CANADA3−6
●シャルルボア(Charlevoix):ケベック北の高級リゾート地
8日(日)は、実質上、旅行最後の日で、ケベックの北方に遠出する。高速道路で町を出ると、10 kmぐらい行った左手にモンモランシー滝(Chute-Monmorency)が見えてくる。高速道路がUターンできるようになっていて、滝に近づいたら、入り口で、入場料を取ることが分かったので、ここで長居するわけではないので、入らず戻って、さらに高速道路を北上する。べ・サン・ポール(Baie-Saint-Paul)という町のインフォメーションに入る。
 更に北のラ・マルベ(La Malbaie)に行く。ここは、ポワント・ピック(Pointe-au-Pic)とも言われる。その使い分けはよく分からない。シャルルボアというのは、この一帯を指す名称のようで、高級リゾート地域で、カナダやアメリカの上流階級の避暑地として、また紅葉シーズンの美しさ有名らしい。そのシャルルボアの中心地ラ・マルベでもインフォメーションに入る。ここにもフェアモント・ホテル(Manoir Richelieu)があり、見に行く。インフォメーションで教えてもらっても、道が分かりにくく迷ったが、よくもこんな辺鄙なところに、大ホテルがあるとは、驚きである。しかも、カジノまである。行ってみたら、セント・ローレンス河畔に城のような建物が建っている(Qn1)。途中、迷ったり、多少寄り道したが、ケベックのホテルを出てから、4時間20分もかかって157 km走行していた。セント・ローレンス川を眺められる庭のベンチには、10数人の主に年配の方が、座って、川を見ている。すぐ飽きてしまうような景色だが(Qn2)、こんな辺鄙な場所で、日光浴をしていられるのは、主にアメリカやカナダの引退した大富豪家族に違いない。階級の違う、しかも文字どおり人種も違う人々を拝見するのも、興味深い。
カナダで、フェアモント・ホテルを見るのは、これで6つ目で、最後であるが、いずれも、その地域の一番風景のよいところに建っていて、建物は、城のように立派で、しかも、客の充足率はかなり悪そうで、どうみても、どこも採算が取れているとは思えない。ネットで、誰かが、フェアモントとは一体何者かと書いてあったが、そのとおりの疑問を自分ももつ。ウィキペディア(英語版)で調べたら、カナダのものは、19世紀後半から20世紀前半にかけて、カナダ太平洋鉄道によって建てられ、米国のフェアモント・ホテル系列と1999年に合併したそうである。フェアモント・ホテルは、サンフランシスコで1907年に始まったと書いてあるが、フェアモントという名称の由来は書いてなく、はっきり分からない。カナダには、21個あると書いてあり、通った場所でも、知らずに見過ごしていたものもある。カナダの観光の名所は、フェアモント・ホテルがあるところで、一番良い景色のところは、そのホテルから見られる眺めと思って、大きな誤りはなさそうである。そうと知っていたら、最初から、フェアモント・ホテルのあり場所を全部調べて、それを参考に旅行プランを立てれば良かったと思う。
「地球の歩き方(カナダ東部)」の写真にある川沿いの小道は、何処かと、再度インフォメーションに寄って、その写真を見せて聞いたら、そこからも見える目の前の場所だと教えてくれたので、見に行く(Qn3)。この辺まで来ると、川幅が広く、海のようである。景色としては、大変良いが、長く見ているところでもない。その公園の一角で、持参した昼食を取り、当地は、この風景が見所として、案内書に紹介されているくらいなので、(インフォメーションでは、美術館を、薦められたが)、他に大した所はないのだろうと、13時過ぎに引き上げることにする。今回の旅行で釣りをしている人を全く見なかったのは意外であった。
帰路、道に面して、チーズの販売店があるので、入る(Qn4)。どこか、チーズ工場に立ち寄ろうと思っていたが、道に迷って時間をつぶすともったいないので、ちょうど良い。品物を見ていたら、店主と思われる人が、フランス語で、説明してくれ始めるので、英語の方が良いと言ったら、英語で説明してくれた。結構、人が入っている。「ブリ」(Brie)に似ていると薦めてくれたもの、ピメント入りのものなどを購入する。帰国して食べたら、いずれも美味しかった。人気の無いところに、こんなに人が入っているとは思わなかった(Qn5)。この辺は、ワインナリも多いが、最近は機内液体持込禁止なので、よく分からないが、空港で没収されてもつまらないので、今回は、持ち帰り用のワインは、全く購入しなかった。
結局、帰りにも、べ・サン・ポールは観光せず、さらに戻って、行きに道路からよく見えた、サンタンヌ・ド・ボープレ大聖堂に立ち寄る(Qn6)。北米カトリックの3大巡礼地の1つと言われるだけあって、辺鄙な所にもかかわらず多くの年配の人が来ている。この日の夕方、すし屋「銀杏」で聞いた情報によれば、近くに「ゴルゴダの丘」に似たところもあるそうで、知らずに行きそびれる。ここは、キリストではなくマリア様の教会なので、暗いところがないそうである。
明朝、ケベックの空港から出なければならないので、道と車の返却場所を確認するために、空港に行くことにする。町は、祭りの最中なので、インフォメーションも混んでいると思われるし、道も通れないから、町に入る前のオルレアン島に入ってすぐの所にある観光案内所に立ち寄る。島への橋(オルレアン橋:323 m)は、ちょうどモンモランシー滝の反対側にある。橋は、日曜なので、ちょっと渋滞していた。案内所は、予想とおり空いていて、空港行きの道は、FAQであるらしく地図をくれて丁寧に教えてくれる。島は、一見の価値のある所であるが、早めに帰りたいので、大変残念ながら、見ないで引き返し、町を迂回して、空港に着き、レンタ・カーの返却場所を確認して町に戻る。ホテルに着いたら、案の定、前の道路は、車でいっぱいで、駐車できないが、ホテルの4台ぐらいしか駐まれない駐車場が開いていたので、そこに入れることができた。

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Qn1
Qn2
Qn3
Qn4
Qn5
Qn6
Qn7
Qn8
Qn9

●ケベック:カナダ最後の夜
まだ、19時少し過ぎで、明るいので、サン・ジャン(St-Jean)通り(Qb9:前出)という、大道芸が主に行われている通りに行ってみる。2日前にも出ていて、写真を撮りそこなった怪獣が現れていた。4m近いぬいぐるみをした3人組で、1人はジャンヌダルクを模しているが、この人は長い棒を持っているから、倒れる心配がないが、もう2人は、何を模しているのか自分には分からなかったが、棒を持っていないだけでなく、背を屈めて見物人に障ったりするから、相当の技術が必要だと思うが、倒れたりすることも無く、相当の速さで移動し、これぞ大同芸と感心する(Qb23)。後で、プログラムを調べたら、この通りでの出し物の中に記載されていて、Artefacts et Artifices?Les Gargouillesという名称のカナダのグループであることが分かる。「ガルグイユ」(英:ガーゴイル)というのは、ゴチック建築に多い怪獣を模ったもので、ノートルダムなどに見られるものだそうで、なるほどと分かる。ネットにもこのグループのことが載っていた。
今まで何度も前を通っていたケベック州議事堂の前を通ったので写真を撮る(Qb24)。建物の中央、中ほどのところに、’Jaques Cartier’の名前が見える。カナダのフランス語圏では、彼は、英雄である。ケベック州の、現在の独立志向の強さは一旅行者には分からない。この議事堂の中に、後で述べるケベック州の車のナンバープレートにある”Je me souviens.”(Dv3:後出)の元となる文が書いてある紋章があるが、ここを通った折には、知らなかった。
最後の夜は、すし店の「銀杏(Ginko)」(Qb25)に入ることにする。翌日、日本に帰るのに何も、日本食にする必要も無いのにと家内が言うが、カナダ料理は、美味しくないのでそうする。メイン通りのグラン・ダレ通りに面していて、ホテルにも近かったので、前を何度も通っていたが、周りのレストランと比べて入りが大変悪く、これで経営が成り立つのかと心配する。多分、紅葉シーズンになれば、日本人が大挙して来るのだろうと希望的に憶測する。屋外に1−2組客がいたかと思うが、屋内は、祭りの日曜の夜なのに、我々しか客はいない。女性の店員(主人?)が、いろいろ話をしてくれる。それまで、流暢なフランス語でカナダ人と話していたから只者ではないことが推察される。今年は、夏が来るのが遅かったので、紅葉は後にずれるかも知れないと言っていた。今日行った サンタンヌ・ド・ボープレ大聖堂についてや、その横に「ゴルゴダの丘」があることなどを教えてくれる。こういう情報は、早い段階で来店して聞けばよかったと思う。すし2人前、サラダ、てんぷら、ビール1杯の注文で、62.25$であるが、これに15%のサービス料(9.34$)、T.P.S.(La taxe sur les produits et services; 「連邦消費税」英訳 Federal goods and services tax 6%)という税金(4.30$)、T.V.Q.(La taxe de vente du Quebec; 「ケベック州販売税」 英訳 Provincial sales tax 7.5%)という税金(5.69$)が加わって、81.58$となる。付随的な料金がかなりになり、円安でもあり、約10000円となり、日本で食べるよりは、大分高い。メニューに書いてある値段をxとすれば、正式なレストランでは、実際に払わねばならない金額は、1.15x × 1.06 × 1.075=1.31xとなり、メニューに書いてある値段の約3割り増しと考えねばいけない。サービス料は、こちらが、日本人で、チップを払わない恐れがあるからか(ハワイでは、最近、日本人はチップを払わない人がいるので、日本人には、最近、予め15%のサービス料を可算することにしたとテレビで聞いた)、あるいは全員に要求するのか分からない。更にチップの項目もあったが、それは、サービス料を払っているので払わなかった。すしは、当店の創作物だそうで、1つ1つに、Tokyoなどの都市の名前がついていた。味は、日本人が作っているだけあって上手かった。

Qb23
Qb24
Qb25

●帰国:オーバー・ブッキング
7月9日(月)は、ケベック空港、10時50分発の便(トロント経由)に乗り帰国しなければならないが、早めの8時5分にホテルを出る。気温は17 ℃であった。前日、道を確認していたので、間違わずに、16.5kmを約20分で行くことができた。車の返却も問題なくできる。2時間ぐらいの待ち時間は、主に、絵はがきを書いた。カナダから、日本、ヨーロッパに出すはがきには切手代1.55$(約180円)かかる。さらに税金もかかった気がするから、州によって値段が違うようである。日本からは世界どこでも、70円ではがきは出せる。カナダでは、はがきは普通、大型で、半分より上側に線が引いてあり、そこまで書けるから、多く書くことはできるが、それにしても高い。郵便代は相互で大体同じ値段にすると決まっていると聞いたような気がするが。
トロントまでは約1.5 時間であったが、途中で、トロント〜成田間の座席の番号が、自分はあるのに、家内のものは未定であることが分かる。トロントの乗り換え時間は、1.5時間あったが、そのことを、成田行きの乗口のカウンターで申し出よと、トロント空港の案内所で言われたので行くが、なかなか職員が現れない。同じ問題を持った人が少なくとも5−6人はいる。どうやら、オーバー・ブッキングらしく、我々は、2人ともビジネス・クラスに移してくれたし、他の人も移れたのであろう。乗ってみると、ビジネス・クラスも満員になっていたから、料金を返して、他便で無料で成田まで来た人もいたのかもしれない。そのような経験を以前にも2度経験したことがあるが、今回のように長距離では初めてで、思わぬ恩恵に与った。なお、エアー・カナダは、リコンファメーションは必要ないと言われていたので、してはいなかった。トロント14時5分発で、成田には、翌日、7月10日(火)、定刻15時55分に無事着く。時差は、13時間であるから、約13時間かかったことになる。
写真説明
●ケベックの北の地方
Qn1:フェアモント・ル・マノワール・リシュリュー
Qn2:ホテルの庭からみたセント・ローレンス川
Qn3:ラ・マルベの観光案内所前の景観
Qn4:街道(138号)沿いのチーズ店
Qn5:大繁盛のチーズ店のレジ
Qn6:サンタンヌ・ド・ボープレ大聖堂
Qn7:モンモランシー滝
Qn8:滝の向って1番左の小別流
Qn9:オルレアン島から見たオルレアン橋

● ケベック
Qb23:大道芸
Qb24:州議事堂
Qb25:すし店(銀杏)