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【フィヨルド地域】 |
●べルゲン(Bergen)
ハンメルフェストから、トロムセでSASに乗り継いで、途中トロンハイムなど3ヶ所でとまり、ベルゲン空港に着いたのは、26日(日)の20時であった。日曜であり、便数が少ないので、一番早い便ても、この時間に着くことになる。ベルゲン(人口:約23万5千人)はノルウェー第2の都市である。翌日、港近くの、世界遺産の木造家屋の並ぶ市の中心地ブリッゲン地区や、市場を見る。名物の小エビを購入する。ケーブルカーでフロイエン山に登り、市内を一望に見る。車で、郊外トロルハウゲンにある、グリークの家を訪問する。33年前は、訪問者も少なく、確か、「泥棒君へ、家のものは何でも持っていって良いが、作曲の邪魔だけはしないでくれ。」という趣旨の紙が貼ってあったような気がするが、今は、日本からの方々も含めて、多くの団体客も訪問しているようである。丸1日、まずは、33年前の訪問時の復習・確認のようなことをした。
●ベルゲンからレルダールへ(Lardal)
距離は209kmであり、途中フロム鉄道にも乗りたいので、道中あまりゆっくりはできない。道中、道に面して大きな美しい滝が、2つある:その1つ。車を停めて、ゆっくり見る。観光バスが、ときたま着く時以外は、ほとんど他に見物人もいない。雪解け水のためか、どこでも水量が多い。ノルウェーはいたるところに滝があるが、ナイアガラの滝といった超巨大な、恐怖さえ感じるようなものではなく、美しさのみを感じるものがほとんどであるのは有難い。フロム(Flam)では、観光用のフロム鉄道に乗って、ミュルダール(Myrdal)を往復する。ミュルダールまでは20 km、標高差866 mで、片道、約1時間かかる。ミュルダールは、オスロ-- ベルゲン間の鉄道が通っているが、車で行くのに適した道はない(細い道はある)。一方、フロムは、ソグネフィヨルドの支流オーランドフィヨルド(Aulandsfjorden)の最も奥まったところに位置し、船の発着ができる。それで、フィヨルドめぐりをする多くの観光客が、オスロから、ミュルダールまで鉄道で来て、フロム鉄道でフロムに出て、ついで船に乗ってフィヨルド観光をして、ベルゲンに出るか、適当なところからバスに乗り換えベルゲンにでるというようなコース(あるいはその逆)を取るらしい。いずれにせよ、フロム鉄道はフィヨルド地域の陸の観光の目玉で、途中、ヒョース滝(Kjosfossen:fossは滝、-enは、定冠詞で、後に付ける。-etと付く名詞もあり、北欧3ヶ語には、en名詞とet名詞がある。そのためにenやetで終わる地名が多い。例えば、Bergenも、山を意味するBergに、定冠詞enが付いたのであろう。)では、5-6分停車して、乗客がプラットホームに出て、目の前の滝を見物できるようにしている。水しぶきが、ホームに飛んでくる迫力である。カメラにも水滴が付く。列車では、次々に展開される眺めは、大変よいが、遠方からの眺めで、しかも列車は遅いとはいえ走っているので、このヒョース滝見物以外は、いまひとつ臨場感には乏しい。景色は両側に展開するので、大半の乗客は、立ったり座ったりの連続である。フロムは一大観光中継地で、いろいろ設備もあり、観光客に溢れかえっていた。ここには、日本人も沢山いる。
ここフロムから、レルダール(本当はラーダと発音するのかもしれない)に至るには、24.5
kmのトンネル(総工費約185億円, 期間5年、2000年竣工、予測交通量:年平均1日1000台,
http:www.gradus.net:通行無料)を通る。日本では、どれくらいかかるのか知らないが、総工費が意外に安いのに驚く。レルダールで2泊して、そこを基点に、北上して、2度フェリーに乗って、日帰りできるウルネスの木造教会(世界遺産)や、フィヤールラン(Fjarland)の氷河博物館や、付近の実際の氷河2ケ所(ボヤ氷河とスフェル氷河)を見に行く。ウルネスの教会は、ノルウェーの他にもいくつかある木造教会ほど外観は美しくないが、1135年建立とノルウェーで最も古いので世界遺産になった。その外壁の模様は、お札にも採り入れられている。
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●ハダンゲルフィヨルドからサウダフィヨルドへ
次の宿泊地サウダ(Sauda:ソーダと読むのかも知れない) まで、元来た道(E16)を最初戻ってVossを経由して、BruvavikからBrimnes までフェリーでハダンゲルフィヨルドの支流(Eidfjorden)を渡る。セールフィヨルド(Sorfjorden)の東側に沿って13号を南下し、途中で520号に入った。(案内書に、‘4大フィヨルド’と書かれているので、4つしかないかと錯覚するが、無数にある。ソグネフィヨルドは、最長(200km)で、有名だが、景色に関しては、他にも良いところが、沢山ある。)ここまで来ると目的地のSaudaまで比較的近く、時間に余裕があることも分かったので、しばしば、道端に車を停めて、景観を楽しんだ。現地に行って初めて分かったが、山道だが、良い道で、車もほとんど通ってなく、冬は雪の深いスキー場で知られるところらしく、道の両側には、長いポールが立っており、6月末というのに、あちこち、かなりの雪が残っており、八甲田山麓に似ている。きっと、開通しているのは、雪の無い夏だけなのであろう。湖なども多くあり、未だ融けかかっているものも多かった。天気も良く、その景色は何とも言えない美しさであった。1972年8月に、イェテボリ--(オスロ)-- ベルゲンを車で往復したときは、こういう景色の連続だったように思うが、今回、そういう景色が珍しくなったのは、その後、あちこちにできたトンネルのためと想像する。
●プレーケストーレン(Preikestolen)
7月1日にサウダを8時半に出て、RopeidからSandに、またNesvikからHjelmelandに2回フェリーでフィヨルド(それぞれ、Sandfjorden、Josenfjorden)を渡って、タウ(Tau)に12時ごろに着いたが、泊まる予定のホテルが閉まっていて、はたしてここでよいのか迷ったが、ちょっと不安ながら、東京出発前に、メールでリコンファームしていたので、チェックインは、後回しにし、天気が良いので、プレーケストレンに本日、登ることに決めて、フィヨルド(Idsefjorden)に面する麓のプレーケストールヒッタまで行く。駐車場に車を置いて登り始めたのは、14時丁度であった。登山道の様子は、ネットやテレビで見ていたので、大体想像がついた。途中は、大きな石のある登り道や、湿地を板で渡した平坦の道、最後は、広々とした岩板でできた見通しのよい平原みたいのところを通り、目的地には、2時間後の16時に着いた。案内書では登り2時間―2時間半と書いてあり、大体その通りであった。速い人で1時間というネットの情報もある。長い道ではあるが、ややきついところは、1,2ケ所のみで、おおむね楽な道で、途中、持参の水は何度か飲んだが、特に休むことなくゆっくり歩き続けた。天気もよく多くの人が登っていたが、時間が遅いので(麓発最終バスは16時15分発)、登る者より、降りてくる人が多かった。プレーケストレンは、その真下のリーセフィヨルド(Lysefjorden)から標高差604 mで、温度は上に行ってもそう変わらず、裸に近い格好で登っている人もかなりいた。プレーケストーレンには、長い道のりの後、急に出るので、感激も一入である。この地名は、‘教会の説教壇’を意味するそうで、自然の造形物としては、大変珍しく、ほぼ、4角形の平面をなし、604 mの垂直の絶壁を成している。多くの観光客が、この辺鄙なところに、登り2時間も歩いて来るのがよく分かる。上から、下を腹ばいになって見る人が多いので、自分も試みたが、気持ちのよいものでない。自然維持を旨として、柵や店やトイレなど人工物は一切無い。時折、突風が吹いてくるので、落ちる人はいないのか心配である。日本だったら、こうは出来ないであろう。天気がよく、下のリーセフィヨルドの色が美しかった。写真を撮るために裏の岩山にも登ったが、そこからの眺めは更にすばらしい。ここで、1時間景観を楽しみ、17時に下山を開始し、19時時少し前に麓に着いた。下山は1時間半が標準だそうで、我々は、下山にも登山と同じぐらい時間がかかったことになる。しばらく休憩したり、買い物をしたりして、ホテルに20時ごろ戻った。幸い、コンファレンスセンター(ホテルの管理主)では、10数人程度の会があったのか、庭でバーベキューの夕食を取っていて、我々を待っていたのか、マスターが飛んで出てきた。少し離れた新築と思われる付設のホテルで泊まるのは我々だけであった。鍵をもらって、車で、5分ぐらいのところだが、探すのに少し迷った。薄暗くなったら、何か分からぬ小動物も出てくる長閑なところであった。港のスナック店が辛うじて開いていて、夕食にありつける。フェリーなどを見ながら、汗をかいた後のビールは格別であった。本日の万歩計は約22,000歩を示していたから、これが、およそ、プレーケストーレンを往復するのに要した歩数と考えられる。 |
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@虹の中の飛行機の影:
トロムセからベルゲンに向かう途中、丸い虹の真中に、飛行機の影が映り数分間続く。
実際には、もっとはっきり見えた。こういう現象は初めて見た。
Aベルゲン:
フロイエン山から(320 m)の市内の眺め。右手の港の右側の道に面した地区はブリッゲン(Bryggen)
と言われ、木造家屋が並び、世界遺産に指定されている。
Bステインスダルの滝:
ベルゲンからヴォスへの道(ハダンゲルフィヨルドよりの道)のノルハイムスンド付近に道に
ほとんど面している。
Cヒョース滝:
フロム鉄道(フロムーミュルダール間)のKjosfossen駅で5−6分間停車し、ホームに出て滝を見る
ことができる。見物が始まると音楽がかかり、女性が出てきてダンスのサービスをするのが、自然の
ままが好きなノルウェーとしては、ちょっと異様である。
Dウトネの木造教会(世界遺産):
フェリーの船着場から、10分ぐらい坂を登ったところにある。
Eスフェル氷河(Suphellebreen):
フィエーラン(Fjarland)の氷河博物館から、車で10分ぐらいの距離にある。
立ち入り禁止区域を少し越えて近づいている人もいる。
Fスタールヘイムスクレイヴァ道(Stalheimskleiva):
スタールハイムホテル付近からの眺望:フロムとヴォスの間にある。
Gローテの滝:
13号線上(写真に見える)、オッダの南にある。
H融け始めている湖:
520号線のサウダに続く山道の両側には、融け始めている湖や、ほとんど融けきった湖などが、
沢山ある。6月30日。
Iプレーケストーレン:
17時近いので、あまり人はいない。下はリーセフィヨルドで、台地と604 mの差がある。
時々吹く突風以外は、静まり返り、フィヨルドの青が映えて、神秘的である |
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