CANADA3−3

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●オタワ〜ガティノー(Ottawa-Gatineau):カナダの首府
ナイアガラの次の行き先は、オタワに決めていた。オタワは大都市で、泊まり心地がより良いと思われる郊外のガティノーを選んだ。ホテルを予約してから、ナイアガラからの距離を調べたら、600 kmぐらいになる(実際には570 kmであった)。日本だったら、かなり大変な距離である。前日、ナイアガラから多少トロント寄りのところに泊まったので、距離はわずかに短縮されたが、長距離行かねばならないことに変わりはない。
朝、9時10分にホテルを出る。気温は22 ℃程度で快適である。ホテルから、高速道路までは、近く数分で出る。トロントは、町の中心ではない道を通るが、CNタワーは遠くに見える。幸い、道は、渋滞していない。途中、昼食を取り、また、眠くなったところで、高速道路から降りて、人気の無い道端で15分ほどの昼寝をする。椅子を倒して、アイ・マスクの上に帽子を乗せて寝ることにしている。自分は、いつも、あまり寝られなかった気がするが、家内が言うには、いびきをかいて、よく寝ていたという。実際、10 分でも寝ると、爽快になり運転が大変楽になる。
オタワの高速の出口は、信号待ちで混んでいたが、渋滞した車の間を、「食べ物をくれ」と書いた紙を掲げながら30歳代ぐらいの男が廻っている。世界のあちこちで、物乞は見てきたが、食べ物の要求しているのは初めて見る。そんなに生活に困った人がカナダにいるとは思えないので、大変驚く。車のドアは走り出すと自動的に閉まるが、安全のために一応確認する。止まっているのは、数分とわずかであったが、その間には、どの車も何もあげていなかった。その後、物乞いを見たことがなかったから、これは特殊のケースと考えられる。
ガティノーのモテルComfort Inn(Ot1)には、19時30分頃着く。予想したとおり、広々とした郊外にあった。フロント嬢が大変親切で、いろいろ教えてくれる。モテル自体と、帰国してからと、このモテルの評価を求められたので、このフロントの人を名指しで、褒めて書いた。フロントには、いつもチップは置かないが、この人には例外的に10$置いてきた。周りは、一見何も店などないように思えたが、目の前に、大きなブッフェがあることを教えてもらい食事に行く(Ot2)。飲み物だけ、注文し、あとは、自分勝手に、前菜からデザートに至るまで自分で好きに取れる形式になっている。飲み物は、他の店と同じような値段であったが、ブッフェは、1人分12$ぐらいであった。今回のカナダ旅行を通じて、値段も内容も一番良かった。今日は、長旅をしたので、食後は外出することなく休んだ。

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●モン・トランブラン(Mont-Tremblant):日本人に人気の紅葉の名所
この時期、オタワ地区から、是非行ってみたいような場所はないが、紅葉の名所ロレンシャン高原(Laurentians)のモン・トランブランに行くことにする。7月4日朝、8時50分にホテルを出る。気温は19.5 ℃であった。近くの観光案内所に11時50分前に着く。モテルから155 kmであった。ここから目的地までの道が、大変分かりにくく、ここで、付近の地図をもらわなければ、相当迷うことになったろう。12 km先の目的地ロレンシャン高原のモン・トランブラン村には、12時10分に着く。ここは、モントリオールを基点にして訪れる人がむしろ多い。
まず、無料のリフトに乗ってゴンドラの発着所まで登る(Tr1)。後から、写真を見て分かったが、左方一番後方に見えるグレーの屋根をした建物が、フェアモント・トランブラン・ホテルで、日本の団体客がよく利用している。ここに、フェアモント・ホテルがあることを知らず、近くに行って眺めることはしなかった。リフトの終点から、ゴンドラに乗り山頂に行く(往復;大人18.955 $、シニアー17.755 $)。終点から数分歩いた山頂(875 m)に、展望台がある(Tr2)。展望台には常時、1組ぐらいしかいない程度である。下の景色は、この時期、特に優れたものでもないが、トランブラン湖などが見える(Tr3)。紅葉の時期には全山、赤に染まり、さぞ見事だろうと思う。今の時期、当地では、1人も日本人には遭わなかったが、9月から10月の紅葉のシーズンには、当地の半数以上が日本の団体客であるそうである。日本人は特に、紅葉が好きな民族らしい。自分の、北欧生活の経験から推測すると、フランス以北のヨーロッパの大多数の人々、カナダの人々は、夏が一番好きで、夏(バカンス)が終わった9月は、一番寂しさを感じる時期で、紅葉は、葉が枯れかけた状態と捉え、あまり愛でる気にもなれないのであろう。日本は有難いことに、ほぼ1年中にわたって、四季の風物が楽しめる国なので、秋が最も好きだという人も多く、紅葉を愛でる文化が昔からある。
その付近を散策する。すでに山頂なので、散策により、より良い景色が見えてくるわけでもない(Tr4)。野鳥を見る案内などが行われていた。家内は、虫に喰われる。ここも虫除けネットか、クリームが必要であったがうっかり忘れる。付近には、コウリン・タンポポ(orange hawkweed)がいっぱい咲いている(F17;後出)。ゴンドラの頂上駅の前では、数日前のカナダ・ディに行われたらしい音楽会の臨時舞台を撤収する作業をしていた。
麓に戻って歩いていたら、店の前に氷の入った樽があり、「Maple taffy on snow : Tire sur la neige 2$」という広告が出ている。英語とフランス語(「雪の上で引き伸ばす」という意味)の意味が多少違うのも面白い。好奇心から、どんなものか知りたく店に入って注文する。固まったメープルシロップ(?)
を、鍋に入れて温め、それを、店の外にある樽の雪の上に流し、ヘラをその端につけて(Tr5)、固まりかけた1分後に、自分で巻き取って食べるという趣向のものであった。味もなかなかよかった。
町はあまり見なかったし、湖も見に行かなかったが、オタワの町も見たいので、14時過ぎに早めに切り上げる。

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●オタワ国会議事堂(Ottawa)
オタワは、人口約81万人で、カナダ第4の都市ながら、1857年以来カナダの首府である。ここを首府に選んだのは、英国のビクトリア女王で、イギリス系住民の押すトロントと、フランス系住民の押すモントリオールの中間であること、米国からある程度離れている点であることなどが理由になって選ばれた。ということは、カナダは、米国からいつかは攻められるのではないかという意識が当時は強かったことも示している。
途中、遅い昼食を取り、オタワの国会議事堂の近くの駐車場に着いたのは、すでに19時15分であった。国会議事堂に来たのは、モテルのフロント嬢に、オタワで一番見るべきところを聞いたら、ここを推薦してくれたからである。国会議事堂だけあって重厚である(Ot3)。議事堂前には、1967年にカナダ連邦建国100年を祝して作られた「センテニアル・フレーム(Centennial Flame)」があり、13州の旗が彫ってある(Ot4)。一番手前の右側は、ニュー・ブラズウイック州、その左側は、プリンス・エドワード・アイランド州の旗である。この絶え間ない炎は、流れる水の中から出ているところが面白い。中から燃料ガスが出る仕組みになっているのであろう。議事堂裏にある遊歩道からは、オタワ川の眺めが美しい(Ot5)。橋はアレクサンドラ橋で、手前はオンタリオ州で、対岸は、ガティノーのあるケベック州である。夕方、遅いせいか、遊歩道を歩いている人もあまりいない。議事堂の前の芝生には、マーモット(marmot)と思われる動物が、歩いている(Ot6)。後で調べたら、プレリー・ドッグ(prairie dog)というものと、よく似ている。いずれにせよ、ネットで見られるほとんどの写真は、人里離れたところで撮られ、なかなか近くから撮影できてないようである。多分、本当の自然環境下では、天敵が多く、警戒心が強くて近くで撮影できないが、このように、都会の真中では、天敵がおらず、人間も危害を加えないことを知っているので、警戒心があまりないのであろう。後にモントリオールのサンテレーヌ島では、更に近くから撮ることができた。
議事堂の横には、リドー運河(Rideau Canal)があり(Ot7)、その向こう側には、フェアモント・シャトー・ローリエが建っている(Ot8)。カナダで計6つ見ることになるフェアモント・ホテルの中では、ここの外観が一番地味である。フェアモント・ホテルがあるので、ここの眺めが、オタワでは一番良いのであろう。
モテルの横の前日入ったブッフェ(Ot2:前出)で夕食を取ろうと戻ったが、21時30分頃で、21時に入場を締め切ったとのことで、入れなかった。近くの中華料理店を教えてもらって行ってみたが、レストランは閉店していたが、有難いことにテイク・アウトは開いていたので、購入して、モテルに持ち帰って食べる。中華料理店は勤勉で、遅くまで開いており、前にも、ウイーンなどで助かったことがある。
写真説明
●オタワ
Ot1:オタワ郊外のモテル(Comfort Inn)
Ot2:モテル近くのブッフェ・コンチネント
Ot3:国会議事堂
Ot4:センテニアル・フレーム
Ot5:議事堂裏からの眺め
Ot6:議事堂前のマーモット
Ot7:リドー運河
Ot8:フェアモント・シャトー・ローリエ

●モン・トランブラン
Tr1:リフトよりの眺め
Tr2:山頂の見晴台
Tr3:山頂付近からの眺め
Tr4:山頂から少し離れた所からの眺め
Tr5:雪上のシロップ飴