SICILY @
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●パレルモ(Palermo)(シチリア島の首府)
 パレルモは、シシリー島の首府で、人口68万人を有する。緯度は38 °7?で、仙台のやや南に
相当するが、東京よりも暑い。夜中の1時前に寝て、翌朝、主なところを歩いて廻る。バスがある
が、乗り方もよく分からないのでし、歩いて廻る方が速そうである。シチリア島でこの後に訪問する
場所に比べてパレルモには圧倒的に多くの観光客がいる。パレルモだけしか観光しないこともない
だろうから、他の行き先は違うが、この地だけは、シチリア島観光者が皆訪れているのであろう。

 ホテルから350 mぐらいのマッシモ劇場の前を通る(Pa1)。この劇場は、1897年に設立され、
パリオペラ座、ウィーン国立歌劇場に次ぐ規模を誇るオペラの殿堂として名高いところである。
2007年6月末から、7月初旬にかけて、ここの歌劇団が初来日するという広告が日本ででている。
クアトロ・カンティという四辻に面した、17世紀に建てられた四つの建物の壁に彫刻がされている所
を通る(Pa2)。ベッリーニ広場に出てマルトラーナ教会(中央)とサン・カタルド教会(右)を見る(Pa3)。
サン・カタルド教会は12世紀中頃のノルマン時代に建てられ、3つの赤いドームが教会として特徴的
である。次にパレルモ大聖堂(カテドラーレ)を見る(Pa4)。
ノルマン王宮の手前にあるボナンノ公園では、バオバブの木を見る(Pa5)。「星の王子さま」に出て
きて知られる木で、2004年浜名湖の花博で初めて見たが、実際に生えているのは初めて見て、
シチリア島にも生えていることを知る。ノルマン宮殿の横には、ヌォーヴァ門がある(Pa6)。次に、
ノルマン王宮を見る。王宮内の礼拝堂は、12世紀ノルマン王朝の殿堂である。2階にパラティーナ
礼拝堂があり、アラブ・イスラム様式の建築空間にキリストが描かれている。3階はルッジェーロ王の
私室があり、その壁画の狩猟場面のモザイク(Pa7)にはペルシャの影響があるそうである
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 パレルモの3つのハイライトの1つであるシチリア州立美術館を見る。ここで一番良く知られている
のは「死の凱旋」(600 ×642 cm)といわれる貴族スクラーファニ家の館に描かれていた15世紀半ばの
作者不詳のフレスコ画である(Pa8)。凱旋の影には多数の戦死者がいるということを象徴しているので
あろうか。爆撃で被災した市内のスクラーファニ館の中庭から1944年に剥いできたもの(下記「芸術新潮」
)だそうであるから、この絵自体も第2次世界大戦から「死の凱旋」をしたわけである。ここの目玉には、
アントネッロ・ダ・メッシーナ(1431-1479)の「受胎告知のマリア」(1473年)もある(Pa9)。彼は、メッシーナ
出身で、フランドル地方に行って、そこの手法を習ったといわれていて、キリストを描いた絵はルーブル
でも有名である。ボッティチェリーより14歳、レオナルド・ダ・ヴィンチより22歳年上であった。フランドル画家
で有名なピーテル・ブリューゲル(1525/30-1569)より大分前のことである。「芸術新調」(2006年1月号
大特集シチリアの秘密)には、「漆黒に浮かぶ青いピラミッド。モニュメンタルな構成であるとともに実在感
あふれるマリア像」という評が出ている。パレルモにはまだ見る所はあるが、1日歩き回って疲れ、満足する。
パレルモ2泊後の午前に、市内で車を借りることになっていたので、ホテルのチェックアウトに後、AVISの
事務所まで、300 mあまりスーツケースを転がしながら歩く。車を借りてからホテルに荷物を取りに来る方法
もあるが、一方通行の多い大都市で、うまく戻れるか自信がないし、ホテルの前に駐車出来そうもなかった
からである。パレルモは、車が多いが、ほとんどのところは横断するところに信号がないので、車道を渡る
には、車の来ないわずかな隙をねらって駈け抜けねばならない。途中、道を間違って教えられて、一旦
船着場まで出てしまう。きっとレンタカーは、船着場にあると勘違いしていたのであろう。後になって教訓を
思い出した。ヨーロッパで道を聞くと、日本と違って、知らなくとも、大抵、自信を持って教えてくれるが、
2−3割程度は、違った道を教えてくれる。だから、念を入れるためには、別の人にもう一度聞いてみた
方がよい。一番確実なのは、ガソリンスタンドで聞くのが良い。AVISの事務所は、工場の隣にあって、
客もほとんどおらず、すぐ野口さんが予約していてくれたマニュアル車を借りられる。
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写真説明

Pa1:オペラの殿堂マッシモ劇場
Pa2:クアトロ・カンティ(四つ角に面する建物)
Pa3:マルトラーナ教会(左)とサン・カタルド教会(右)
Pa4:大聖堂
Pa5:バオバブの木
Pa6:ヌォーヴァ門
Pa7:ノルマン王宮壁画
Pa8:フレスコ画「死の凱旋」(シチリア州立美術館)
Pa9:「受胎告知」(アントネッロ・ダ・メッシーナ作)