CANADA1−1
■バンクーバー(Vancouver)地区
いつもは、約3ケ月前にホテルの予約を完了するが、今回は、やや遅れて、予約が終わったのは、丁度出発2ケ月前の4月20日ごろであった。バンクーバーで特に見たいものは無かったが、日本からは一番近く、馴染みの深い地なので、立ち寄ることにする。バンクーバー島も、面白いという話を聞くので、島と、バンクーバー市内、それぞれ2泊ずつとする。自分は、なるべく同じホテルでの2連泊を原則にしている。そうすると、2日目はホテルを探す時間が省略でき、遅くなってもホテル側も心配しないでいれるので、行動する時間が大幅に延長でき、2日目には、タオルやシーツ類の交換なども要求しないようにしているので、エコロジーの立場からもよいであろうし、ホテル側の収益も上がるはずである。団体旅行の宣伝を見ていると、2連泊を、「驚異の2連泊」と表現しているが、思わず笑ってしまう。西洋人はバカンスで旅行する場合、普通1週間ぐらい同じ所に滞在するから、1泊で次から次に移り歩いている日本流のやり方は、彼らには「脅威の(たった)1泊」と感じるはずである。バンクーバーは大都市というイメージがあったが、人口は60万人弱でカナダで6番目の都市であり、かなり北に位置していると思っていたが、北緯49度16分で、ロンドン(51度28分)より南で、コペンハーゲンの55度43分よりかなり南に位置する。

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●トフィーノ(Tofino):バンクーバー島の西海岸の、太平洋に面する町
バンクーバー地区の地図を眺めて、ここで2泊することに決めたが、結果的には、あまりよい選択ではなかった。この地の一番の売りはホエール・ウオッチングであるが、それは、我々の船酔いの心配のために最初からするつもりはなかったが、「大自然が周囲に広がる町で、のんびりしたところである」というところに引かれたからである。そのことに嘘はなかったが、よい選択ではなかったというのは、バンクーバーや、この島の一番行きたいビクトリアのブッチャート・ガーデンから、あまりにも距離があることを十分認識していなかったからである。6月21日の15時にエアー・カナダ航空で成田を発って、バンクーバー空港に着いたのは、同日の定刻午前10時であった。当地は、16時間遅れているから、日本時間では、22日の夜中の2時ということになる。日本にいれば、就寝時間とそう変わらないので眠くはないが、到着後、ドライブするので、なるべく機内では寝ることにする。機内では、いつもよく寝られないが、3時間ぐらいは、寝られた気がする。空港に着き、換金とこれから行く主な都市の地図(バンクーバー、トロント、オタワ、モントリオール、ケべック)を購入する。都市の地図はあったが、それらの途中の道路の地図はなかった。AVISで車を借り、島へのフェリーの出るホーシュー・ベイ(Horseshoe Bay)まではかなりの距離があり、AVISの受付が混んでいたり、市内で案の定、道に迷って、予定していた12時30分発の便には間に合わなくなることが分かったので、次の15時発のフェリーに乗ることにする。フェリー乗船中は車の保険はかからないと予め言われていたが、仕方がない。1時間半の航行で、対岸のナナイモ(Nanaimo)に16時30分に到着する。ほぼ満車であったが、乗客席はかなり空いていた。そこから、約100 kmのトフィ−ノの宿(CedarStreet Guest HouseというB&B)には2時間弱かかって18時半に着いた。ナナイモからトフィ−ノへは島を横断することになるが、道中は終始、常緑樹の森林であり、気持ちが良いが、風景としては、代わり映えのしないものであった(To1)。翌日は、ビクトリアに往復する予定であったが、距離もあるし、家内も、風邪を薬で抑えていて無理をしない方が良いし、天気もよくないのでトフィーノの近くで1日のんびりすることにする。北に温泉があるが、6-7時間のツアーに参加して船で行き、しかも1時間半も歩かねばいけないとのことで、参加するのは、とうてい無理で、トフィーノ近隣だけを見ることにする。トフィーノに来たのは、太平洋も見たかったこともあるので、海を見ないのも、もったいないので、海岸にも行ってみる(To2)。この真夏に、泳いでいる人は勿論、日光浴さえしている人さえもいなかった。町には、津波の避難路の表示があるので(To3)、後で、ネットで調べたら、1964年に大アラスカ地震があって当地では、1.2mの高さがあったが、バンクーバー地区の死者は無かったと書いてある。

●ブッチャート・ガーデン(The Buchart Gardens):日本庭園もある有名な庭園
バンクーバー島をわざわざ訪問した主な目的は、このブッチャート・ガーデンを見ることであった。1904年に、セメント王といわれたロバート・ブッチャートの妻のジェニー・ブッチャート(Jennie Buchart)が、石灰岩の石切り場の採掘跡を庭園にしたのが、始まりであるそうである。翌々日の6月23日は、トフィーノを出て、ビクトリアのブッチャート・ガーデンを訪問した後、本土のバンクーバーに移ることにする。ビクトリアまでの距離は、340 kmもあって、予定を立てる段階で考えていたより大分長く、朝8時30分に出たが、着いたのは、14時40分であった。ブッチャート・ガーデンは、期待していただけあって美しい花に満ち溢れ、日本庭園もあり、土曜でもあるので、観光客もいっぱい来ているし、日本人団体観光者も多い(Bu1)。世界中から集められたバラ園が、盛りで美しい(Bu2,Bu3)。日本庭園の由来については、英語で説明が書いてある。後でネットで調べたら、岸田伊三郎という庭師がカナダに5年間滞在している間に、この日本庭園を作ったそうで、苗木には横浜最大の植物商社の横浜植物会社の苗木を用いて1906年に開園した。入り口に鳥居があり、家内が、日本人の方から、シャッターを押すように頼まれたので、その際に、写真を撮る(Bu4)。入り江(Brentwood Bay)にも近く、庭園とは、ちょっと違った景色も見られる(Bu5)。携帯で撮った写真を見せて、花の名前などを聞いたり、園芸相談などができる案内所が、特別に設けられているのは、大変、親切である。青色の芥子の花の咲いている庭園がよく分からなかったので場所を聞きに行く。見過ごしていたが、日本庭園の中にあると聞き、再度見に行く。展覧会で見たネパールのものほど色は濃くないが、確かに青色である(Bu6)。浜名湖花博(04年)にあった「青いバラ」はどうみても、白かったことを思い出す。ビクトリアは他にも見るところがあるが、ダウンタウンまで約20 kmもあるし、家内の体調のことも考えて、他は、見ないで、バンクーバーに早めに帰ることにする。今度は、島の西の先端に近い、ビクトリアからも近いスワ―ツベイ(Swartz Bay)から本土のトゥワッセン(Tsawwassen)に行く17時発のフェリーに乗る。往きに乗ったフェリーより大分混んでいた。フェリーは1時間45分かかり、そこから、市内のやや西に存在するホテル(Happy Inn)に、約1時間後に着いた。途中迷うことはなく、混んでもいなかったが、意外に時間がかかり、この町の大きさを実感する。市内のホテル(Happy Day Inn;2人1泊朝食付12,800円)は、協和海外旅行社さんのホームページ(gta:ガリバーズ・トラベル・アソシエーション)を通じて予約してあり2泊する。後になって、知ったが、カナダのホテルは、どこも、室内で喫煙すると100 $(あるいは、200 $)を払わねばならないという、表示が出ていたが、ここでは、部屋に入ったら、たばこの臭いがしていた。たまたまのことで、ホテルが悪くはなく、先客が悪いのであろう。今回の旅行では、このサイトで、他に、トロント、ナイアガラ・フォールズ、モントリオールと、計5泊利用したが、いずれも、予約も簡単・確実で、価格も割安で、当時の円安の折に円で支払えるのも有難かった。

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●ウィスラー(Whistler):次期冬季オリンピック(2010)の主要会場
バンクーバーの北120 kmに位置するウィスラーは、郊外の見所としては一番有名であり、スキーの場所として知られ、2010年のバンクーバー地区での冬季オリンピックでも、アルペン種目、ノルディック種目などの会場となることが決まっている。 6月24日(日)は、ウィスラーに行く。途中にバンジージャンプをする場所があるが(Wh1)、すこし、中心から離れているせいか(ビレッジから南に13.5 km)、あまり人気がなく、見物者は我々だけである。落差は50 mで下にはチャカムス川(CheakamusRiver)が流れている。発祥の地のニュージーランドのものに比べると大変寂しい。見物者がいなければ、飛ぶ方も飛び甲斐がないであろう。川に沿ってバンクーバーからの鉄道が走っている(Wh2)。途中で購入したサクランボを、急流で洗って食べる。 ビレッジ近くに、アルタ湖(Alta Lake) (Wh3)などがあるが、後に行くカナディアン・ロッキーの多くの湖と比べると平凡である。ビレッジと称する中心部(Wh4)にある案内所に行って付近の地図をもらうが、下調べをしてなかったので、何処へ行ってよいか分からない。天気があまりよくないせいか、観光地特有の華やかさがない。やはり、ここはスキー場で、冬に来るところであろう。山に行くゴンドラが運行しているが、山は、これから行くカナディアン・ロッキーで見られるので、行かないことにする。夏は、特に見るべきところもないと判断し、バンクーバーの町の近くにあるカピラノつり橋(Capilano Suspension Bridge)を見に行くために、早めに切り上げる。 カピラノつり橋は、カピラノ川(Capilano River)にかかる134mの橋で高さが約70 mある。この橋を挟んで森林公園になっている(Ca1)。入場料は、大人26.95$、シニアー24.95 $と割合高い。中では、案内付ツアーも行われていたが(Ca2)、それには参加しないで、先に行く。つり橋は見事である(Ca3)。その先に森林があるが、その大木の間に、つり橋をかけてあり、空中を歩くことができる(Ca4)。今まで、このような趣向のつり橋は、見たことがなかった。 同じホテルで、もう1泊し、翌日は、バンクーバー空港11時発なのだが、朝は5時ごろに目が覚めてしまう。ホテルを7時50分に出て、8時30分に空港のAVISに車を返す。何も問題は、無かった。 バンクーバー地区は、計画の失敗、調べ不足、家内の体調不良などで、ほとんど見ることができなかった。自分にバンクーバー地区の感想を語る資格はない。
写真説明
● トフィーノ
To1:ナナイモからトフィーノへの道路の典型的風景
To2:海岸(太平洋)風景
To3:津波誘導路の表示

●ビクトリア
Bu1:日本人にも人気のブッチャート・ガーデン
Bu2:バラ園
Bu3:ダイアナ妃のバラ(1997年は、事故死の年)
Bu4:日本庭園
Bu5:ブッチャート・ガーデンからの一風景
Bu6:青い芥子

●ウィスラー
Wh1:ウィスラーのバンジ―ジャンプ
Wh2:チャカムス川と鉄道(バンクーバー?ウィスラー間)
Wh3:アルタ湖
Wh4:ウィスラー・ビレッジ

●バンクーバー
Ca1:カピラノつり橋公園
Ca2:垣間見たガイド付ツアー
Ca3:カピラノつり橋
Ca4:巨木の間をつなぐ空中橋