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●シラクーサ(Siracusa)(アルキメデスの活躍した町)
シラクーサと読むのか、シラクーザと読むのかは、イタリア語の参考書に次のように書かれているのを
参考にする。「普通はサ行音を表すが、単語の中で前後を母音字に挟まれた場合はザ行音になる。ただし、
南イタリアでは、この場合でもしばしばサ行音でいう。」とあるので、南イタリアなのでシラクーサとする。
要するに、両方正しいようだ。9月9日(土)は、1日中、見所の多いシラクーサに行くことにする。ホテルを
8時50分に出て、10時20分に到着する。距離は70 kmであった。古代ローマのギリシャ劇場を見る。この種
のものは、もういくつ見たか分からないが、ここのものは、かなり規模が大きく1万5千人収容でき、周りの
風景が見える開放感が良い。多くの観光客が来ているが、混雑感を感じさせないほど大きい(Si1,
Si2)。
隣接してある円形闘技場は、それに比べて人気がないのが対照的である(Si3)。次いで、これらと共に
ネアポリ考古学公園の1角にある「天国の石切り場」を見る。入り口の高さ23
mのディオニュシオスの耳
というカラヴァッジョが名付けた穴を見る(Si4)。中は、奥行き65 mの暗い広間があるだけである。
これは石を切り出した跡なのであろうか。これらの一画に、アルキメデスの墓があったのをすっかり忘れて
外に出る。近くのマドンナ・デッレ・ラクリメ聖所記念堂を見る。ギリシャ劇場の遠景に見える三角形の屋根を
持った建物である。(Si2に見えるように、町の何処からでも見える。) 古代都市のイメージとは全く相反する
モダンな建築物である。1953年に、セッコウのマリア像が5日間涙を流したという奇蹟を記念して1994年に
建設されて、シチリア島を代表する建築物だそうである。観光客はほとんど来ていなかった。その向いにある
州立パオロ・オルシ考古学博物館には「ランドリーナのヴィーナス」というシラクーサの至宝があることを
忘れていて見落とす。ミロのヴィーナスより美しいとモーパッサンが絶賛したということを後で知り、その感を
深めた。ただし、ここは、写真撮影が禁止されているので、見ても写真は撮れなかったろう。 |
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次にそこから2 km弱離れた、橋で繋がったオルティジア島(Ortigia)に行こうと思う。狭い島なので、車が
駐車できるかどうか心配で、タクシーを利用しようと思ったが、タクシーが見当たらないので、まず1度車で
行って、もし駐車できなければ戻ってきてから、タクシーで行くことにして、行ってみる。行ってみたら、車の
駐車するところがあったので、停めてレストランに入る。13時50分になっていた。レストランに入ったら、予て
から是非食べたいと思っていたウニスパ(雲丹の入ったスパゲッティ)があるので、注文する。注文している
間に、車をいたずらされないか心配になって、家内を残して、レストランから見える有料駐車場に車を移しに
出る。ウニスパの、正確な値段は忘れたが、たしか、1人前18Euro(約3000円)ぐらいして、非常に高かった
が、大変美味であった(Si5)。後にどこかでもう1度ウニスパを食べたが、雲丹の量は多くなかったが、値段
はそう高くなかった。レストランを出て、この島で一番の見所であるドゥオーモに入る。ステンドグラスなどが
美しい(Si6)。
次に、近くのアレトゥーザの泉(Fonte Aretusa)というものを見る。海のすぐ横に真水が湧いているらしいの
は不思議である。泉にはアヒルと思われる鳥が浮いている(Si7)。ここは、昔、洗濯場としても使われていた
とのことである。泉の水面が低く、この泉と海とを1枚の写真に収めるのは難しい(Si8)。先に見えるのは島
ではなく、小さな湾を挟んだシチリア本島である。
次に、近くにあるはずの州立美術館にカラヴァッジョの絵があるので探すが、美術館自体の入り口も分から
ない。工事している建物があったので、それが、美術館と想像しあきらめる。自然科学で最も古い有名人で
あるアルキメデスの墓を見なかったことに気付いて、地図で見ると外の道から見えるところに位置している
ので、再びもとのところに行って外から探してみるがよく分からない。その辺りの写真を撮る(Si9)。
後に、webで見ると、「紀元前75年に政治家マルクス・トゥリウス・キケロによってシラクーサの入り口近くで
いばらと雑草に覆われた彼の墓が発見された。その後、墓は行方不明となった。」とあるから、中に入っても、
はっきりしたものは見られないのかもしれない。
いずれにせよ、有名な古代自然科学の墓を確認できなかったのは大変残念であった。アルキメデス
(B.C. 287-212)がシラクーサの人であることは、すっかり忘れていた。第2次ポエニ戦争では、カルタゴに
味方して、いろいろな武器を発明してローマを苦しめた。
シラクーサを16時40分に出て、ポッツァーロに帰る。2泊もして、海岸を1度も見ないのもまずいので、
ちょっと立ち寄ってみる。泳ぐのには適した砂浜が広がっていた。もう夕方なので、小学校低学年の子供が
3人自転車で遊んでいるだけであった。 |
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写真説明
Si1:シラクーザのギリシャ劇場
Si2:同上;左手遠方に見えるのがマドンナ・デッレ・ラクリメ聖書祈念堂
Si3:円形闘技場
Si4:ディオニュシオスの耳
Si5:名物ウニスパ
Si6:ドゥーオーモのステンドグラスの「最後の晩餐」
Si7:アレトゥーザの泉
Si8:同上
Si9:アルキメデスの墓付近 |
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