ドライブ関係で意外だったこと・驚いたこと
◆4ケ所の空港で車を借り、同じ場所に返した。走行距離および実際にレンター会社(AVIS社)に支払った額は、表に示すとおりである。走行距離は、実質15日間で4154 kmで、金額は、約18万円(含:保険代、非含:ガソリン代)で、いずれも韓国の現代社Hyundaiの車で、全てマニュアル車を予約して行ったが、すでにオートマ車が用意されていたり、現地で、先方の勧めで、多少料金を上げてオートマ車にしたので、実際にマニャル車に乗ったのはパースだけであった。

場所(出発地=返却地)

期間

走行距離

費用

Hobart空港

126日から、6日間

1796 km

$720.28 (68 391)

Sydney空港

2月1日から、3日間(2.5日間)

584 km

$416.25 (39 523)

Ayers Rock空港

24日から、2日間

307 km

$298.53 (28 592 )

Perth空港

2月6日から、4日間(3.5日間)

1467 km

$455.04 (43 555 )


◆速度制限は厳しく、場合によっては 1 kmオーバーでも罰金を払わねばならなく、駐車も1分オーバーでも罰金を取られると聞いていたので、これらには特に注意した。Webでの日本人のドライブ旅行記を見ても、スピードオーバーでつかまったことが多く出ているが、さもありなんと思う。

◆しかしながら、帰国約1ケ月後にシドニーのブルーマウンテン付近で高速料金を支払っていないという3通の督促状($16.12, $12.81, $12.42, 合計$41.35)が送られてきたのには驚いた。このうち、各回、$10の計$30は、罰金を兼ねた手数料で、いずれにせよ額としては大したことはないが、徴収ゲートもなく、シドニー空港のAVISのカウンターでも、そういうシステムが導入されていることは全く説明がなかった。観光案内書では、メルボルンにはそういうシステムがあることを説明してあるが、シドニーでもこういうことが行われているとは書いてなかった。しかも、ほぼ同じ道路のシドニーの町に近いところでは、ゲートがあり、そこでは、$2.20支払っているので、その延長上の道で違うシステムが導入されていたとは、この手紙が来るまで思ってもいなかった。まさに罠にはめられた気分になったが、手紙を出して、カードから引き落としてもらうことにした。久しぶりに、旧ソ連を昔旅行した時のことを思い出した。あの国は、アエロフロートを始め、全て、そういう調子であったことを。

◆ガソリン(レギュラー)は、手元にある1つの領収書では、$1.179とあり、日本と同じぐらいで、ヨーロッパ諸国に比べて大分安い。ほとんど全部がセルフサービスなのだが、この国では、給油レバーをいっぱいに握ると給油が止まってしまう。軽く握ると、少しずつ出るが、速度が極めて遅い。エアーズロックで補給していたら、たまたま補給しに来た客の乗ってないバスの日本人の添乗員が見かねて、レバーの握り方を教えてくれたが、よく理解できずに忘れてしまった。今まで20ケ国近くでドライブしたが、こういう方式は初めてである。

◆ウェーブロックからヨークへの帰路、北側の、言わば牧場の中を突き抜けるようなコースを取ったが、往きの南側ルートにもまして、何キロにもわたる立派な直線道路の連続で、しかも、車の往来がない。200 kmぐらいに亘って、何度か写真を撮るために停車したのだが、追い抜いていった車は1台だけだった。対向車も数台ぐらいであった。カンガルーが1匹、前を横切ったことはあった。こんなに長距離を、車に遭わずに走行したことは初めてである。以前に国会で、石原伸晃氏が、北海道のある部分の高速道路は、半分は冗談で、通る車の数より熊の数の方が多く、道路建設は無駄金使いだという主旨の発言をしたら、鈴木宗男氏が、大変怒ったことを思い出した。この国は、そんなことを議論しないですむだけ土地が有り余っていて、豊かなのであろう。

◆レンタカーを返却する際には、ガソリンを満タンにする必要がある。旅行の最後にパースの国際空港で返却する際、あと10 kmぐらいのところで、信号で止まった際、左に曲がった先にスタンドがあることが見えたが、すでに直進車線に入っていたし、当然、空港内か近くにスタンドがあると思って通り過ぎた。国際空港に行ってもスタンドが見つからないので、空港の職員に最寄のスタンドを聞いたら、そこからは、国内空港の先の、先ほど見かけたスタンドを教えてくれた。戻っていくので、右側にあるので先ほど気付いていなければ、木立に隠れて見つけるのも難しかったろう。行ってみたら、無人スタンドで、クレジットカードで補給する方式で、他に客も全くおらず、補給方法を聞く人が皆無で、説明書きをよく読み、妻の助けを借りて、満タンにすることができた。飛行機の出発まで、まだ3時間ぐらいあったので、そう慌てずに済んだが、20時を過ぎて(当日の日の入りは20時13分)心細い思いをした。パースのように150万人を有するオーストラリア第4の都市の国際空港の最寄のガソリンスタンドが10 km以上も離れているとは思わなかった。車を返す時は余裕を持って返さねばいけないという教訓を再確認させられた。レンタカーを借りる他の人はどうしているのだろう。

●結語
オーストラリアは、割合近い国で、イギリス人などヨーロッパ人が開いた国で、日本からの旅行者、ワーキングホリデー滞在者も多く、原料、農業生産物なども多く輸入しており、交流も多い国である。また、我々の目から見れば、割合似ていると思われるニュージーランドにも前年訪れていた。したがって、かなり知っている国と思って行ったら、意外なことが多かった。その意味で、「知らなかったオーストラリア」という題名をつけ、自分にとって意外だった実例を細かく書いた。まず、入国するには、ETASというビザを取らねばいけない(1度も提示を要求されなかったが、野口さんにお聞きしたら、コンピューターに入っていて、パスポートコントロールの際にチェックされているそうである)。今時、日本人がビザを必要とする先進国は極めて少ない。最近見た映画「不都合な真実」の中で、CO2削減に関する京都議定書に批准していない国はアメリカとオーストラリアだけとゴア氏は指摘していた。自然保護を標榜する国ではあるが、結構、自分勝手な国であることを知る。自分勝手なのは、多かれ、少なかれ、どこも同じで、他国を非難するのは当たらないし、そのつもりも無い。その目で見ると、白豪主義の伝統は、形を変えて残っているようにも思える。しかし、昔はあった対日感情の悪さは、今回初めて訪問し、個人レベルで全く感じなかった。資源は豊富で、周りに、攻めてきそうな仮想敵国もないだろうし大変羨ましい国である。地球上で最後まで生き残れる国のような気がする。ほんの一部を見たにすぎないのに、30 ℃以上の温度差を経験するほど、広い国である。今回の旅行について、妻も意外に大変面白かったと言っている。観光の見地からみても、まだまだ多くの面白いところがありそうな国である。