、夕方、ホテルに帰る際、ニースの町に入る手前で渋滞に巻き込まれた
時のもので、この右端にあるのがGPSである。ピンク色の線がこれから通る道を示し、到着予定時刻
(19:47)が出ている。3.2 km
先のIle de Beaute(麗しき島:ニースに近いコルシカ島の別名)広場を右折との表示も出ている。
3.2 kmは少なくとも、渋滞が続くと考え、すぐ先で、山へ登る道に入った。そう
すると、そこから、道路の変更を音声で知らせ、新しい道を探索してくれる。大変便利で、
これからの車旅行では欠かせないと思った。なお、道路標識に見える“Nissa”という語は、
プロヴァンスの方言である。道路標識に書いてあるくらいなので、方言を話す人も多いのだろう
と想像する。
5 食事
南フランスの、海岸近くにホテルをとった理由の1つは、肉類が苦手なこともある。
したがってレストランで食事をするときは、海鮮料理を主に、それも日本では、あまり
食べられなかったり、高価であるものをとった。特にムール貝は、安く、小さなバケツ一杯
出てくる(Am1)。これが1人前で、我々には、量が多すぎるので、通常、2人で分けて食べるが、
現地の人などは、ご婦人でも、1人で、平気で平らげている。しかも、これには通常、山もりの
フレンチ・ポテトがついてくるし、フランスパンは、どの料理にでも、食べられるだけ付いてくる。
ヨーロッパ人とは胃の大きさの違うことが良く分かる。ムール貝の、茹で方は、塩だけのシンプルな
ものから、ハーブを入れたものなど、数種類ある。ムール貝は、ナイフとホークで食べるより、
1つの貝殻のとがった端で、貝柱を取って、貝殻を匙代わりに使って食べるのが、一番食べやすい。
最後に手を洗うように、1/4程度に切ったレモン片(citron)が付いてくる。値段は、10Euroぐらい
前後で、安い。
この時期(6月)でも生ガキがある。Rの付かない月は食べてはいけないという諺があるが、
フランスでは、夏でもメニューに載っているので、いつも食べていたが、今回は、2度目に、
イエールで食べたとき(Am2)、古かったのか、中たり、2日ぐらい、ほぼ絶食(飴とバナナだけ)したが、
元気に動きまわれた。しかし、それ以後は、今回、生ガキは食べないことにした。普通、生ガキが
出される時は、氷の上に乗せられているが、これは、そういう配慮がなされていなかった。
野菜類は、この地方の名物のサラダ・ニソワーズ(salade nicoise;ニース風サラダ)(Am3)が好物なので
、ほぼ毎回取った。
正装して入らねばならないようなレストランは別として、リゾート地の気楽なレストランでは、
フランスで普通のコース料理(オードブル―メイン―デザート―コーヒー)を取らない人も多いようで
ある。回りを見ていると、カードで払って、チップも小銭(1-3 Euro)を置いておく程度で、良いようである。
サービス料が、勘定に含まれて いる場合も多い。しかし、日本人にとっては、チップの適当な額は、
いつまでたっても分らない。
このワインの名産地方を旅行してワインを飲まないのは、大変無粋なことであるが、今回は、止めにした。
止めた主な理由は、アルコール度数が比較的高く、際限を知らずに飲めてしまうので、健康に良くない
と思うからである。その代わりビールにした。ビールはアルコール度も約5%と低く、飲むに従って不味く
なり、自然に止まるからである。
6 花
この地は、フランスで、最も温暖なので、花が美しく、大規模に生育させている。
ひなげし(コクリコ)は、雑草だそうであるが、日本のそれとは違い赤く、群生していて
美しい(Fr1)。これは、エクス・アン・プロヴァンスから、シルヴァカーヌに行く途中で出会った
もので、コクリコはあちこちにあるが、ある程度群生しているものは、そう多くない。ラヴェンダー*)
の花はセナンクの修道院のものが、よく写真に出ているが、そこは、まだ時期が早すぎた。
ゴルドからの道をルシヨンに入るD102号に入ったところにラヴェンダー畑があり(Fr2)、
通りかかる人は車をしばし止めて眺めたり写真を撮っていた。それと並んで、紫の花をつけた
草の畑が広がっている。花の名前も分らず使途も分らなく、花に匂いもない。後で調べたが、
名前は、結局分らなかった(Fr3)。個々の花は、写真(Fr4)のような様子をしている。プロヴァンス
のひまわりは、ゴッホの絵の影響もあってかよく知られているが、ひまわり畑を見つけるのは意外と
難しい。今回も、アルルとフォンヴィエイユの間の道で見つけた。前回見たときは、太陽が大変強く、
花が太陽と逆の方向を向いていたが、今回は、普通に太陽の方向を向いていた(Fr5)
グルドンの周りの山などには、名前の分らぬ黄色い花が山全体に群生している(Fr6)。
近くで見ると(Fr7)のようである。
*)ラヴェンダーについて 帰国後、ラヴェンダーについて、少し調べて、いままで、単純に考えていたが、
少なくとも2種類あることを知った。現地在住の方が、ネットに書かれているので、確かなものと思う。
http://petit-marche.biz/corres58.html
普段我々が「ラヴェンダー」と呼んでいるのは、フランス語では、「lavindin(ラヴァンダン)」という。
これは野生の「L’aspic(アスピック)」と真性ラヴェンダー「lavande fine(ラヴァンド・フィン)」を交配してつ
くられたものである。一方、ラヴァンド・フィンは、香りも上質で、エッセンシャルオイルを作るのに適して
いるが、標高の高い所(プロヴァンス地方では、600-700 m以上)に生えるので大量生産には向かない。
それで、この交配種のハイブリッド種ラヴァンダンが、よく目にするブーケになったり、小さなsachet
(サシェ;香袋)になったり、石鹸やクッキーなどに混ぜて使われる。
7 プロヴァンスの定義
プロヴァンスという語はよく使われるが、どの地方を指すのか厳密には、よく分らなかった。
それで、調べてみたら、ネットに明解な説明があった。
http://salut3.at.infoseek.co.jp/basic/provence01.html
プロヴァンスという名称は、ローマ帝国時代の属州だったことを示す「プロウィンキア(Provincia)」
に由来する。また「旧プロヴァンス地方」は、中世における「プロヴァンス伯Comte
de Provence家の
領地が基本になって
いる。
プロヴァンスは、今日の行政区分において、プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏Region
Provence-Alpes-Cote d’Azur(Mp1)に包括されていて、その頭文字を
取ってPACAあるいはPacaとも表記される。Pacaは、6県で構成され、それぞれに、県庁所在地がある。
・ヴォークリューズ県(Vaucluse);アヴィニョン
・ブシュ・デュ・ローヌ県(Bouches-du-Rhone);マルセィーユ
・ヴァール県(Var) ;トゥ―ロン
・アルプ・マリティム県(Alpes-Maritimes) ;ニース
・オートゥ・プロヴァンス県(Alpes-de-Haute-Provence) ;ディーニュ・レ・バン
・オートゥ・ザルプ県(Hautes-Alpes) ;ガップ
8 フランスの最も美しい村
質の良い遺産を多く持つ田舎の小さな村の観光を促進するために、1982年に設立された
協会である。選考基準は、次の4点である。(フランス語版ウィキペディアの翻訳)
・人口が2000人を超えないこと
・その村の議会の認めた加盟要求の提出
・歴史的あるいは記録に残る最低2つの場所あるいは建造物を有すること
・都市計画において実行されねばならない景観保護の政策が施行されること
2010年6月21日現在、154の地方が、加入している。そのうち、今回、訪問したのは、
次の5つで、ルールマランは、観光案内所に立ち寄っただけであった。
・レ・ボー・ド・プロヴァンス(Les Baux-de-Provence)
・ルシヨン(Roussillon)
・トゥールトゥール(Tourtour)
・ゴルド(Gordes)
・メネルブ(Menerbes)
Gordesを除いて、人が適度に少なく、良い田舎の雰囲気のあるところと思ったが、
ここに加入していない所でも、観光に良い村は沢山ある気がした。なお、ゴルド村長は、
この協会の現会長である。
9 その他
(道端の果物販売店)
田舎を車で回っていると、特に、この地方では、ワインのシャートーがあって、ワインを
試飲させてくれたり、販売しているところが多い。フランス政府観光局では、
“Invitation to travel the wine routes of France”というパンフレットをくれて、それには、
フランスの地図の上に、主な、ワインの産地の記入がある。しかし、運転しながら、ワインの
試飲もできないし、購入しても、飛行機に乗せるのも昨今は面倒なので、シャト―には
立ち寄らなかった。 また、ところどころに生産者が、果物を販売するテントなどの店を
出しているところがある。特にこの季節には、サクランボが安価に購入できる。写真(Et1)には、
ポン・デュ・ガール近くの道端の店を示すが、3 Euro/kgであった。街の多くのマーケットでは、
4-5 Euro/kgしていたようなので、安価である。空港の電源サービス 空港で待つ時間に
自分の持っているコンピューターを使いたいことがある。電源のサービスが、パリの
シャルル・ドゴール空港(Eターミナル)の待合室の、端の椅子の後ろにあることが(Et2)、
他の人が使っているのを見て初めて知った。