SICILY F
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Et4
Et5


Et3
●エトナ山(Etna)(シチリア観光のハイライト;ヨーロッパ最大の活火山)
 朝起きると、天気は快晴ではないが、晴れている。今日は、9月11日で、5年前には、ニューヨークテロが
起こった日であり、その時は、ルクセンブルグにいた。朝やや遅く、9時25分にホテルを出発する。車の行ける
最終地点のニコロシ(Nicolosi)迄は、20km程度で、途中、追い抜いて行く車は1,2台で、あまり観光客が
行かないのかと思った。有料駐車場に車を置いて、次に乗るロープウエイの駅に行ったら、建物の階段に
長い列ができていて外にまであふれ出ていた(Et1)。ほとんどの人は団体旅行のバスで来ていて、我々が
来た道とは違う道からここに来ていたので、分からなかった。列に並んでいる間にも、団体バスが着いて、
行列はますます長くなってきた。(ロープウエイ+ミニバス)往復の料金は1人38 Euroである。ロープウエイは、
休みなく来るが、定員は6名で、大人数を運ぶには時間がかかる(Et2)。ロープウエイの終点からは、今度は
ミニバスに乗って、山を見る地点の近くまで行く。そこで降りて数百メートル行った先のロープの張った最終点
まで行って、山を見る。案内書や、webの訪問記を見ても、これらのルートがはっきりしないので、来るまでは
よく分からなかったが、年により、爆発の規模が変わってくるので、それに応じて、どこまで近寄れるか大いに
違うらしいことが分かる。因みに1669年には、溶岩流がカターニャの町まで達したそうである。ミニバスを降り
た地点から、見物最近接地点まで、歩く途中、山頂の上空を見ると多数の鳥が舞っているように見える。
これは近くに行って、火口から吹き上げる固まった溶岩であることが分かる(Et3、Et4)。ロープが張られた
見学地点から、噴火口までは、200−300 mぐらいであろうか。数分ごとに文字通り地響き音を立てて爆発し、
煙と溶岩を吹き上げている。吹き上げる岩の最高地点から落下地点までに要する時間は、3秒程度なので、
到達高さhは、簡単な力学の公式h=(1/2)g t 2 (g:地球の重力の加速度で9.8 m s-2, t: 落下に要する
時間)にt = 3 s(秒)を代入すると、h = 88 m となるから、50-90 m程度であろう。昼間なので、赤い火は見え
ないが、後で夜に遠くから見たら、真っ赤な火が見えた。ロープウエイの運行時間は9時から18時と書いて
あったから、この地点で、夜には、見ることはできない。いままで、近くで活火山を見たのは阿蘇ぐらいで、
それも煙だけで、音はしなかったような気がするから、今回が、実質的に生まれて初めてである。ハワイ島
の海に流れ落ちる溶けた溶岩は見られないが、時々は、大きな溶岩が煙を出しながら山の斜面を転がって
落ちていく(Et5)。
Et6
Et7
Et8
 見物者は、常時入れ替わっているが、100人程度の人がいる(Et6)。日本人はいなかったような気がする。
団体客は、帰る時間を気にしなければならないが、我々は、それがないので、気の済むまで眺められる。
ロープの張ってある下方の先は、境界の目印がないので、時々その領域から山に近づこうとする人がいると、
どこかで見ている監視員が笛を吹いて、手で外に出るように合図している。老犬が、死んだように寝そべって
いるので、砂の地面が暖かいに違いないと思い裸足になってみたら、案の定暖かく気持ちが良い(Et7)。
迫力に見とれて時間を忘れて、1時間半以上見ていた(駐車場に到着が、10時40分、出発17時なので、
計6時間以上はエトナ山地区にいたことになる)。この地点だけでも、同じような写真を100枚以上撮っていた。
十分見て、バスの終点を挟んで反対側の小山に登って広領域を見渡す(Et8)。ここに来る人は、エトナ山を
見た人の十分の1にも満たないが、カルデラから煙が昇っていたり、9月だというのに残雪があったりして
なかなか面白い(Et9)。名称は分からないが、そのカルデラを一周して、ミニバスで戻る。ミニバスの運転手
の横には、売り物の石英が置いてある(Et10)。1個500 Euroと書いてあるから7万5千円もする。
ロープウエイに乗る前の土産物屋で、エトナの火(Fuoco dell’ Etna)というアルコールを購入したが、後に、
学会の秘書の人にあげたので、どのくらい 強いのか分からないが名前からして強いのに違いない。  
ニコロシに戻る。ニコロシの右手にシルヴェストリの穴と称するカルデラが案内書に紹介されているので、
時間があったので見るが、煙も上がっていないし、先ほど見たカルデラに比べて見劣りがする。わざわざ
見に来ている人もいなかった。途中スーパーで買い物をして、ホテルに着いたのは、18時であった。その後、
夕食を取りに車でレストラン行き、20時50 分にホテルに帰る。本日の走行距離は、92 kmであった。
(なお、この旅行記をようやく書き上げた後の2007年5月6日から、エトナ山の大爆発がまた起こった。
その迫力ある光景をテレビで見て驚いた。)
Et9
Et10
Et11
写真説明
 
Et1:ニコロシのロープウエイを待つ行列
Et2:ロープウエイ(駐車場左手見えない部分にシルヴェストリの穴)
Et3:火口から煙の上がるエトナ山頂上
Et4:噴出される無数の岩石
Et5:時々斜面を落ちる溶岩の塊
Et6:爆発を眺める見物者たち
Et7:犬が感じてる地面のぬくもりを裸足で確かめる
Et8:反対側の山から見たエトナ山;中央はミニバスの終点
Et9:手前の山の火口からも白煙が上る;9月の残雪
Et10:ミニバス運転席で展示・販売する岩石
Et11:ロープウエイ--ミニバス連絡所で販売するリキュール