CANADA2−7
●ジョンストン渓谷(Johnston Canyon)
ガソリン補給後(10時54分)、次に、バンフから比較的近いジョンストン渓谷に行く。土曜であることもあって、駐車場が満員である。駐車場以外の道端に留めているものもあるが、駐車違反にも厳しい国と聞いているので、それもまずいので、渓谷見物から帰ってきて車を動かす人を待ってみるが、そう決めるまでに時間を食う。それからは、10分は待たずに、駐車できる。待っている車も多いので、自分の目をつけた付近の人が戻ってこなければ、駐車できないので、順番に待つ行列のようには確実性がない。12時00分ごろ、歩き始める。渓谷は日本的風景であると案内書に書いてあるとおり、日本でもどこかで見たような風景であり、多くの人が歩いている(Ba109)。標識にMIとあるのは、マイル(1 mile=1.6km)のことであろう。カナダでは、メートルとマイルの両方を使うことを知る。ゆっくり歩いて25分ぐらいかけて、0.8 km先のロウアー滝(Ba110)、さらに1.6 kmでアッパー滝(Ba111)というので、そこまで歩く。途中で、持参した昼食を取る。餌をやるなという看板にもかかわらず餌をやる人がいるらしく、シマリスが多くいる。人も多いせいか、数日前に見たマリーン渓谷のような自然はあまり感じられず、日本の都会近くの観光地のような雰囲気である。ここも、中国人が多い。14時にジョンストン渓谷の駐車場を出る。近くで待っている車に、すぐ出る旨合図したら、喜んでいるようで、こちらもゆっくり出発できて、お互い気持ちが良い。外に出たら、駐車場はさらに混んで、道路上も、違法駐車(?)で溢れていた。カナダ旅行を通じて、駐車場が満員で待たねばならないのはここだけであった。土曜であり、道が平坦で家族連れでハイキングできる場所であるからであろう。

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Ba109
Ba110
Ba111

●クートニィー国立公園(Kootenay National Park);山火事跡とペイントポット(Paint Pots) 
表街道を外れていて、ほとんど団体旅行は行かないというクートニィー公園に行ってみる。しばらく行くと、分水嶺の看板(Ko1)があるので、また、前日のようなドラマがあるのかと思って、登って行く。10分ほど歩いても、それらしきところは、見当たらない。戻ってくる人に聞いたら、ここは、山火事跡を見る場所で(Ko2)、ここには分水嶺に相当する川などは特に無く、看板に出ているのは、一般的な意味での分水嶺だという。あまり納得もできないが、あるという情報も持ってないので、がっかりして戻ることにする。ここも、アルバータ州とブリティッシュ・コロンビア州との州境になっている。確かに、山火事跡は、この道路一帯に、年代別に(例えば、1968, 2001, 2003年など)、あちこちあるが、写真にとっても絵になる風景でもない。2003年は乾燥した夏で、2つ山火事があり、クートニー国立公園の12.6%が焼けたそうである。もらったパンフレットには、その利点が列挙してある。曰く、「密生した古木を間引き、死んだ木、枝、葉を一瞬にして肥料にしてくれ、森が生き返り、新しい木が急速に成長し、鳥の歌声が聞こえ、野生生物の生活が戻る」のだそうである。「焼けた立ち木は、昆虫の棲家になり、啄木鳥や、小動物に餌を与える。もうすでに(2007年)、そこには、新しい森が生まれている。ただ、トレイルを歩く際には、焼けた木が崩れ落ちてくることがあるから注意せよ」とも書いてある。そして、さらに観光名所になっているとは、さすがに書いてはなかった。日本だったら大災害と思うのだが、山火事の利点を見るのは初めてで、さすがカナダは大きいと、つくづく感心する。 さらに、道を進み、15時30分にペイント・ポット(Paint Pots)入り口に着く。ここは、土が酸化鉄に富むことから、先住民が、それを色素として使っていたそうである。しばらく歩いていくと、土が赤褐色をしている場所があり、また水溜りになっているところもある。これは、雨水ではなく、湧き水によるものとのことで、深さは、もぐりこむかもしれないが、そのことを考えなければ踝ほどもない。泥水なら濁っているはずだが、澄んでいるので、そこに山の姿を映して見ると奇麗に、しかも色が変わって、黄色に見える(Ko3)。こういうものは今まで見たことがなかった。行き違った白人の夫人は、顔に泥で化粧して、にこにこ笑っていた。歩道は、終点まで行くと30分ぐらいかかるらしいが、20分ぐらいのところで、すでに一番の見所は見たと考えたので、引き返す。見に来ている人は、極めてわずかである。道端の草木を見ながら歩いていたら、赤い実が、葉を貫通する手品のような状態のものがある(Ko4)。病気なのか、自然の状態なのか分からないが、不思議な状態である。 駐車場に戻ってきたら、すでに16時30分に近い。この先の主な見所のラジウム温泉や、フェアモント・ホットスプリングス・リゾートまでは60 km以上あるし、温泉はすでに2つ見ているので、ここで、バンフに戻ることにする。

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●フードゥー(Hoodoos):不思議な形の石柱 
カンモアから見て、カルガリーより先の、カナディアン・ロッキーとは反対側にあるバッドランド(Badland)に、きのこ状の砂岩の柱があり、写真によく出ている。ちょうど、オーストラリアのピナクルズの柱をちょっと大きくした(数は数本であり、無数のピナクルズとは比べられない)ようなものがあり、そこに行くつもりであったが、カルガリーからも遠いので、カンモアから行くのは無理と考えていた。それと同じ名前の岩が、バンフの近くにあることを、自分が、大分水嶺に行っている間に家内が調べていてくれたので、そこに行くことにする。フードゥという名前は、先住民の言葉で、このような巨岩を指すことが想像できる。 途中、行きに通った山火事跡を再度見たりして、バンフの郊外のフードゥーには、17時40分に着いた。岩は、急斜面の崖の中途にあり、自分1人だけで、近くまで、降りていってみる。近くまで、行ったが(Ba112)、景色は、むしろ遠くからの方が良いことが分かる。下に流れているのは、バンフで何度か見たボウ川の下流で、一帯をボウ谷(Bow Valley)という(Ba113)。観光客が、フードゥーまで降りていくことを想定していないので、道らしい道がない。手袋をうっかりこの時は持っていなかったので、棘のある木に捕まることが出来ず、滑って怪我でもしたら大変なので、慎重になり、登って戻るのにはちょっと難儀する。中国人の若者2,3人が、同じようなコースで付いてきたが、岩に、近づく前に、引き返していったので、ちょっと心細くなる。ここに50分ぐらいいて、最後の訪問地のバンフのフェアモント・ホテルに行く。18時45分に着く。見に来る人が多いらしく、駐車場は有料で、3$であるが、小銭がなく、近くに交換してくれる所も無い。仕方がないので、私が、車中で待って、見たい家内だけが見に行く。ここも、前述の「白い滑走路」の舞台なので、家内が是非見たいと言っていたところである。駐車場から写真を撮ったが、ここも大変立派なホテルである(Ba114)。家内は、20分ぐらいで帰ってくる。入り口で、入場者をチェックしている人がいたので恐れをなして、建物には入らなかったそうだ。 そこから、50分かかってB&Bに、19時55分に戻る。ちょっと時間がかかったのは、カンモアに入って、違う道を通って、町で多少迷ったためである。食事後、町で買い物をしたり、散歩したりする。町に湖があり、散歩道もある(Ba115)。3泊もしたのだから、もう少し町を見ても良かったと思う。

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●カルガリー出発:カナダ・デイ
7月1日、7時15分にB&Bを出る。朝食を取らないと前の晩に言っていたら、弁当を作ってくれていて有難かった。主人が送ってくれる(Ba116)。空港までは、ほぼ迷わず行くことができた。日曜かつカナダ・デイで、渋滞は全くなく、町も店などが閉まっていて、町の様子はほとんど分からなかった。空港には、9時ごろに着いて、時間があるので、絵はがきを書いたり、お金を引き出したりする。シティバンクのカードを使えるATMもある。そのうちに、カナダ・デイなので、空港の中でも、バンド演奏などが行われた(Ba117)。トロント行きの便は、当初11時発の予定が、11時30分になっており、実際は12時ぐらいになった。 妻の病気などもあり、バンクーバー地区は、あまり見ることが出来なかったが、C.R.地区は、6泊で、表面的ではあるが、ほぼ主要な見所は、見ることができ、十分に自然を堪能できた。 これに引き続く東部地区の旅行記(「カナダ旅行(後編):東部地区」)は、分けて書かせていただく。
写真説明
●バンフ地区
Ba109:ジョンストン渓谷入り口標識
Ba110:ロウアー滝
Ba111:アッパー滝
Ba112:フードゥーの奇岩
Ba113:フードゥーとボウ渓谷
Ba114:バンフ・フェアモントホテル
Ba115:カンモアの散策道
Ba116:見送ってくれるB&Bのホスト
Ba117:カルガリ空港内の演奏

●クートニー国立公園
Ko1:コンチネンタル・ディバイドの看板
Ko2:山火事跡も観光の名所
Ko3:ペイント・ポットの黄色い水鏡
Ko4:ペイント・ポットの湧き水
Ko5:葉を貫く不思議な実