ヴェッキオ橋(Ponte Vecchio

 アルノ川は、有名な都市を流れる割には、あまりムードのない川で、パリのセーヌ川など
とは大違いで、ほとんど観光の対象になっていなく、船も見えないし、岸を散策する人も
ほとんどいない。ヴェッキオ橋を渡る際に一瞥するくらいで、橋の上の人も川の方向を
見ていないことからも、そのことがよく分かる。つまり、この川は、この橋で、一番、
観光に貢献しているように見える。

 ヴェッキオとは、古いという意味で、Firenze最古の橋で、現在のものは、1345年に建てら
れた。第
2次大戦では、ドイツ軍が、この町で破壊しなかった唯一の橋であった。文化的価値
を認めて、破壊しなかったのであろう。
15世紀には、ここに肉屋が軒を並べていたが、悪臭を
放ったので、コジモ家のフェルディナンド
1世が、立ち退かせて、貴金属・宝石商を集めた。
現在も、多くの貴金属商が並んでいるところを見ると、商いが成り立っているのであろうが、
大多数は、ショーウインドを見ているだけのようであった。橋の真中(下流側)には、ルネ
サンス期の、ヨーロッパ一の彫金師ベンヴェヌート・チェッリー二
(1500.11.3-1571.2.13)の銅像
が立っている。

画像をクリックすると大きくなります
Vc1 Vc2 Vc3 Vc4
Vc5 Vc6 Vc7 Vc8
Vc9

◎写真説明

Vc1

川岸から見たヴェッキオ橋。右岸(右手)に、ドゥーモや、ウフィツィ美術館などがある。左岸には、ピッティ宮ボーボリ庭園がある。

Vc2

ウフィツィ美術館内から見たヴェッキオ橋

Vc3

ヴェッキオ橋から上流方向を見る。従って、左側が右岸。

Vc4

彫金師ベンヴェヌート・チェッリー二の銅像。先に見えるのはヴィットリア橋。更に先に見える森は、カッシーネ公園

Vc5

橋の上に立ち並ぶ貴金属商。16世紀の終わりにフェルディナンド1世が、集めた。

Vc6

Vc7

橋の上にあるヴァザーリの回廊。ヴァザーリは、ヴェッキオ宮殿と新しいピッティ宮殿を結ぶ秘密の通路を設計した(1565)。ヴェッキオ宮殿から出て、ウフィツィの最上階を通ってヴェッキオ橋上でアルノ川を渡り、ボーボリ庭園のブオンタレンティのある洞窟まで続いている。前方、左手の回廊に塔が見える。塔の持ち主がどかなかったので、この部分は回避して回廊を曲げた。従って、こちら側を向いている丸窓からは、橋を見渡せた。 

Vc8

塔と橋を、橋の反対側(左岸)の端から見た光景。ドゥオーモのクーポラもわずかに見える。

Vc9

秘密の通路は一般には入れないが、回廊の丸窓から下を眺めた光景を、テレビで放映されたので、DVDに収めた。コジモ1世は、このように、上から、眺めたと推察される。