CANADA2-2
●レイク・ルイーズ(Lake Louise):C.R.のハイライト
このC.R.で一番評判の湖に着いたのは、17時を少し廻っていた。この湖は、ルイーズ湖と言わずに、レイク・ルイーズと英語読みで呼ばれることが多いが、音の響きが、その方がよいからであろう。注意してみると、Lakeが、湖の名前の先に来る湖は、Lake Louise, Lake O’Hara, Lake Minnewankaなどで、他は、Lake(s)が後に来ることが分かる。LakeMinnewankaもそうなので、Lakeが先に来る湖が格が上ということもなさそうである。山の名称も同じようである。この違いはどこから来るのか、よく分からない。カナダで、観光名所の一番良いところには、必ず、フェアモント・ホテルがあることを後々よく知る。今回の旅では、最初に、間近にみるフェアモント・ホテルが、この湖畔入り口にある。多くの観光客が、散歩しているので、今日見てきた観光地とは、雰囲気が大変違う(Ls2)。湖畔に沿っている道をほとんど先端まで歩く。主観であるが、一番眺めが良いのは、ホテルの前からの眺めである。正面の雪山をバックに湖の色が映えて見え、そこには、ホテルも人も写らないからである(Ls3)。しかし、先端近くから、ホテルを遠景で見るのも悪くはない。湖の色と、ホテルの色がマッチしているし、喧騒もないからであろう(Ls4)。結局、2時間、湖畔を散策した。ヘリコプターが登山客の荷物などを運ぶのか、遠くで、山の方に何度も往復していた。

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●モレイン湖(Moraine Lake):紙幣にも印刷された美しい湖
まだ、明るいので、翌朝行く予定のモレイン湖の夕方はどうなっているのか見に行く。観光書には、この湖は光の関係で午前に見るべきで、遅く行くと駐車する場所もないと書いてある。ルイーズ湖から14 kmの距離を25分で行く。着いたのは、まだ日の入りまでは時間があるが、19時28分と遅いので、駐車場は空いていて、観光客もあまりいない。ボート乗り場の板場の上で、財布から紙幣を出して、景色と比べていたら、ボートの管理人のお兄さんがどこからか出てきて、ここの景色が載っているのは、旧札の20 $で、その景色なら、左手にある小山の上から見たら良いと、親切に教えてくれた。確かに、旧札に景色が載っていると書いてあったのだが、はっきり覚えていなかった。お陰で、景色を眺めるべきポイントが分かる。その小山は、分かっていたが、一見したところ道があるように思えなかったが、裏から道がついていることが分かる。早速、小山に登って、湖を眺めてみる(Ls5)。影になっている部分があるが、なかなかの風景である。正面にある山々はテン・ピークス(Ten Peaks)と呼ばれ、10個の峰がある。10個全部を1つの写真に収めるのは素人ではなかなか難しいが、この影が美しく湖に映っていて美しい。明朝、見たら更に美しいことを楽しみにして、30分ぐらいで、帰る。ジャンクションに着いた時は、21時30分に近かったが、幸いレストランは開いていて、夕食を取ることができた。翌朝、レイク・ルイーズのホテルを7時37分に出て、8時11分にモレイン湖に着く。すぐ、昨夕登った小山に登って、湖を見る。右手に見えた森は、日を浴びて明るく、湖面にテン・ピークスの山々が映って幻想的な光景が見える(Ls6)。昨夕眺めた光景も十分美しかったが、今朝の光景は、一層美しい。やはり、言われているように、朝の光景がよい。まだ、早朝なので、観光客もほとんどいない。今まで見た湖の中で、一番美しいのではないかと感じる。周りには、シマリスが何匹か活動している(Ls7)。小1時間滞在して、来た道を戻る。戻る途中、テン・ピークスが全部見えると思われる付近で車を止めて写真を撮る(Ls8)。ある旅行記を見たら、モレイン湖は、穴場として紹介されていたが、我々は、最初から、是非見るべきところと思って2度も来たので、穴場という認識はなかった。レイク・ルイーズがあまりに有名なので、穴場と見る人がいるのかもしれないが、やや俗化したレイク・ルイーズより山間の湖という感じでは、むしろ上と感じる。混んでいるレイク・ルイーズにわざわざホテルを取ったのも、朝のモレイン湖を見るためであったが、幸い天気が良く絶景を見ることができた。

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●アイスフィールド・パークウェイ(Icefield Parkway):スイスの50ヶ所を1ヶ所に集めた所
ルイーズ湖からジャスパーに通じる約230 kmのカナディアン・ロッキーのメイン道路の93号(Icefield Parkway)を北上する。1907年にBanffからJasperまで踏破したカナダ人地質学者のA. P. Coleman(1852-1939)は、このルートを「驚異の道」と呼び道路の建設を強く訴えた。ちょうど、この100年前のことである。しかし、この夢が叶えられたのは、1930年代の大恐慌の失業対策であったそうである。完成したのは1940年で、この230 kmの道は、世界でも有数の景色の良い道路ではないかと思う。「地球の歩き方(カナダ西部編)」によれば、マッターホルンの初登頂者のエドワード・ウインパー(Edward Whymper;1840-1911)が、当地を「スイスを50ばかり1ヶ所に集めたようだ」と言ったそうだ。なお、カルガリーからカンモア、バンフを通って、レイク・ルイーズまでは、1号線と呼ばれている。93号線との境で、特に様相が変わるわけではない。クロウフット氷河(Crowfoot Glacier)の駐車場で留まる。写真(Ip1)左方に見える烏の足のつま先状のものがそれで、そこの案内板に“There’s onemissing!  In1918, when this photo was taken, the CrowfootGlacier clutchedthe cliffwith three toes, like a crow’s foot.”と書いてあり、3本あった頃の1918年の写真が示されている。地球温暖化の影響がここにもあると言いたいのであろう。手前にあるのがボウ湖と思われる。後で、ネットで見ると、これをヘクター湖としているものがあるが、別のネットでは、ヘクター湖は、「2秒湖」、または「5秒個」ともいわれ、車で走っていると、2秒と5秒間の2度しか見えない湖だそうである。それで、我々も、見逃しているし、地図には大きく載っている割に、案内書には、写真がほとんどない。いっぱい同じような風景があるので、写真から、後で湖の特定をするのを間違えるのはよく分かる。デジカメだと有難いことに写した写真の時刻が残るので、地図と見比べてみれば、その写真をどの付近で撮ったか、そこにどれくらいいたかなどが後でも分かる。この地点は、この道路でも、1つのハイライトらしく、次々と人が来て、眺めたり写真を撮っていく(Ip2)。そこから20分ほどでボウ峠(Bow Pass)(標高:2135 m)にさしかかる。このアイスフィールド・パークウェイで一番高いところであると看板に書いてある。ペイト湖(Ip3)の展望台までは、歩いて3分である。ペイト湖はカナディアン・ロッキーで一番青い湖であるとも書いてある。レイク・ルイーズやエメラルド湖も、劣らず青かったと思うが、看板にはそうある。ボウ(Bow)と名の付く、川、湖、峠が、お互い遠く離れた場所にあるのは、紛らわしい。さらに、ボウ峠付近から見えるのが、ボウ湖ではなく、ペイト湖である。この平原には、ペイト氷河があったが、前世紀に消滅したそうである。なお、ボウと語は、弓矢に由来する言葉だと、どこかに書いてあった。ここから、1時間20分ぐらい止まらずにサンワプタ峠(Sanwapta Pass)まで、走ってしまったが、途中にはミスタヤ渓谷や、クロッシング(Crossing)があったはずで、気付かず通り過ぎた。旅行前の計画の段階で、バンフからジャスパーの間のホテルなどを探していた折に、このクロッシングに安いホテルがあることをネットの旅行記で見つけたが、ネットでは申し込めないようなことが書いてあったので、止めにしたが、どんな所か見るだけは見たいと思っていた。それが、現地に行ってすっかり忘れていて、この分岐する地点を、往きも帰りも気付かないままであった。サンワプタ峠(Ip4)は、わかりやすい所なので、車を降りて眺める。ここは、帰りにも立ち寄った(Ip102)。次々と現れる山を見ていると、だんだん慣れてきて、大変良い景色でも、感激が減ってくるのは、勿体ない。サンワプタ峠が、バンフ国立公園から、ジャスパー国立公園に移る境であるが、ここで風景が大きく変わるわけではない。
写真説明
●レイク・ルイーズ地区
Ls1:レイク・ルイーズ・ジャンクション
Ls2:レイク・ルイーズ・フェアモントホテル前の遊歩道
Ls3:ホテル前からの湖の眺望
Ls4:遊歩道の先端付近から見る湖
Ls5:夕方のモレイン湖(20時頃)
Ls6:朝のモレイン湖(8時40分頃)
Ls7:ピーナツをかじるシマリス
Ls8:モレイン湖への道から見えるテン・ピークス


●アイスフィールド・パークウエイ
Ip1:クロウフット氷河とボウ湖
Ip2:同所(駐車場)で、景色を眺める人々
Ip3:ペイト湖展望台から見たペイト湖
Ip4:サンワプタ峠