TUNISIA E
Ha7
Tu5
●チュニス観光後編(スーパーと市場)
 翌日、9月22日(金)は、学会最後の日で、午前中まで、プログラムがある。まだ、ハマメットに来て以来、
当地の一番の目玉の海岸を見たことがないので、朝、プログラムの始まる前の8時ごろホテルのすぐ近く
の海岸に行ってみる。まだ、ほとんど人は出ていないが、日差しの強くなる前にと泳いでいる人もいる。
海岸にたわし状のものがいっぱい落ちている(Ha7、Ha4“TUNISIAB参照”B)。植物か動物かも
分からないが1つ持ち帰る。
よく洗って、干して保存している。長さは8 cmある。
昼食後、学会のバスで、午後に一旦チュニス空港まで戻り、そこからタクシーで、前に泊まったホテル
まで戻る。チュニスに1泊することにしたのは、翌日のチュニス発ミラノ行きの出発が朝の6時という
早い時間のためである。これに乗らないと、24日(日)に成田に帰れなく、25日(月)の非常勤講師の
授業に間に合わない。
 折角、チュニスで1泊するので、スーパーマーケットとメデイナを訪問することにしていた。スーパーに
行こうと考えたのは、「地球の歩き方」の中に買い物おすすめ情報としてカルフール(Carrefour)で
チョコレートを土産に買うと良いと書いてあったからである。タクシーで行ったが、空港の先で、結構
遠かった。タクシーが着いたら、すぐ待っていた買い物客が乗って行った。郊外なので、客がいな
かったら運転手に気の毒だとちょっと心配したが杞憂であった。次週、月曜9月25日からラマダンが
始まるとのことで、そのせいか、金曜だというのに大きなスーパーにいっぱい人が来ている。ヨーロッパや、
日本にあるカルフールと、中の雰囲気はほとんど変わらない。万引きが多いのかどうか分からないが、
警備員が多い気がする。みやげにできるような高級なチョコレートはなかったので買わなかったが、文化
の違う国での庶民の買い物の様子を見るのは面白い。皆、カートいっぱいに買っていて、かなり裕福そう
に見える。この町には、メディナがあるので、普段は、そこで負けさせながら買い物をするのかと思って
いたが、この国の人も、どうやら、値段の決まったものを買う方が、面倒が無くて好きらしい。あるいは、
ここに来ている人々は上流階級の人なのかもしれない。一角にかなり大きなアルコールを販売している
隔離されたコーナーがある。入り口に店員が立っていて、中に1人しか客が入っていない。入り口では、
IDカードを示す必要があるのか、試しに入ってみる。外国人とすぐ分かるためか、何も言われなかった。
チュニジアの人口は、1千万人弱で、98%がイスラム教スンニ派だそうなので、アルコールは必要無いの
なら、観光客もほとんど来ないこのスーパーでどうしてこんなに多くアルコールを売っているのか分からない。
自分は、重荷になるので、アルコールは何も買わなかった。特に珍しいものもなかったので、ハーブテイー
などを買っただけで、出ることにする。学会に出席した日本人の方に後で聞いたら、CDが、1D(100円以下)
ぐらいで買えたと言っておられた。客を乗せてきたタクシーも割合すぐ捕まえられ、最後の訪問場所の、
世界遺産のメディナまで行ってもらう。

メディナの門の前は大変の混雑なので、200 mぐらい前で停めてもらい降りる。スイカ門(Tu5)を入り中心の
通りを歩く。長さ1300 mぐらいの両側は、ほとんど店が占めている。今まで見てきた市場と変わらずアメ横の
ような様相である(Tu6)。ただ、チュニスのものが一番大きい。細い道にはフランス流に全て名前が付いて
いる。モロッコの市場のように1人で入るのは大変危険であるという感じはない。日本人観光客も多いらしく、
「ナカダ」とか「こんにちは」という声をかけてくる売り子も多い。中には、「ニーハウ」と言ってきた売り子も
いたが。はっきり確認したわけではないが、売り子にあまり女性はいなかったような気がする。メディナの
中央付近にハムダ・パシャ・モスクが、見える(Tu7)。ミナレットの先端近くにバルコニーがあるのはトルコ風
なのだそうだ。警官が立っているので、後で調べたら、近くに首相官邸があることが分かった。この旧市外
の中には、商店だけではなく、いくつかのモスクや、行政機関まであることを知る。それ故、安全なのかも
しれない。世界遺産の中で犯罪が頻発しては、国としても困るであろう。ネロリ(Neroli)というアロマオイルが、
チュニジアの特産であることを、2日前の遠足の際に案内人から聞いていて、探していたが、ようやく見つけ
て、店を閉めかけているところを運良く購入できた。19時2分前であった(Tu8)。白い服を着た年配の、
品のよい錬金術師のようなイメージの人が、ビンに小分けしてくれて、ペンで紙切れに書いてレッテルとして
貼ってくれた。帰国して、webで調べてみる。オレンジ・ビター(ミカン科)の花から抽出し、イタリアのネロラ
公国のアンナ・マリア妃(17世紀)が愛用したので、この名前が付けられたそうで、チュニジア原産とも確か
に書いてある。ナポレオンやゲーテも愛した世界最初の香水「ケルンの水」のベースにもなっているとの
ことである。驚いたことに通販などでの価格は5 mLで14000-21000円もして、2.5 mLとか3.0 mL単位でも
販売している。品質は分からないし、購入した値段もはっきり覚えていないが、その1/5-1/10ぐらいでは
なかったろうか。日本の価格で考えれば、この写真に写っているだけで、300万円ぐらいすることになる。
これを知っていたら、1ビンでなくもっと購入してきたのにと残念に思う。  19時がメディナの閉店時間と
書いてあるが、実際、19時になったら急に寂しくなったので、また、元の門まで戻る。妻から、にんにくの粉
を購入してくるように頼まれていたので、聞いたら、メディナの外で売っているというので、スイカ門の外で、
500 g購入する。店には、種々のナッツ類が売っていて、1 kgの値段が書いてあり、表示価格で買えばよい
らしい。店は、繁盛している。

 翌日は朝6時発の飛行便ということで、4時にタクシーが迎えにくるように頼んでおく。朝、ロビーに下りて、
待っていたら、時間通りにタクシーが来る。深夜料金で1.5倍するはずだが、それでも10 D以下だと思うので、
その様に予め運転手に言い、チップを含めて10 Dを払う。空港に着いたら、ハマメットに宿泊していた人たち
用の送迎バスがすでに着いていた。チュニスにわざわざ泊まらなくてもよかったことは、チュニスにホテルの
予約をしてから知ったが、チュニスでも観光できたから、悔いはない。ディナールは、国外では使えないし、
早朝なので、空港の店も開いてないと思ったので、タクシー代は別にして、所持金は、ほぼ全額、前日使って
いた。後で、日本人の参加者から伺ったところでは、空港免税店は、Euroしか使えないとのことである。
ディナールをほとんど使っていてよかった。ミラノ空港で、乗り継ぎ待ち時間が7時間35分もあり、良い機会
なので、ロビーでシチリア島と、チュニジアの旅行記を、忘れぬうちに書けるところまで書き留めた。随分、
非能率な旅程のように思えるが、アリタリア航空でチュニスから、成田に帰るにはこの方法しかないらしい。
ミラノを15時20分に出て、成田には、約12時間後の翌日9月24日(日)の朝10時10分に無事着いた。

Tu6
Tu7
Tu8
おわりに
 チュニジア観光は、学会出席のかたわらに行ったもので、自分で予め計画を立てて行ったものではない。
訪問したのも、この国の北側の、海に面したほんの一部の都市でしかない。やや南のマトマタには穴居
ホテルもあるし、サハラ砂漠もあるから、南の様子はずっと違った国であろう。海は地中海に面しているから、
ヨーロッパ側と変わらないし、ローマ遺跡や世界遺産も多いし、アラビア文化・イスラム文化の香りに溢れて
いる一方、フランスの植民地であった名残で、フランス語を使っているし、その文化も感じられる。政情は、
アフリカで一番安定していて、治安も良さそうである。
食事は、ほとんどホテルのビュッフェスタイルで、取っていたので、何とも評論できない。何より物価が大変
安いのが良い。遺跡と海の好きな若者にとっては穴場の観光地ではないかと感じた。
国の概観は、次のサイトに詳細に書かれている(A4;27ページ)。
→ http://www002.upp.so-net.ne.jp/mikuroom/tunisia.html

写真説明

Ha7:早朝のハマメット海岸
Tu5:メディナのスイカ門
Tu6:メディナ内市場の繁盛
Tu7:メディナ内のハダム・パシャ・モスク
Tu8:名産のネロリオイル