3. バスツアー参加:内陸のランドマンナロイガルへ

 レンタカーを借りる前に、バスツアーに参加して、道や運転に慣れることを計画し、場所は、レンタカーでは行けないランドマンナロイガル(Landmannalaugar)(Mp3)に決めて、日本で申し込む(www.tour.is)。1人、昼食なしで13,500 IKである。ジープだとさらに高い。6月18日―9月16日の間、月、水、金に行われるので、6月25日(水)に参加できるように全体の旅程を予め決めていた。
 8時10分に、ミニバスがホテルに迎えに来てくれる。乗客は、15人ぐらいで、50歳代の男性が、運転と説明をしてくれる。運転手のすぐ後ろの席が空いていたので、そこに家内と座る。郊外の制限速度は90 km/hである。明日からの自分の運転に備えて、道路状況や、運転の仕方などを注意して見る。レイキャヴィークを出て、まず1号線を東に向うが、30分ぐらいで、左手の、数箇所に、湯煙が上がっているのが見える(Ld1)。多分、ネーシャヴェトリル(Nesjavellir)の地熱地帯であろう。一帯には10-12個の試錐孔があり、地熱発電所があり、レイキャヴィークの昨日行ったペルトランへはパイプライン(50 km)で湯が輸送されている。ペルトランでも、97 oCが保たれているそうである。
 セルフォス(Selfoss)に9時25分に着く。ここからしばらく行き、1号線から北東に入る30号線に入る。また、しばらく行き、東に向う32号線に入り、アルネス(Arnes)という休憩所に来る。このツアーには昼食は付いていないので、ここでサンドイッチを購入する(855 IK = 1147円)。ここを、10時25分に出る。やがて右手に、直線距離で約2 km先のヘックラ山(Helka 1491 m)が見えてくる(Ld2)(これは西側からの写真で、後で北側からの写真をLd22に示す)。手前に見える川はショルサ川(Tjorsa)である。イェルパフォッス(Hjalparfoss)という、2手から落ちる滝の前で10時40分から20分間止まって滝を見る(Ld3)。昔、馬で内陸に来た人が、この地が「救い」になったので、hjalpar(=help)から名前が由来しているそうである。なお、アイスランドの170の滝のいろいろな角度からの写真の出ているサイトがある。この旅行中、自分はせいぜい1割しか見なかった。(http://www.flickr.com/groups/icelandicwaterfalls)。
 次に、そこから7 kmほど行ったストインク(Stong)というところに昔の農家(Ld4)を再現したものを見に行く。これは、1104年にヘックラ山が大規模な噴火を起こし、火山灰で埋もれてしまったものを1939年に考古学者が発掘し、サガ時代のこのヴァイキング様式の農場を発見する。それを1974年にアイスランド定住1100年を記念して、忠実に再現したものである(Ld5)。中で、当時の暮らしなどを説明してくれる。ここには、沢山の人が暮らしていたそうである。下は、土間になっていて、壁際には、50 cm程度の高さに積み上げた石の上に、敷布(?)を敷いたベッドがある。案内人が持参したひだら(ハドック)を、皆に食べさせてくれる。日本人には、お馴染みのものであるが、食べたことのない人もいて尻込みする人もいた。なお、アイスランドではチキンを食べる習慣は40年前までなかったと説明していた。ここに11時15分から、12時5分ぐらい迄いた。
 ここを出て、橋のない川を渡る。川を渡るのは、今回、これが初めてで、渡るところは外から写真が撮れないので、窓越しに撮る(Ld6)。後でこの写真を見たら、遠くの方に、小さな間欠泉か、噴水か分からないが、噴出しているものが見えて驚く。あれは一体何であったのだろうか。ここは水深がそうないので、何ら危険は感じないが、1984年8月10日に、東大の地質調査隊が、増水した川を渡るのに失敗して、3人(2人の助手と1人の従兄弟の学生)の犠牲者が出たことは、当時からよく知っている。         
すぐ近くの、ギャウルフォス(Gjarfoss)に行く。2つ滝があるので(Ld7)、どちらが、この滝か分からないが、後で、ネットで見ると左側のものが本体らしいが、右側のものしか近くでは見なかった(Ld8)。このすぐ下流は、せせらぎが、周りの岩の色と対照をなして美しい(Ld9)。
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そこから20 kmぐらい、道路状態の悪い所を走って、内陸では唯一のゲストハウスのフレインエイヤル(Hrauneyjar Highland Centre & Hotel Highland)に、13時に着く。着いたところで、隣にいた女性(写真Ld2に写っている)が、最後の場所にカメラを忘れてきたと運転手(=案内人)に言う。もう少し早くに言えば良いのにと運転手も言っていたが、遠慮していたらしい。運転手は親切にも、その女性を連れて引き返す。皆が昼食中、1時間弱で、戻ってきてカメラは見つかったという。人が、少ないのか、泥棒がいないのか分からないが、この運転手の親切さを含めて、流石に泥棒のいないアイスランドと感心する。我々は、先ほどサンドイッチを購入していたので、紅茶のみを注文して、食事を取る。レストランは周りの無人の光景とは全く対照的に、町の食堂という感じの賑わいである(Ld10)。黒板に書いてあるメニューを見たら、「パン付スープ 1100 IK」「サラダバー 1100 IK」「スープとサラダ 1800 IK」「ランチビュッフェ(2コース)3500 IK」「ランチメインコース 2800 IK」などとある。日本円になおすには、約1.4を乗じればよいが、日本の値段の2倍というところか。大体の人が、パン付きスープを取っていたようである。ここを14時に出る。
次に、Hnubbafossar(読み方ははっきり分からない)と思われるものを見る。滝もきれいだが、その水は、崖の間では、青白色に見えて美しい(Ld11)。
次にリョウティポトルル(Ljotipollur)という所に行く。ここは、15世紀に噴火したヴェイディヴェトン(Veidivotn)火山列の一部であるそうで、送電線の鉄塔が立っているが、360度の絶景が展開していることが、エクスカーション参加者が皆違う方向を見ていることからも伺える(Ld12-15)。同じ地域を車で数分行ったところには、海抜572 mのフロスタスタザヴァトン湖(Frostastadavatn)がある(Ld16)。そこにギャウのようなものがあったが、聞かなかったので、本当にそうなのかどうかは分からない(Ld17)。
ここから、距離にして5 kmぐらいのハイライトのランドマンナロイガルに、川の中を渡って16時少し前に着く。この場所が、今日渡った川の中で、一番大きく、自分には渡れる自信はない(Ld18)。ここは、トルヴァヨクトル火山という古いカルデラ火山の北縁に位置している。
 駐車場に着いて約1.5時間の自由時間がある。近くを散策する人もいるが、我々は、ここの名物の川温泉に入ることにしていた。写真(Ld19)の左手に駐車場が見える。この駐車場の横には、キャンプ地があって、12-3張りのテントがあった。正面の旗の立っている横の建物が割合完備した脱衣所・シャワーになっている。ここで、水着に着替えしてから、タオルなどを体に巻いて、写真を撮っている付近にある100 mぐらい離れた簡単な荷物置き場で(Ld20)、靴やタオルなどを置いて川の温泉に入る(Ld21)。川は大きいが、暖かい水が流れ入っているところ以外は、やや冷たいので、皆、そこに集まっている。川底からも湯のでているところもあるが、暖かいところでも40 oCぐらいであろう。なかなか経験できないことで、面白かった。ヨーロッパには、こういう所は、あまりないと思う。家内と代わる代わる、10数分ずつ入って出たが、川底が角のある砂利で、早足では歩けない一方、気温10 oCぐらいの上に、風が強く、タオルを置いてある所まで10数m行くのに、体が震えるくらい寒かった。
 バスは、この地を17時30分ぐらいに出て、ヘックラ山の北側の道を西に戻る。途中、バスを止めて、撮影の機会を与えてくれる(Ld22)。山まで、直線で10 kmの距離があるが、少なくとも20回は爆発して、近隣に多大な被害を与え続けている山とは思えない。最近では2001年2月26日に爆発し、この時は、30分前に警告が出せた。
 26号線に出て、ちょっと南下したところで、Trollkonuhlaupという滝を見る(Ld23)。この川は、朝も見たショルサ川である。この後、26号線が1号線にでるところで、1度休憩して、レイキャヴィークに、20時ごろ戻る。参加する価値が十分あるツアーであった。この国はチップはいらないと聞いていたし、誰も払わなかった。
写真説明
Mp3 ランドマンナロイガルツアーの領域
Ld1 1号線のバスから見るネーシャヴェトリルの地熱地帯
Ld2 バス(32号線)から見るヘックラ山とショルサ川
Ld3 イェルパフォス
Ld4 ストインク内の説明
Ld5 ストインクの外観
Ld6 車の川越;熱水の噴出らしいものが偶然見える
Ld7 ギャウルフォス
Ld8 ギャウルフォス
Ld9 ギャウルフォスの流れ
Ld10 フレインエイヤル・ハイランド・センター食堂
Ld11 Hnubbafossarの滝
Ld12 リョウティポトルル;360?に展開する絶景で、皆違う方向を見る
Ld13 ヴェイディヴェトン湖
Ld14 リョウティポトルル湖
Ld15 リョウティポトルル湖
Ld16 フロスタスタザヴァトン湖と案内人
Ld17 ギャウか単なる割れ目か?
Ld18 ランドマンナロイガル直前の川越中
Ld19 ランドマンナロイガル;遠方左手が駐車場、旗の向うが脱衣場
Ld20 当地名物の川温泉(湯煙の所)のタオル置き場
Ld21 川温泉;左手から入る熱い湯の流れに沿って人が集まる
Ld22 北側(225号線)から見たヘックラ山

Ld23 トコールコヌーラウブの滝